英の放電日記

将棋、スポーツ、テレビ等、日々感じること。発信というより放電に近い戯言。

「施錠」(中田七段作詰将棋)の解答

2016-01-14 20:21:09 | 詰将棋
「施錠 ……中田七段作詰将棋 『将棋世界』2015年10月号」の解答です。



 初手▲3五歩は打ち歩詰なので、その打開で▲2五龍と指したくなります(打開策として▲2五馬△同と▲1四龍も考えられますが、この筋については後述)。

 △2五同との一手で、これにより▲3五歩が可能になりました。


 “打ち歩詰め”の打開で、ほぼ反射的に△3五同とまで進め、≪さて?≫と一旦、読みが止まった方が多いかもしれません。
 短編の“打ち歩詰打開作”は、それが打開できれば、あとはその惰性で詰むことが多いのですが、本作の場合は、若干趣きが違います。

 第3図が提示されれば、▲3三銀成は一目かもしれませんが、初図からだと少々見えにくい、先程、「後述する」と述べた▲2五馬△同と▲1四龍に目移りするかもしれません。
 なぜ、▲3三銀成が見えにくいのかというと、初図の段階では4手目△3五同とが“目的”だったのですが、4手目の△3五同とは詰ますための“手段”になっているのです。
 ところが、“打ち歩詰打開”のため反射的に4手目まで進めてしまうと、3手目、4手目の▲3五歩△同とが“逃げ道封鎖”の手筋(手段)になっていることに気がつきにくいのです。

 第2図を再掲しますね。

 この図からだと、≪▲3三銀成△同歩▲4四金だと、△3五玉と逃げられてしまうので、まず▲3五歩だな≫と瞬時で看破する方は多いと思います。



 そして、5手目▲3三銀成△同歩



 ▲4四金までの詰みです。


 さて、

 初図より、▲2五馬△同と▲1四龍という打ち歩詰の打開も有力ですし、こちらの方が格好良いです。


 ここで、2四に合駒を打つと、例えば△2四歩ですと、▲3五歩と打って、先程と同様に詰みます。
 しかし、合駒を打たず△2四とと引かれると、


 ▲3五歩が、再び“打ち歩詰の禁”になってしまいます。


詰手順……▲2五龍△同と▲3五歩△同と▲3三銀成△同歩▲4四金まで7手詰

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