坊主の家計簿

♪こらえちゃいけないんだ You
 思いを伝えてよ 何も始まらないからね

自転車誘拐事件

2008年10月22日 | 坊主の家計簿
 10月22日

 雑費  身代金        1500円
 外食  担々麺セット      800円
 食類  諸々          804円

 合計             3104円
 10月累計        103007円

 休み♪
 なので当然『休む』。

 ちょっくら泥棒に入られた人が居てて、21日に少し盛り上がる。そういう話で盛り上がっていたからだろうか、っちゅうか、全く関係はないのだが、私も自転車誘拐犯により、愛車を誘拐される。しかも、堂々と鉄製の看板でもって犯行声明が書かれてあり、「自転車を返して欲しければ身代金1500円を持って以下の地図の所まで来い」との事。
 一瞬「警察に連絡すべきか。。。」とも思ったのだが、なんせ愛車が返って来る事が最優先であり、しかも身代金が1500円だった事もあり、殺気立った眼で地図の場所に出向く。
 「誘拐犯め。。。どんな顔しとるねん」
 と、様々な悪そうな顔を想像していたのだが、なんか非常に気の弱そうな初老の犯人だった。しかも非常に腰が低い。私は殺気のやり場をなくしてしまったのだが、なんせ誘拐犯である。用心しなければ、いつ刺されるかもしれない。私は周囲を見渡し、すかさず武器になりそうなモノをみつけ、凶器と犯人との距離を伺いながら会話を求めた。
 「自転車の鍵はお持ちですか?」
 と、犯人はもの静かに語る。私は用心しながらポケットに片手を突っ込んだ。この瞬間が危ない。視線を外す時も危ないが、片手をポケットに突っ込むと運動能力が半減してしまう。しかも不幸な事に自転車の鍵はジーンズの右ポケットに入れて居た。失敗であった。右利きの私にとって右手をポケットに入れてしまう事はとても危険な行為であった。
 それでも用心しながら私はポケットから鍵を出し、犯人に命じられるがままに自転車の鍵を開けた。犯人は私に命じた。
 「事務所の方に」
 来た。これからが本番である。なんせ取引はまだ終わっていない。私は事務所に入る。事務所にも別の初老の犯人がいた。なにやらこの犯行は初老の犯人2人での犯行らしい。
 「金は用意して来たか?」
 と、犯人は云う。私も
 「用意して来た」
 と。
 緊張の瞬間である。
 犯人は「では、そちらに」と、視線を自動販売機の方に向けた。
 「ん?」と私は思いつつも、その自動販売機を見る。見つめる。睨みつける様に見つめる。なんと、なんと、信じられないだろうが、そこには『自転車1500円』「原付2500円』と書いてあった。
 最近、誘拐等の犯行が組織化されているとは聞いていたが、まさか身代金を自動販売機で支払うまでに組織化されているとは全く想像もしていなかった。
 私は千円札2枚を自動販売機に入れ、500円のお釣りを受けとった。そして、1500円の変わりに出て来たのは、なんと『領収書』であった。身代金の領収書である。この領収書は税務署で落とす事が出来るのだろうか?税務署に行った時に、
 「この領収書はなんですか?」
 「自転車が誘拐された時の身代金です」
 「そうですか。。。最近は多いですから気をつけて下さいね」
 という様な心温まる会話が税務署ではなされているのだろうか?
 私はそういう疑念を持ちつつも、領収書を再び見た。犯行グループの手がかりになる事が書かれているかも知れない。愛車が戻って来たからには警察にいくのみである。愛車の安全は保障されたのだ。あとは犯行グループが痛い目にあって、クサいメシを喰う番である。
 しかし、その領収書には恐るべき事が書かれていた。
 「○○市」と、私の住んでいる市の名義と、市役所の連絡先が書かれていたのだ。
 私は眼を疑った。本気で疑った。しかし、何度見てもその領収書に書かれていた文字は変わる事がなかった。
 確かに、我が市が借金ダルマ状態で赤字塗れである事は知っていたが、まさか善良な一市民の自転車を誘拐して身代金を奪う行為までしているとは信じられなかった。
 当然、私が書いた事を読まれる方々も同じ気持であろう。しかし、これが日本のある地方自治体の実状である。