英の放電日記

将棋、スポーツ、テレビ等、日々感じること。発信というより放電に近い戯言。

【歳時メモ】 錦秋

2018-11-08 17:42:58 | 歳時メモ
「歳時メモ」と勝手に銘打っていますが、このカテゴリーの意味は、植物の様子や気候などをメモして、翌年以降に現記事を振り返ると、季節の進み具合が分かりやすいかなと思い、記事にしています。

 近辺の山の紅葉・黄葉は8割弱といった状況。色づき具合は今後もっと濃くなるとは思いますが、今が程よい感じ。もう少し色づきが進むと、落葉を始める木々も出てくるので、視覚的にも気分的にも寂しさを若干感じます。
 街路樹は、ハナミズキは紅葉(こうよう)というより、ほぼ落葉も終わりつつあります。銀杏は黄色が濃くなり、モミジも赤色を増してきました。
 セイタカアワダチソウは、半月以上前がピークで、現在はほとんどの株が色褪せて来ていて、鮮やかな黄色だけの群落はほとんどありません。
 その他の草花も緑素が抜け、薄茶色が目立つようになってきました。
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相棒 season17 第3話「辞書の神様」

2018-11-05 23:48:09 | ドラマ・映画
Aタイプ……信念、嗜好、主義を第一に仕事に取り組む者
Bタイプ……思想や主義を挟まず、ただ業績を上げることを第一とする者


辞書『千言万辞』の編集主幹・大鷹(森本レオ)……Aタイプ。しかも極端で、辞書作り(言葉集め)に没頭し、他のモノすべてを犠牲にしてきた。
被害者の編集者・中西(天野浩成)……Bタイプ。売れるものを作るための努力は惜しまないが、仕事へロマンを持つ者に対して蔑視さえする。

 多くの人間は、その偏り方は様々だがA~Bの間に位置する。
 国島教授(森田順平)は一見、Bタイプ寄りだが、実は、大鷹の生き方に共感し、協力、支援していた。
 出版社の編集長・和田(酒向芳)も辞書への愛着を見せながらも業務を優先させているように見えたが、辞書への思いは人一倍深く、その思いが犯行に及んでしまった。
 
 今話は、刑事ドラマとしてはイマイチ(イマイチ以下)だったが、上記4人の思想や信念が絡み合った人間ドラマとしては面白かった。

 ただ、人間ドラマに於いても疑問点がいくつか……
1.殺害動機、和田の心理について
 「あんなものを辞書とは呼ばない、絶対に。
  いくら売れているからと言って、王道(『文礼堂国語辞典』)が消えて、亜流(『千言万辞』)が残るなんて有り得ないんだ」

 この台詞が、和田の心理の根本を表している。
 右京の分析≪和田は正しい言葉を伝えることを使命だと考えてきた≫通り、きちんと言葉を定義する『文礼堂国語辞典』こそ王道で、大鷹の主観によって、皮肉的に言葉を定義している『千言万辞』が嫌いだった(中西も和田の心を見抜いていた…後述)。
 なので、確かに、≪『千言万辞』を潰して、『文礼堂国語辞典』を復活させる≫が目的(動機)であるが、和田に殺意を芽生えさせたのは、中西の
「分国(文礼堂国語辞典)、復活したって、どうせ売れないだろうし。誰が買うんだあんなモノ」
「本なんて売れりゃ、何でもいいじゃないすかぁ。俺は早く結果出して、営業戻れりゃいいんだから」

の言葉であったように思う。
 
2.脚本家が拘った“常識”について
常識……平凡でつまらない価値観。新しいものを拒む頭の古い考え。
今これを読んで不快に感じているあなたのこと。

 ≪和田はこれを、自分への当てつけと捉えていて、今回の犯行に至る根底の心理だった≫と右京は解釈
 確かに、“平凡でつまらない価値観”=『文礼堂国語辞典』、“新しいものを拒む頭の古い考え”=和田と指摘されているように当てはめることができ、脚本のうまさを感じた。

 しかし、よく分からなかったのは、大鷹の呟き
「情けねえ…こんな負け方。常識なんかに…(負けた)」
 右京も、「常識に負ける」と大鷹の呟きを拾い上げて反芻した(しかし、右京はこの件に関しては、放置してしまっていた)

 この“常識に負けた”というのはどういう意味だったのか?
 和田の台詞に当てはめると、≪“常識”(文礼堂国語辞典)に“新しいもの”(千言万辞)が負けた≫、あるいは、≪“常識”(和田)に“新しいもの”(自分)が負けた≫という解釈ができるが、アルツハイマーが進行していた大鷹がそこまで考えられるとは思えない。
 となると、≪“常識”(主幹を下ろされたくないというつまらないプライド)に、自分が負けて殺人を犯してしまった≫という意味か?しかし、これも、大鷹がそこまで分析できると考え難い。

3.大鷹の信念(ライフワーク)と一致しない『千言万辞』
 大鷹の≪言葉に憑りつかれた≫かのような言葉集めに没頭している様や、“電話に出る”“電話を取る”など表現の違いに深く興味を示し質問する様など、言葉への探究心は異常に感じられる。
 しかし、この言葉への執着心や探究心と、『千言万辞』の皮肉的定義やロマンチックな表現と合致しないように感じる。
 大鷹が辞書を作るとしたら、言葉元来の意味と、意味や使用法の変遷を網羅した解説書になるような気がする。


些細な疑問点などがいくつか
①大鷹の病院脱走シーンは必要だったのか?
・右京の人間本能の“左回り法則”理論の披露の為?
・「常識に負ける」の台詞を出す為?

