英の放電日記

将棋、スポーツ、テレビ等、日々感じること。発信というより放電に近い戯言。

相棒 season22 最終回スペシャル・ 第20話「トレードオフ~AI右京の完全推理」

2024-03-14 15:02:49 | ドラマ・映画
「(私を見くびっていたことを)後悔するならば、
 人殺しなどと言う愚かな真似を、まず後悔なさい!
 そして、恥じなさいっ!」
(by 右京)

……この言葉、そっくり、輿水氏にお返ししたい。
 官房長官が、邪魔者の右京と美彌子を社会的に葬るため、“名探偵・右京”のフェイク動画を流した。そのフェイク動画の材料として、政治学者・乙部を多賀潮少年(青年?)に報酬2000万円で襲わせた。その襲撃の流れを作るために、プロデューサー・西村を抱き込み、乙部に番組で放言させた。フェイク動画などの小細工は、内閣情報官秘書・井上が暗躍。
 乙部を襲わせたのは、私怨を晴らすためでもあった。
 この官房長官・武智は“小さい男”で……
「武智は権力を維持するためなら、何だってする。
 そして、恨みは忘れない。チャンスを待って叩き潰す。
 チャンスが来なかったら、無理やり作る」
(by 下川元法相)

 それにしても、小さなことまでチェックし、その報復をする。資金や人材を私利私欲のために使い放題……そんなことに執着するより、しっかり職務を果たせ!
 そもそも、そんなことに勢力を果たしても、却って、足がつく(ボロが出る)ようにも思うし、《乙部襲撃の教唆》《フェイク動画の発信(教唆)》は、犯罪である。
 いくら何でも、官房長官がそこまでリスクを負うモノだろうか?そんな筋書きの脚本には大いに疑問!


★あり得ない!元・法務大臣と元・東京地検特捜部部長の暴走
元法相・下川――
 上記の官房長官への人物評でも分かるように、官房長官への憎悪はかなりのモノだったのだろう。それに加え、夫の身分を盾にとって、“指揮権”を発動させられたことが引き金になったと考えられる。
 しかし、(元)法務大臣が内閣官房長官を殺害するのは、暴走し過ぎ!

 それにしても、殺害の手際の良さは、アサシン(暗殺者)のようだった。
元特捜部部長・尾上――
 自分を起用した西村プロデューサーが、実は官房長官と結託していたと下川から知らされ、ふたりで共謀して官房長官と西村を殺害。尾上は西村殺害を担当し、捜査を混乱させるため、下川が殺害したような状況証拠をでっちあげる。
 しかし、検事として挫折したとは言え、正義に燃えていた尾上が殺人という大罪を犯すものなのか?
 それに、西村と官房長官が結託して乙部教授傷害事件を仕組んだとはいえ、乙部の番組での言葉に勝手に後押しされただけで、収賄疑惑捜査が頓挫してしまったこととは、直接関係はなく、西村殺害の動機は、相当弱いはず。それに、西村の後ろ盾の官房長官が失脚、あるいは死亡すれば、西村は自ずと衰退するだろう。

 それはともかく、前篇での西村殺害の報道を知った時の素知らぬ顔のフェイク度は反則級。
 下川犯人フェイクに利用された尾上妻は可哀そう。
 
★今回、大爆発した秘書・石川大輔(林泰文)の行動にも、大いに疑問
 これまでずっと美彌子の忠実な部下を務めていたが、出世に目がくらみ、フェイク動画や音声加工した美彌子の声でテレビ局に抗議の細工。
 官房長官が美彌子の後釜の座をチラつかせたとは言え、犯罪のリスクを冒すキャラだとは思えない。
 罵詈雑言掃き放題で、最後に一太刀と襲い掛かるなど、人格が崩壊したかのようだった。
 林泰文さんの演技は、これまでの井上のキャラをぶっ壊されたことへの腹いせだったのだろうか?設定の割には、出番が少なかったうえ、どうしようもない退場の仕方だったことへの不満が込められていたのかもしれない。


★フェイク動画に対する稚拙な警視庁の対応
 動画の件を、右京の仕業と断定し、官房長官に謝罪するのは、あまりにも拙速だった。
 いくら右京を排除したいとは言え、「右京の仕業と断定=警視庁の失態」となってしまう。動画がフェイクである可能性が高く、捏造(加工)かどうかは、分析すればわかるはず。実際、後に警視庁幹部か窮地に陥った。

 “警視庁の名探偵” “正義(“じっちゃん”ではない)の名にかけて” “官房長を殺害したのは僕です”と云うフレーズを右京に語らせたフェイク動画、さらに、それを逆用した右京の反撃などは面白かった。
 それと、《下川が官房長殺害現場に現れた際、裏木戸と外套の位置関係から、入ってきたのではなく、中に居た》という推理は面白かったが……
 ……事件の真相が、官房長官、元法務大臣、元特捜部部長らの行為があまりにも浅はかだった。
 私利私欲にまみれた官房長官が、追い詰められるシーンがなく、殺害されて終わりというのも、すっきりしなかった。

 ……相変わらずの脚本である。

 そういえば、前篇で意味深な表情をしていた乙部教授は、後篇に登場せず。(西村の上司の東都テレビ制作部長も登場しなかった)
 サブタイトルの『トレードオフ』も、実際はあまり関係なかったような……

 あ、そうそう、前篇で誰だか分からなかった山本大輝は、多賀潮から金を巻き上げていた男だった。
 

【ストーリー】(番組サイトより)
事件の黒幕は官房長官か内調か!?
右京の動画がカオスをもたらす!


