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全館輻射熱冷暖房住宅システムの開発者・福地建装・代表取締役会長
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ハイテク技術とローテク技術…札幌

2008年09月17日 19時48分38秒 | Weblog
一寸(30ミリ)×一寸五分(45ミリ)の木材を大工さんは「いっすんのいんご」と呼んでいます。
地域によっても異なりますが、45ミリ角の木材を一般的にタル木と呼びます。
このタル木は主に屋根の野地板(屋根材を設置する場所)の受け材料と用いられるものですが、このタル木、1本の価格が4mもので400円くらいです。

4mで400円と言う事は、1mが100円、50センチ50円、10センチ10円になります。
工事現場に行くと20センチから30センチくらいの長さのタル木は、無造作にゴミ箱へと捨てられています。
真冬の施工現場では暖を取るために、惜しげもなくそのタル木が燃やされているのです。
10センチ、20センチ、30センチのタル木だったら燃やされますが、それが10円硬貨だったらどうでしょうか。とても貴重な資源なのですよね。

麦芽を酒にしたビールと水道水の匂いがしない天然水が、ほぼ同価格である事が話題になる事があります。天然水と言っても、地下から汲み出した地下水を飲料水として販売するには、完全に沸騰させ蒸留水化によって不純物と雑菌を除去するのだそうです。
元は地下から湧き出た水であっても商品化するまでに相当な手間暇をかけています。
麦の芽からビールを造ってそれと同じ価格になるのですが、それほどの価値が…

今日は札幌市内の公的なシンクタンクと大学で特許技術に関する情報交換会がありました。
このようなシンクタンクで研究されている技術の多くは、ハイテク技術です。
このハイテク技術の入り口に、ローテク技術が存在するように思えます。
私達が研究し、開発するテーマの殆どがこのローテク技術なのです。

10センチ10円のタル木を有効に使用する方法などはローテクの極みでしょう。
地下水を商品化する際に出来るだけ手間と費用を掛けない方法も面白い研究テーマです。
特に我々が行なっている家づくりの施工現場は、発明の宝庫と言われています。
機械装置などのハイテク技術から、大工さん、左官屋さん、電気工事、水道設備などの施工技術は完全に置き忘れられた状況にあります。ゆえに未開発の技術が埋もれています。
写真は単にパンを焼くトースターですが、ハイテクとローテクの様々な機能が搭載され、特許になっています。ハイテクとローテクのバランスが必要な気もしました。

西日本は台風の影響で大雨に見舞われているようですが、ここ北海道は今日もまさに抜けるような青空です。北海道大学のポプラ並木を微風が束になって抜けて行きます。
明日は札幌から福島県に移動して工務店経営者セミナーで講演する事になっています。
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