②大ざっぱな殺害計画と分かりにくい推理・推論
・「呼び出しに電話を使った」とか付箋の色の違い云々について右京たちが推理めいたことを言っていたが、よく分からなかったし、説得力が弱かった(私の理解不足かも)
・大鷹のアルツハイマーを利用して、大鷹が殺人を犯したと思い込ませたが、和田が大鷹に指示してメモさせたのならトリックとして納得できるが、和田と別れた路上で和田の言葉を思い出してメモするのは無理がある

③台詞が聞き取りにくい
・役に没頭し過ぎた森本さんの台詞が聞き取れない箇所がいくつかあった。
・反町さんの台詞も聞き取りにくい箇所があった
・和田と中西がもめたシーンで、効果音と重なって、聞き取れなかった台詞があった

④大鷹が癇癪を起こして苦しんでいるのを横目に、教授のメモ帳を冷静にチェックするふたり
 ちょっと冷たいのでは?


『千言万事』の定義例
……それを語る時、誰もが少年少女の顔に戻り、生きる喜びとなる。
叶わない事の方が多く、叶えばこの上もなく幸せだが、それがいつしか当たり前となれば、輝きを失う。
叶っても叶わなくても、淡いの思いの残るもの。

常識……平凡でつまらない価値観。新しいものを拒む頭の古い考え。
今これを読んで不快に感じているあなたのこと。

行きがかり……物事が既に進行し、どうにも止められない状態に来ていること。
“これまでの事情、思うところはいろいろあるが、こうなった以上、とことんつき合ってやるしかない”という考えも多分に含まれている

 ちなみに……女性ひとり男性ふたりの音楽グループで代表曲は「ありがとう」……これは、いきものがかり


杉下右京……基本的に我儘で、人を信用せず、“白”であれば“黒だ”と、“あっち”と言えば“こっち”と、事あるごとに突っかかる
つむじ曲がりで、へそ曲がり、偏屈、意固地、ひねくれ者



第1話「ボディ」第2話「ボディ ~二重の罠」

【ストーリー】番組サイトより
右京の“愛読書=辞書”が殺人事件の引き金に!?
特命係vs『言葉に取り憑かれた男』の行方は…


『千言万辞』という辞書を担当する編集者の男性が、メッタ刺しの遺体で発見された。個性的な語釈から、読み物として『千言万辞』を愛読している右京(水谷豊)は、事件に興味を持ち、亘(反町隆史)と共に独自の捜査を開始。
版元の出版社で聞き込みをすると、辞書の原稿は元大学教授の大鷹(森本レオ)という人物が一人で手掛けているのだが、殺された編集者と折り合いが悪く、大鷹をサポートしている国島(森田順平)という大学教授に主幹を切り替える話が持ち上がっていたという。さらに、周辺の人物に事情を聞くと、取り憑かれたように言葉の収集に没頭する大鷹の偏屈ぶりが浮かび上がってくる。
そんな中、編集者の遺体が見つかった公園に、事件当夜、国島が姿を見せていたことが判明して…!?


残忍な刺殺事件の背景には複雑な人間関係が…
辞書の第一人者に秘められた殺意が明らかに!?
特命係が読み解いた事件の意外な真相とは?


ゲスト:森本レオ 森田順平

脚本:神森万里江
監督:権野元
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2018竜王戦 第3局

2018-11-02 22:50:12 | 将棋
 桂損を代償に攻勢を取り、広瀬八段の疑問手に乗じ、激しく攻め、2筋を突破、その後も過激に攻め続ける。しかし、徐々に羽生竜王の攻めが心細くなっていく。
 それでも、なおも攻め続け、≪何とか勝てそうだなぁ≫と思った局面で、味良く攻めを溜めた▲7五同歩が緩手(悪手に近い)で、立て直すこともできずに、急転直下の敗局となった。


 連休前の金曜日で忙しく、しかも、生産性の低い労働ばかりで、ストレスが満杯で、羽生竜王の勝利が疲労回復剤となるはずだったのに…………



 後手広瀬八段の△6五歩と動いた手に対し、▲2五桂と撥ね、△2二銀に▲6五歩と手を戻す。△2二銀は△2四歩から桂を取る含みの手だが、大丈夫なのだろうか?