 「警視庁の名探偵」を名乗る右京(水谷豊)が、一連の事件の黒幕は、武智内閣官房長官(金田明夫)に違いないと断言した動画が拡散され、波紋を呼んでいた。右京自身は「身に覚えがない」と否認していたが、警視庁上層部から謹慎を言い渡されてしまう。
 薫(寺脇康文)は、右京の潔白を証明しようと奔走するが、状況が好転する気配すらなかった。そうこうするうち、殺害されたプロデューサーのスマホに、下川元法務大臣(黒谷友香)からの着信履歴が残っていたことが判明。警察は下川に疑惑の目を向ける。いっぽう、下川が指揮権を発動したことで梯子を外された特捜部長の尾上 (甲本雅裕)は、左遷の憂き目に遭っていた。
 そんな中、“謹慎中”の右京は、政治学者襲撃事件を起こして勾留中の少年にアプローチし、背後関係に迫ろうとしていた。同じ頃、薫は驚きの情報を耳にしていた。それぞれの思惑が交錯する中、一連の事件の核心に迫る“右京の動画”が再び発信される。

真実と虚構が入り乱れる混乱の中、
日本を震撼させる衝撃の事態が!?
特命係が再び巨大な闇と対峙する!


ゲスト:黒谷友香 甲本雅裕 金田明夫

脚本:輿水泰弘
監督:橋本一


第1話「無敵の人〜特命係VS公安…失踪に潜む罠」(初回拡大SP)
第2話「無敵の人~特命係VS公安…巨悪への反撃」(拡大SP)
第3話「スズメバチ」
第4話「天使の前髪」
第5話「冷血」
第6話「名探偵と眠り姫」
第7話「青春の光と影」
第8話「センチメンタル・ジャーニー」
第9話「男の花道」
元日SP 第10話「サイレント・タトゥ」
第11話「その頬に触れるな」
第12話「惡の種」
第13話「恋文」
第14話「亀裂」
第15話「マッターホルンの殺人」
第16話「子ほめ」
第17話「インビジブル」
第18話「インビジブル~爆弾テロ!最後のゲーム」
最終回スペシャル前篇・ 第19話「トレードオフ」
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ちょっと “あこぎ” じゃないかえ? ……就職情報サイト運営会社

2024-03-13 23:50:43 | 時事
 今日(3月13日)は大手企業の組合への集中回答日で、満額回答や要求以上が続出しているが、労働組合に加入しているのは約990万人で、労働組合に未加入は約5000万人。

 今朝の『おはよう日本』では、この組合未加入者の賃上げについて取り上げられていた。
「組合はないものの、賃上げに繋がったという二つの事例を取材した」とキャスターは述べた。


【事例1】渋谷区の焼き肉店
 今月下旬からアルバイト9人の時給を更に100円引き上げることを決めた
 今の時給は1300円で、去年引き上げたばかり


 店内に女性が訪問。
 時給の引き上げを促した女性だ。……求人情報を掲載するサイトを運営する会社の社員で、この店の求人広告を掲載している
「平均時給が1340円という所に、もう乗っかってきているな(笑)」(情報サイト運営会社・社員)
 店主に示したのは、最新のデータ。
 この会社によると、周辺エリアの平均時給は1340円。“この店の時給は平均を下回っている”と指摘し、賃上げを促した。
「……1400円ね……う~ん、1400円かぁ…。1400円だったら、募集掛けたら、結構反響あるってことですよね」
「ようやく戦えるというラインになるという……えへへへ」

「この周辺では云々……1300で募集となると……」(にこやかな口調で、賃金アップを勧める)
 人手が足りず、予約を断るケースもあるので、人出を確保し、売り上げアップにつなげたいと考え、時給を100円を引き上げ、1400円にすると決めた。新たな負担は年間50万円になる見込み。

アルバイトの学生
「《自分も賃金を上げてください》と直接言うのは、なかなか厳しいところがあるので、そういところをサポートしてもらえると有難いし、(賃金が)上がれば、モチベーションに繋がる」


一見、店にもバイトにも親身になっている社員(サイト運営会社)だが、賃上げを促す理由は、実は……
……掲載された会社の時給が高いと、より多くの人がサイトに訪れるようになる
              ↓
  それに伴って、サイトに求人広告を出したいという企業も増え、会社の売り上げアップにつながる

求人情報サイト運営会社社長
「生活の維持向上、どうしても賃上げが必要だ。
 (アルバイト・パートの人たちは)雇用環境的には弱い立場にいるので、賃上げを要求することが本人からは言いづらい状況ですので、そういう方たちの給料を上げるのは、日本の経済を回していくうえで一番重要なんじゃないかと」

【事例2】金属加工会社
 2年連続でベースアップを果たしている
 従業員約100人、労働組合はない


 従業員代表を15人選び、経営陣と共に、決算書などを分析、問題点を検討したり今後の売り上げなどを予測して、賃金アップ額を検討し、従業員側が要望書を提出、経営陣が回答するシステム。

特集の解説記者
「今年の賃上げ率の予測は中小企業を含めて、平均3.88%(昨年3.60%)という予測が出ている。
 一方で、中小企業の中には、価格転嫁が十分にできていないので、賃上げは難しいケースも少なくない。
 専門家は、《賃上げの勢いがどこまで波及するのかが課題》だと指摘している」
賃上げを中長期的に持続させていくことは、賃金と物価が安定的に上昇する経済の好循環、そして、デフレからの完全脱却を繋げるために重要と言える」
 とまとめていた。

 どこかの総理大臣のスポークスマンかのような記者である。
 私のような低所得者にとっては、《物価が安定的に上昇する》のは、非常に困る!

