坊主の家計簿

♪こらえちゃいけないんだ You
 思いを伝えてよ 何も始まらないからね

『目上』と『目下』

2009年04月06日 | 坊主の家計簿
 転出届けの為に市役所へ。諸々の都合で明日ぐらいには向こうの区役所に住民票を移して、住民票を取らんとアカンのだ。

 春。入学式に行く御参り先のガキがピカピカの学ランを着てるのを見て「君も大きくなったのぉ。。。」なんぞと思ったりする。
 なんだが、市役所は転出・転入で忙し、忙し。
 座って待ってたら、近くのバケモノ若坊主を発見。互いに近況報告なんぞをして「法話を頼むで」と、将来に法話の先生で来て貰う事を約束する。まあ、『青田買い』っちゅうやつでんな(笑)本来学者になるコースだと思ってたんだが、近所の住職の影響で学者にはならずに『ド念仏』の道を選んだ彼の法話は素晴らしく、5~6年ぐらい前だろうか?まだ20台半ばだった彼の『絵解き』(親鸞の生涯を絵で説明する)を聞いて、思わず泣いてしまうぐらいに感動的だった。基本の勉強がしっかりしている上に『ド念仏コース』なので、ホンマに良かった。教団は違うけど、絶対に来て貰お。

 その後に寺に戻って、大法要に向けての準備。
 帰りに腹が減りまくって、疲れまくってたので「焼肉ビール♪」と焼き肉屋で夕方から飲んで、帰宅して倒れる。。。

 復活。雑用、雑用と。

 そういや、中村雅俊の息子の中村俊太っちゅう役者さんが逮捕されたらしい。
 http://sports.nifty.com/cs/headline/details/et-ns-p-et-tp0-090406-0004/1.htm
 テレビでチラッとみて気になった言葉なんだが、役者を辞めさすらしい。
 え~。。。事務所の社長でもある『父』の言葉なんだろうが、なんかうっとうしい。事務所を解雇するのだったら解雇すればエエのだろうが、息子が役者を続けるかどうかは息子の勝手だろうに。
 思うのだが、親が子に対して「役者を辞めてもらうつもりです」とは、子は親の所有物であると云う事である。つまり、それが『甘え』ではないのか?甘やかして小遣いを与えたり生活援助したりするのと同じだと思うのだが。親子とも自立出来ていない。まあ、息子の方は解らんが、少なくとも中村雅俊は子離れが出来ていない。

 また、息子は31歳らしい。31歳にもなる息子に対して、親が偉そうに云う資格があるのだろうか?まあ、所属事務所の社長でもあるから、その立場として「事務所を辞めてもらう。これから彼が役者をやりたければ自分で仕事を探して来てやればいい」みたいな感じなら解るのだが、「役者を辞めてもらいたい」とは『親』が『子』に対して命令している事だ。
 それは、差別ではないのか?1対1の対等な人間関係ではない。
 まあ、息子が「俺の勝手にするぜ」なら構わないのだが、息子も「はい。お父さんの云う通りに役者を辞めます」っちゅうのは、なんかイヤだなぁ。。。

 女が男に従わなければならない、っちゅうのもうっとうしいし、子は何歳になっても親の云う事を聞かなければならない、っちゅうのも無茶苦茶うっとうしい。
 兄弟、姉妹でも、『目上』の人が云う事に従わなければならない義務なんぞ一切ない。
 従わなければならないのは差別の論理である。
 そして、多くはその事が差別だと思ってもいない。当り前だと思っている。

 そういや、某大学教授が居る。大谷派僧侶の大先輩である教授の講演の後に打ち上げで飲んでた。私たちは教授の席と離れていたので勝手にワイワイと。すると教授がビールを持ってやって来て「今日の話どうでしたか?」と、酌しに回って来た(笑)

 別の真宗の先生は、「君達はまだイイですね。君達は批判されるでしょ。私みたいになると誰も批判してくれなくなります。。。」と悲しそうだった。

 『目上』と『目下』。言葉使いも変わって来る。
 亀田兄弟は敬語を憶えなくてはならなくなった。敬語を使わない亀田兄弟に対してのバッシングがあった時に結構多くの真宗門徒は問題にした。
 対等を、平等を目指すが故に。

 『目上』の云う事に対して『目下』が無条件に従わなければならない論理は差別であるが故に、無条件に従わなければならない義務は一切ない。
 人間だから。

 中村雅俊が、事務所の社長として解雇するのなら解る。けど、親として「役者を辞めてもらいたい」とは、「どの口がヌカしとるねん」っちゅう話である。