 実戦も広瀬八段が桂を取りに行ったが、羽生竜王は悠々▲6四歩。
 さらに△2五歩にじっと▲同歩。桂は取られたが、歩を伸ばしていけば、歩切れの後手は2筋と6筋が負担となると見ている。


 そのプレッシャーに広瀬八段は△7二桂。手に入れた桂を投入し、6四歩の排除を図る。しかし、おそらく疑問手で、羽生竜王に▲3七角(▲4六角の方が普通)と6四の歩を維持されると、投入の効果は薄かった(形勢は互角らしい)。

 この後、広瀬八段の△3三桂~△4五桂に対し、

 羽生竜王は▲4五同銀と切って落とす(これで桂損から銀損に昇格?)。
 以下△4五同銀▲6三歩成△同金▲5五桂△6二金。
 歩を成捨てることで0手で5五に桂を設置。更に、▲4三桂成とその桂を4三に成り捨て、△4三同金と金を上ずらせ、▲2三歩成と2筋を突破!


 さらに、△2三同銀▲同飛成と飛車を成り込み、△3二銀の受けに▲4四歩を際どく利かす。
 この時の棋譜中継の解説欄の実況が面白かった。
「後手は駒得を頼みにして受けに回る(△3二銀)。先手は竜を逃げて悪くないだろう。「しかし、羽生さんは踏み込むのが好きだからなあ」と中村修九段。そう話している最中に羽生は駒台の歩を持った。「うわああ、踏み込む、踏み込む!」と中村修九段が声を上げる。
 

 ▲4四歩に△2三銀と龍を取るのは、▲4三歩成で持ちこたえられないので、△4二金と我慢。
 先手は成果に満足し▲2五龍と一旦引き上げる。
 気分が良い先手だが、後手は桂得を維持しており、形勢は微差。

 長引くと駒得している方に利があるので、一旦、龍を引き上げたものの、先手は攻め立て続ける………

 ………▲4四歩△4二金▲2五龍以下、△5四銀▲2三歩△2一歩▲7三角成(桂角交換の駒損)△同金▲4六桂△3三桂(龍取りを掛ける)▲2二銀(歩頭に銀打ち。後手は取れないが)△4一玉▲3三銀成(桂銀交換の駒損、龍当たりを解消)△同銀▲2二歩成△同歩▲5四桂(これは銀桂交換の駒得)△同歩▲4五桂△4四銀(拠点の歩を払われる)▲4三歩△同金▲2二龍△3二銀▲2一銀△同銀▲同龍△3一桂▲3二銀△5二玉▲4三銀成△同玉▲2二龍△4五銀(第8図)………

 手順が長くなってしまったので、下記に概略です。
 厳しく攻め立てているが、クリーンヒットせず、寄せをぐずっている感が強い。玉を上部(3段目)に逃がし、駒損が大きくなり、先手の攻めが心細くなってきている。第8図の△4五銀も桂を取り、先手の拠点を解消した手である。


 流れは後手だが、まだ先手が残しているようで、第8図で▲4四歩と打てば△5三玉に▲3三龍から自然な攻めが続いていたように思う。
 本譜は▲4二金!
 以下△5三玉▲5二金と超筋悪の寄せ。以下6四玉に▲4二龍で、一応、上下挟み撃ちの形を作りつつ4五の銀取りになっている。
 しかし、ここで△2六角と打てば若干後手が良しのようだが、広瀬八段は△7五歩。


 玉の8筋への脱出を図った手だが、▲4五龍が銀の補充と7五まで利きを伸ばしていて、玉の逃走スピードを上回っている。おまけに、▲4五龍は詰めろにもなっている。
 もちろん▲4五龍で先手が勝勢ではなく、「先手有利~先手優勢」ぐらいで、まだ先が長そうだが、大きなチャンスだったのは間違いない。

 しかし、実戦は▲7五同歩。7四からの逃走を阻み、さらに後手玉の包囲網を確固たるものにした攻めを溜めた落ち着いたに見えたが、そうではなかった。
 △5八角に継続手とばかり▲4五龍と銀を取りつつ五段目を勢力下にしたが、構わず△6九銀と先手玉に詰めろを掛けられて見ると……

 ………後手玉に詰みはない。▲6五銀と打つと玉の逃走を阻んだはずの7五の歩を取られて逃げられてしまう。

 先手は▲7五同歩、▲4五龍と2手かけたが詰めろにならず(▲7五同歩とせず単に▲4五龍と銀を取れば詰めろだったのに)、後手は△5八角、△6九銀の2手で詰めろになった(しかも、詰めろを外しにくい。詰めろを外しても、二の矢が来て、振り解きにくい)。▲7五同歩△5八角の後の▲4五龍では▲6六銀の方が勝負のアヤがあったかもしれない。
 後手はずっと受け続け、攻めの手はこの2手のみといって良い。急転直下の先手の敗勢。

 第10図以下、▲5三銀△6三玉▲6五竜と攻めたが△6四金がぴったり。やむなく▲6九龍△同角成▲同玉と詰みを回避したが、△2九飛と打たれて後手の勝勢がはっきりし、いくばくもなく羽生竜王の投了となった。



 ずっと攻め続け、押し切れそうな将棋をものにできなかったのは非常に残念。
 第2局、第3局と、タメがなく攻め急いでいる感が強いのが気がかりだが、第4局まで間があるので、立て直してくると信じたい。
コメント (2)
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