 
 まあ、今回この記事を書いたのは、それらについての反対意見を述べるのが目的ではない(今記事は)
 今回記事の動機は、就職情報サイト運営会社・社長の主張(理念)についてである。
 《弱い立場のパート社員の代わりに、給料を上げる助力となりたい。さらに、それは日本の経済を回していく上で一番重要だ》という大義名分。
 しかし、時給アップに頭を悩ませていた焼き肉店・店主にとっては……
・「時給アップしないと、従業員は来ませんよ」と時給アップを促す
            ↓
・この焼き肉店だけでなく、他の個人事業者に、同じようなアドバイス(忠告・プレッシャー)を与え、時給アップを実現
            ↓
・このエリアの時給レベルがますます高くなる
            ↓
・店主は悩みながら、時給アップ………

   ………《苦悩のスパイラル》である


 上記で“大義名分”と表現したが、“免罪符”と表現した方がいいと思う。

 取材に登場した女性社員は、おそらく、社長の理念に賛同してのアドバイスなのだろう。
 もしかしたら、会社の売り上げアップのカラクリを知ったうえで、仕事をしているのかもしれない。

 ……“あこぎ”という言葉が浮かんだ、ニュースの特集だった。
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岸田総理の答弁は、夏休みの宿題について注意された時の小学生の言い訳を思い出させる

2024-03-08 11:42:14 | 時事
《カツオ、宿題やったの?》……「やってるよ~(1問だけだけど)」
《宿題やらなくていいの?》……「もちろん、やらなくちゃいけないよ」
《さっさと、しなさい》……「うん、やるよ(そのうちに)」

【重く受け止め、慎重に対応しなければならない 岸田総理】で検索すると
「政府一丸となって、より一層緊張感を持って職務に当たることによって、国民の信頼を回復するべく努力をしていかなければならない」(2023/11/13)
「政治への信頼が揺らいでいるという点は謙虚に指摘や批判を受け止めなければならず、任命責任者として重く受け止めている」(2023/11/21)
「国民の理解が広がっていないことは真摯に受け止めなければならない」(2023/11/28)
「大変遺憾なこと。重く受け止めている」「党として強い危機感を持って政治の信頼回復に努めなければならない」(2024/1/7)
……という答弁が記されている記事が、多数ヒットする。

 総理就任当時“聞く力”をアピールしていたが、就任後しばらくすると、それは“聞き流す力”だったことが判明した。
 政治資金問題に関しては、その力が存分に発揮されている。


野党の質問に対して、「(仰るようなことは)当然大切なことだと認識している。しっかり慎重に対応しなければならない」と答弁する。
 質問に正対して答えず(全く質問の回答になっていない)、一般論を述べているだけ。
 「慎重に対応しなければならない」という言葉は、便利だ。超便利!

 “慎重に対応する”というのは、《自民党のマイナスにならないようにする》でも嘘をついたこと菜はならない。
 さらに、“~しなければならない”とうのは一般論(概念論)で、「対応する」とは言っていない。

 この記事のタイトルを「夏休みの宿題について注意された時の小学生の言い訳を思い出させる」としたが、小学生は夏休みの終盤に辛い思いをするなど、相応の試練が待っているが、自民党は、のらりくらりと躱して、有耶無耶にして、終了。小学生の方が、遥かにマシだ。

岸田総理の“言い逃れ術”が顕著だったのは、【立憲民主党の小西洋之議員は、一度廃止が決まった安倍派のキックバック再開に、誰が関与したのか?】という質問への答弁(以下は『FNN プライム オンライン』より、引用)
立憲民主党・小西議員「安倍派の7幹部に確認したのか、その事実関係をお答えください」
岸田首相「わたしの指示によって、党幹部と外部の弁護士が参加する形で聞き取り調査を行いました。その調査の中で、ご指摘の点については確認をされておりません」

立憲民主党・小西議員「なぜ岸田総理は派閥の7幹部に確認をしないんですか? 派閥の7幹部が怖いからですか?」
岸田首相「いま現在、確認はできておりません」

立憲民主党・小西議員「なぜ安倍派の7幹部に確認すらしていないのか。その理由についてお答えください。3度目の質問です」
岸田首相「いま現在、確認できていないと申し上げております」

立憲民主党・小西議員「確認しない理由を答えてください。4回目です」
岸田首相「今の点については、確認ができていないと」

立憲民主党・小西議員「なぜ確認をしないのか答えてください、5回目です」
岸田首相「確認の努力は続けていますし、これからも続けてまいります。しかし、今現在確認できていないと申し上げております」

確認しない理由を聞かれても、「確認できていない」と繰り返す岸田首相。


 小西議員は“確認していない理由”を問いているのに、「確認できていない」と答えになっていない答弁を繰り返す。
 この「確認できていない」というのも超便利!
 確認作業をしていなくても、「確認できていない」と答えることができる。

 今後、確認する意思がなくても、使用できる。
 さらに「確認の努力は続けています」というのも、努力するだけで確認することを約束するわけではない。
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相棒 season22  最終回スペシャル前篇・ 第19話「トレードオフ」

2024-03-07 21:43:11 | ドラマ・映画
トレードオフ……
 一方を尊重すればもう一方が成り立たない状態のこと
 一方を追求するともう一方を犠牲にしなければならないという二律背反の状態のこと


前篇ということで、主要人物や事件のあらましだけ。(紺色字の人物紹介は番組サイトより)
政治学者・乙部泰治郎(佐戸井けん太)
大学の研究室に籍を置く政治学者。権力に忖度しない発言が、たびたび物議を醸し、最近はコメンテーターとしてテレビに呼ばれることが減っている。

 TV番組で幹事長の収賄疑惑について激しく糾弾。多賀潮に襲われる。
 襲われた際に、多賀が最後に言った「ごめんなさい」という言葉を、署に来訪し右京に告げる。
 佐戸井けん太さんが演じるキャラらしく、飄々とした性格だが、物思いにふけるシーンも。政界の暗部に関わっているかは不明。
 
多賀潮(島田裕仁)
 高校中退。ネットで政治批判をしていた。
 親が残した多額の借金を背負っている。
 乙部を襲ったのは2000万円の報酬の為。(右京が彼のアパートを捜索して、2000万円を発見)
 情緒不安定。何かを心に秘めているかも。

東都テレビの(元)プロデューサー・西村拓三
 番組に乙部を起用し過激な発言を求めた。しかし、その番組が原因で退社、新会社を設立しようとしていた。
 西村に興味を持った美和子が訪ねたが、ボウガンで射抜かれ死亡していた。

内閣官房長官・武智淑郎(金田明夫)
庶民派を装っているが、内閣を牛耳り、マスコミには睨みを利かせている狡猾な人物。味方になり得る人間には浅ましく手を回すいっぽう、敵と見なした相手はどんな手段を使っても徹底的に叩き潰す裏の顔を持っている。

 幹事長の収賄捜査を、法務大臣に指示し“指揮権”を発動させストップさせた。
 自分に関することを細かくチェックし、攻撃したり懐柔したりする。

法務大臣・下川阿貴(黒谷友香)
武智の指示で指揮権を発動し、収賄容疑を掛けられた幹事長に対する強制捜査を阻む。党内での裏取引により、何らかの見返りを得ると思われるが、詳細は不明。

 西村プロデューサー殺害に関与している可能性がある。
・西村のスマホに、下川からの着信履歴がある
・ボウガンが使用されていたが、下川は過去にボウガンと関わりがあった。(過去のイベントでボウガンを持っている画像が発見される)
・殺害現場にピンヒールのモノと思われる痕跡があり、彼女はピンヒールを愛用。

法務大臣・尾上欣悟(甲本雅裕)
 東京地検特捜部の部長。昨年就任したばかりだが、検察官として気骨があると評され、政治家の汚職に切り込む覚悟を持っている。しかし、指揮権発動を受けて、捜査が暗礁に乗り上げ、責任を問われることに。

 正義に燃えていたが、政府の圧力により捜査は制止され、責任を取らされ閑職へ。その後、前篇では意気消沈しているだけ。

東都テレビ制作部長・金子忠志(仁科貴)
 西村プロデューサーの上司。会社上層部からの圧力(空気)から西村を守り切れず、西村を他の部署への配置換えを決める。「必ず、呼び戻す」と言ったが、西村は退社。
 
 この人物、いろいろ味があった。
 報道関係の状況を右京たちに語る。
……「あの番組のオンエアの直後、強硬な抗議が入った。
番組への抗議は昔からあった。官邸や与党、野党からも文句を言ってくる。それを昔は聞き流してきた。
それを昔は聞き流していた。
…それが何時ごろからか、無視できない空気になってきて……そう、空気……そういう空気が充満してきて…」


 面白かったのは…上記の話中、受付から電話が入り、警察(捜査一課)が来たと知らされ、《また、警察が?》と訝しがる。
「特命係と捜査一課は…どう違うんですか?」
 と問われ、右京も亀山もバツが悪そうな表情に。(その様子が面白かった)

一旦、金子への聴取は終了(おそらく強制終了)したが、その後、金子から電話があり、
「どうやらおふたりは、私が創造していた警察官とは違う。
 警視庁の担当記者に訊くと、《上の言うことをちっとも聞かない…“警視庁の陸の孤島のおふたり”》だそうですね」
と言い、政府(国家)からの圧力は内閣諜報部・内閣情報官の社美彌子だという。
 抗録音した抗議を二人に聞かせる。
「西村を殺した男を捕まえてくれ!」と。
 
内閣諜報部・内閣情報官 社美彌子(仲間由紀恵)
 右京に尋ねられて「そんな抗議はしていない」と。
 抗議の美彌子の音声だが、抑揚が不自然。偽造(フェイク・人工)音声のように感じた
 《乙部泰治郎は要注意リストに入っていない》と言う

《事件についての仮説》
 番組での激しい批判に怒った内閣官房長官・武智やその周辺が、内調を使って、乙部や西村を殺傷した。
 しかし、被害者二人の被害度の差が大きすぎる(乙部は傷害の様子を生配信され、しゃざいを強要されたが軽傷。西村は殺害された)


山本大輝って、誰?
 右京に何やら依頼された角田課長が、呼びかけた男?……誰?(私が見落としただけ?)
 一般人ではなさそうな雰囲気。名字は違うが、多賀潮の父親?


事件の全容がつかめない……
『トレードオフ』(一方を尊重すればもう一方が成り立たない状態のこと)の状態になっていそうな人物は、東都テレビ制作部長・金子ぐらいだが、彼は「西村を殺害した犯人を捕まえてくれ」と切望(嘘には思えなかった)
 美彌子はもしそういう状態になったとしても、もっとドライにクールに立ち回りそう(足をすくわれるような行為はしない)
 最近のキャラだと、大河内監察官(神保悟志)や甲斐峯秋(石坂浩二)だが、ふたりとも道を外しそうにない。大河内に至っては、出番少なすぎ!


 と思っていたら、右京が官房長官が黒幕(犯人)であると断言する動画がアップされた!

 発信元も特命係の右京のPCと特定されたが、フェイク動画だろう。
 では、何のために?誰が?


【ストーリー】(番組サイトより)
指揮権発動を発端に事件が発生
右京が再び政界の闇に切り込む


 法務大臣の下川(黒谷友香)が指揮権を発動し、与党幹事長の収賄容疑に関する強制捜査が見送られることになった。裏で糸を引いていたのは内閣官房長官の武智(金田明夫)だったが、官邸の横暴をほとんどのマスコミが黙殺。捜査を指揮していた特捜部長の尾上(甲本雅裕)も、圧力に屈さざるをえなかった。
 唯一噛みついたのが、「特捜部長の気骨に期待する」とテレビで発言したベテラン政治学者の乙部(佐戸井けん太)だった。そんな中、乙部が未成年の男性に襲われる事件が発生。興味を持った右京(水谷豊)が、薫(寺脇康文)と共に動き出すと、被害者である乙部から、意外な証言が飛び出す。

少年はなぜ政治学者を襲ったのか?
背後に見え隠れする巨大権力の闇
そして起こる、さらなる凶悪犯罪
事件を追う右京が驚きの変貌を遂げる!?


ゲスト:黒谷友香 甲本雅裕 佐戸井けん太 金田明夫

脚本:輿水泰弘
監督:橋本一


第1話「無敵の人〜特命係VS公安…失踪に潜む罠」(初回拡大SP)
第2話「無敵の人~特命係VS公安…巨悪への反撃」(拡大SP)
第3話「スズメバチ」
第4話「天使の前髪」
第5話「冷血」
第6話「名探偵と眠り姫」
第7話「青春の光と影」
第8話「センチメンタル・ジャーニー」
第9話「男の花道」
元日SP 第10話「サイレント・タトゥ」
第11話「その頬に触れるな」
第12話「惡の種」
第13話「恋文」
第14話「亀裂」
第15話「マッターホルンの殺人」
第16話「子ほめ」
第17話「インビジブル」
第18話「インビジブル~爆弾テロ!最後のゲーム」
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嘆きの中村太地「その2」……2023年度NHK杯将棋トーナメント 準々決勝 中村太地八段-羽生善治九段

2024-03-06 15:38:22 | 将棋
「嘆きの中村太地……2023年度NHK杯将棋トーナメント 準々決勝 中村太地八段-羽生善治九段」の続きです。
《書かねば!》と思ってるうちに、2週間が経ってしまいました(それにしても、2週間の経過が速い)。


 図の▲6五歩は中村八段の新手。この手に対し、①△6五同銀、②△6五同桂、③△6五同歩が考えられたが、羽生九段は③△6五同歩を着手(①は先手優勢、②は形勢不明…詳しくは「その1」
 6五の地点は後手の銀と桂が利いていて、△6五歩と後手から仕掛けるのが通常で、羽生九段も「▲6五歩(新手図)は一度も考えたことがなかった」
 △6五同歩に▲6四角!

 この角打ちが中村八段が温めていた秘手で、この角を打つスペースを作るために▲6五歩の突き捨てだったのだ。
 この角打ちは、次に▲5三桂成とし△同金に▲7三角成とするのが直接の狙い。
 後手がこの筋を防ぐには、5三の地点の利きを増やすか、7三桂に紐をつけるかである。
 感想戦では、桂に紐をつける△8三飛も調べられた。ただし、飛車の位置は8一の方がよく、それを1手かけて8三に移動させるのは気が進まない。羽生九段もそんな感じで駒を動かしていた。
 中継の画面では、AI候補手として△8四角が示されていて、この角も△8三飛同様、桂に紐をつける手だ。この角打ちも受けの色が濃く、先手陣には響きが弱いので、感想戦では全く触れられなかった。ただし、中継AI評価値は最善手に挙げられていた(ただし、もっと読み込ませると評価が変わる可能性もある)
 羽生九段は△4四角。5三への利きを増やしつつ、先手陣を睨む攻防の角打ちで、プロ棋士なら第一感の角打ちだろう。(ただし、この角打ちも危険な一面もあり(後述)、その危険な一面を避ける意味では、△8四角も有力だった)
 中村八段も△4四角が最有力とみて、研究を掘り下げていたようだ。後続手は▲2四歩

 この▲2四歩は油断ならない手で、普通に△同歩▲同飛△2三銀と応対すると、▲4四飛と切られ、△同歩に▲7二角の必殺手が炸裂する。

 飛車取りだがこの角は只、△7二同金と取るのが当然なのだが、5三の利きがなくなるので▲5三角成が痛烈。以下△4一玉▲5四馬で先手勝勢になる。それなら、飛車取りを躱しつつ5三の利きを増やす△5一飛が考えられるが、この手には▲5四角成とタダで銀を取る手があって、後手陣は壊滅する。この筋があるので、《△4四角には危険な一面もある》のだ(△4四角が悪手という意味ではない)
 ▲7二角では▲5三桂成△同金▲7三角成も有力だが、

 これならば、後手も頑張れる。やはり、必殺図のほうが簡明であろう。
 私の想像であるが……
 …▲2四歩に対しては、やはり、まず素直に△2四同歩▲同飛を考え、△2三銀に▲4四飛△同歩▲5三桂成△同金▲7三角成を想定し、それで思わしくないと考えるなら、▲2四歩(第3図)や▲2四同飛の時に変化する手を考えるはずだ。
 微妙なのは、▲7三角成(良さげな図)で“後手も指せないこともなさそう”なこと。こちらの筋に隠れて、必殺手の▲7二角が見えないこともありそう。なので、▲2四歩(第3図)に素直に応じて、以下△2三銀▲4四飛△同歩に▲7二角を食らってしまう可能性も低くはなかった……(直前になれば▲7二角はひと目で見えるとは思うが)
 実際、感想戦では▲7二角が示された時、「そうそう、それが嫌だった……(実際の局面を目の当たりにして、凝視すること約20秒)……あ、これ…滅茶滅茶、痛いですね」と言葉を発し、さらに大きな声で「滅茶滅茶痛いですね」と。
 羽生九段は、先手から色々攻められる手を考え、その変化の中で飛車当たりを掛けられた時、△8六飛と走る余地を作るための△8六歩の突き捨てを入れておいた方が良さそう。更に、突き捨ては後からでは利かない可能性もあると考え、▲2四歩(第3図)のタイミングで△8六歩(第4図)と突いた。

 このタイミングでの△8六歩は、中村八段の想定外だったようだ。
 角か歩、どちらで取るか?……▲8六同歩だと、△6三金とされた時に、角が9七に帰還できないので、▲8六同角と角で取った。
 《▲4四飛~▲7二角の筋があるので良い》と考えたが、ここに大きな読み抜けがあった。
 角を引いて、《▲5三桂成~▲7三角成の筋が消してしまった》のが大きかったのだ。
 ▲8六同角の罪は2つ。
①(上記の)▲5三桂成~▲7三角成の筋がなくなった
②▲4四飛~▲7二角の筋の時の読み抜け

 この▲8六同角の周辺の気持ち(後悔)を、『棋士中村太地将棋はじめch』の「羽生善治九段戦の敗因を秒で当てたら怒られた」で、中村八段が吐露している。
 読み抜けは▲8六同角を指した後、気づいた。
 実戦は▲8六同角に△2四歩。この手に対して、中村八段は5分もの考慮時間を消費している。

 「△8六歩に対して、考慮時間の1分が惜しくて(この時、秒読みに入っていた。1分単位で消費できる考慮時間は10分全部残っていた)、ノータイム(25秒)で(ふらふらっと)▲8六同角と指してしまった。その後、5分も考慮時間を使うくらいなら、この時、もっと考えるんだった……」
 この時、先の必殺図を目指して、▲2四同飛~▲4四飛~▲7二角と進めたのが、“必殺もどき図”。(対比として必殺図も挙げておきます)

 “必殺もどき図”で後手が△7二同金と取ってくれるなら、思惑通り▲5三角成で勝勢になるが……
 ▲8六同角で角が8六にあるので、△8六飛と切られてしまう!

 NHK杯での初の準々決勝進出。相手は羽生九段(名誉NHK杯選手権者・優勝11回)。
 新手を披露、思惑通りの展開だったのに、ふらふらっと▲8六同角と指してしまい、研究が水泡と消えた……

 以降も、気力を振り絞って指し続けたが……


 無念さが滲み出る譜の進行だった。
 
 ちなみに、▲8六同角でなく▲8六同歩の場合は、△5二玉とするのが最善でほぼ互角らしい。
 8六の歩の突き捨ては、先手の角の可動域を狭める反面、先手に歩を与えるので▲3三歩などの攻め手を与えるので、一長一短で微妙とのこと。
 感想戦で、▲8六同歩に△6三金も調べられたが、▲5五銀△同銀▲同角△同角に▲7二銀が示された時、再び、羽生九段が「滅茶苦茶厳しい」と二度呟いていた。
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「何やってんだよぉ~」…その後

2024-03-02 10:51:34 | 将棋
「何やってんだよぉ~」の“その後”です。(「その2」ですが)


 第1図が問題の局面。合駒の選択肢は香、桂、銀、金、飛の5つ。
 合駒選択の考え方は、その局面によって異なり、難しい。
 金合いは先手を取る意味もあり有力。後手玉には詰めろが掛かっており、金1枚使っても詰めろは消えないのも魅力。ただし、△3八金▲同玉△5八龍などで取られてしまうことがマイナス。
 その意味では、安い駒の香を打ちたくもなる。歩がベストだが、あいにく二歩。香は後の△5七龍を防いでおり、桂は後に4六に駒を打たれる手を防いでいる。飛合いは後手玉を詰ますのに戦力低下になり、飛車を取られてしまう危険性もある。ただし、場合によっては、玉が右辺下段に逃げた時、防御になる可能性もある。
 銀合いも有力そうだ。守備力もそれなりにあり、持ち駒に銀が3枚あるので1枚消費しても影響なさそうだ。

 ……正解は、金、または香。桂合は優勢から互角になり、あまりよくない。飛と銀は敗勢になる。
 羽生九段は4分で銀をつまんだ……形勢を表す評価値の曲線は、東尋坊の断崖絶壁ごとく、急降下した……
 上記の△3八金▲同玉△5八龍の筋で、後手が銀を手に入れると先手玉は詰んでしまうのだ(厳密には、詰まない逃げ方があるが、絶望的な局面になる)
 評価値を知っている観戦者は、《銀合いは負けになる》と知っているので「何やってんだよぉ~」となるが、対局者が正着を指すのは非常に難しい局面だった。この記事を書くに当たり調べたが、相当難しい選択肢が多かったのも不運だった。それでも、32分残していたのに、4分で指してしまったのは残念だ。
 羽生九段も着手した暫く後、銀合いの非を悟っていたのが伺えたし、局後も悲痛な感情を隠せなかった。

 (香合でも良いようですが、この記事では金合いに絞って述べます)

 金合いに対しては、①△3八金と②△4七香がある
①△3八金
 第1図より△3八金▲同玉△5八龍と進んだ時、3六に利かせて▲4八桂と合駒をするのが正着。
 この時、㋐△4七金と㋑△3六香がある
㋐△4七金
 △4七金には▲2七玉。

 この時、もし4七に打った駒が銀ならば、△3六金▲同桂△同銀成と迫ることができる。この違いが大きい。この差は、最初の5八への合駒が金合いか銀合いで生じる。▲5八銀が大悪手である所以だ。
 とは言っても、金合いしても“金合い図2”から△3六金▲同桂△3八龍▲2六玉△3六龍と迫る手があり、気持ち悪い。

 だが、図から▲1五玉(金合い図4)で大丈夫。後手の1六歩がなければ簡単に詰むのだが…。

▲4八桂合に対して、㋑△3六香も有力。

 △3六香には⒜▲3七歩△2八金▲同玉△4八龍と迫る手が怖い。
 この手には▲3八飛が好守!
 以下△1七金▲2九玉で逃れている。(▲1九玉と逃げると△1八金▲同飛△2七桂以下詰み)

 また▲3八飛(金合い図6)の時

 △1八金も▲2七玉で大丈夫(▲1八同玉は詰む)
 ”金合い図5”の△3六香に対して⒝▲2七玉とかわした方が簡明かもしれない。
 以下△4七龍▲2六玉△1七龍▲1五玉(金合い図8)と追い込まれて絶体絶命のように思われる。

 この局面、後手の持駒に金が2枚あるが、先手玉に詰みはない。歩が打てないのが痛い。持駒に香か桂などもう一枚あれば詰むのだが…

 と言う訳で、▲5八金(金合い図)に①△3八金は詰まない
 では、②△4七香はどうだろうか?
②△4七香(△4五香と離して打つ手には▲4六歩で大丈夫)

 図以下▲4七同玉△3六金▲4八玉△4七金打(金合い図10)と迫られるが、

 ▲3九玉と引き、△3八金▲同玉△5八龍▲4八歩と凌ぐ(実は“金合い図10”の△4七金打ですぐに△3八金と打っても同じになる)
 ここで⑴△2七金打(金合い図11)

▲3九玉でも▲2九玉でも詰まない。
 また、⑵△4七金打も▲2九玉△4九龍▲3九香△3八金(金合い図12)

に、▲1八玉で詰まない。

 と言う訳で、△6八同飛成(第1図)に金合いで詰まない。

 実戦で羽生九段は4分で▲5八銀(銀合い図)と打った。何故、4分で指したのだろう?
 森内九段は6分の考慮で△3八金。
 ……羽生九段、15分考えて投了…………


 投了図以降の変化。
①▲3八同玉△5八龍▲4八桂△4七銀▲2七玉△3六金(銀合い図2)。

 4七に打った銀と利いていて▲1六玉と逃げることになるが、△1五歩(銀合い図3)以下詰み。
②▲4七玉△3六金▲5六玉△4五銀(銀合い図4)。(▲5六玉では▲3八玉△5八龍▲4八飛とすれば詰みは逃れられるが、以下駒をボロボロ取られて絶望的な局面になる)

 △4五銀が巧手で、以下▲4五同玉△6五龍▲3四玉△3三香(銀合い図5)▲同角成△同金で詰み。(▲4五同玉△6五龍に▲5五銀と合駒しても、△4四香▲3四玉△3三金で詰む)

 羽生九段は第1図の直前の△6八飛打に対して、51分考えて▲6八同金と指している。おそらく、この時に金合いしても詰まないことは読み切っていたが、銀合いしても大丈夫と読んだのではないだろうか?
 投了後のあの悲痛な表情は、歩詰めを読み切っていた金合いをしなかったことの後悔と、銀合い後の読み抜け(△4五銀をうっかりしたのでは?)を恥じたのだろう。

 この記事を書くに当たって金合いの変化を検証したが、《「何やってんだよぉ~」というレベルではなかった》ことを強く言いたい。
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2023年度 A級順位戦 最終局(結果)

2024-03-01 09:57:25 | 将棋
【A級順位戦 最終成績】(成績横の順位は今期A級ランキング)
豊島九段 7勝2敗(3位)○稲葉 ○佐々木○渡辺 ○永瀬 ○佐藤 ○中村 ●広瀬 ●斎藤 ○菅井
永瀬九段 6勝3敗(4位)●菅井 ○佐藤 ○斎藤 ●豊島 ○広瀬 ○渡辺 ●稲葉 ○佐々木○中村
渡辺九段 5勝4敗(1位)●佐々木○稲葉 ●豊島 ○佐藤 ○斎藤 ●永瀬 ○菅井 ●中村 ○広瀬
菅井八段 5勝4敗(6位)○永瀬 ○中村 ●稲葉 ○広瀬 ○佐々木○斎藤 ●渡辺 ●佐藤 ●豊島
稲葉八段 4勝5敗(7位)●豊島 ●渡辺 ○菅井 ●斎藤 ○中村 ●佐々木○永瀬 ●広瀬 ○佐藤
佐藤天九段4勝5敗(8位)○斎藤 ●永瀬 ●中村 ●渡辺 ●豊島 ○広瀬 ○佐々木○菅井 ●稲葉
佐々木八段4勝5敗(9位)○渡辺 ●豊島 ○広瀬 ●中村 ●菅井 ○稲葉 ●佐藤 ●永瀬 ○斎藤
中村太八段4勝5敗(10位)●広瀬 ●菅井 ○佐藤 ○佐々木●稲葉 ●豊島 ○斎藤 ○渡辺 ●永瀬
広瀬九段 3勝6敗(2位)○中村 ●斎藤 ●佐々木●菅井 ●永瀬 ●佐藤 ○豊島 ○稲葉 ●渡辺
斎藤八段 3勝6敗(5位)●佐藤 ○広瀬 ●永瀬 ○稲葉 ●渡辺 ●菅井 ●中村 ○豊島 ●佐々木


 午後9時ぐらいまでは、5局とも拮抗した戦いが続いた。(豊島-菅井戦は菅井優勢で進んでいたが、この時刻には互角になっていた)
 最初に、形勢が傾いたのは斎藤-佐々木戦。斎藤八段は敗れると即降級だ。いきなり形勢に差がついた感じだ。佐々木玉は不安定だったが、中段玉を馬と角を駆使して踏ん張り、先手の玉頭への強襲が炸裂しそうだ。
 10時過ぎ、豊島九段の玉が5筋方面に逃れている。菅井八段がやり損ねた感がある。
 永瀬-中村戦は、やや有利だった永瀬九段が優勢を拡大しつつあったが、永瀬九段も誤り、互角近くに戻ることもあるが、中村八段は残り時間が少なく、正着を続けるのが難しく、永瀬が再び優勢に。
 渡辺-広瀬戦は、渡辺玉に襲い掛かった角金銀桂が空振りし、渡辺九段が優勢。(広瀬九段は敗れると即降級)
 佐藤-稲葉戦は拮抗状態が続いていたが、形勢は稲葉に傾き始めた。

 23時13分、菅井八段投了。豊島九段が挑戦権獲得
 23時19分、中村太八段投了。この時点で残留は確定していない。広瀬と稲葉の両者が勝つと降級する。
 23時20分、斎藤八段投了。斎藤八段の降級が決定した。佐々木八段の残留が確定。
 23時24分、佐藤天九段投了。佐藤九段は中村八段敗れた時点で残留が確定していた。勝利した稲葉八段も残留確定。この時点で、降級の可能性があるのは、広瀬九段と中村八段。
 23時36分、広瀬九段投了。広瀬九段、降級

菅井 竜也八段(5勝4敗)●-○豊島 将之九段(7勝2敗)
永瀬 拓矢九段(6勝3敗)○-●中村 太地八段(4勝5敗)
斎藤 慎太郎八段(3勝6敗)●-○佐々木 勇気八段(4勝5敗)
稲葉 陽八段(4勝5敗)○-●佐藤 天彦九段(4勝5敗)
渡辺 明九段(5勝4敗)○-●広瀬 章人九段(3勝6敗)


 降級は広瀬九段と斎藤八段。上位安定勢力と考えていた両棋士の降級は意外。
 今期(2023年度)前半(←順位戦だけでなく)の不調が響いた。
 菅井八段は、王将戦での敗戦の痛手が大きかった気がする。
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