英の放電日記

将棋、スポーツ、テレビ等、日々感じること。発信というより放電に近い戯言。

2017箱根駅伝 往路

2017-01-02 18:36:27 | スポーツ
【戦前予想】
 “1強”と呼ばれる青山学院の優位は動かないが、早稲田、東海、駒澤、東洋、山梨学院が「隙あらば」と窺う情勢。

青山学院(前回優勝)
 昨年メンバーから“山の神”神野ら4人が抜け、レベルダウンが予想されたが、エース一色と田村が強力。さらに5000m13分台ランナーが14人と、スピード層の厚さは今年も健在。出雲駅伝、全日本大学駅伝と制し、今大会も大本命。5区の山登り区間が唯一の不安材料。

早稲田(前回4位)
 ハーフマラソンの平均タイムは青山学院を上回り、長距離ランナーを10人揃えなければならない箱根駅伝に向いている陣容。全日本ではアンカーで逆転されたが、青山学院を苦しめている。
 安定した実力者の層の厚さに加え、山登り(昨年5位)、山下り(昨年6位)の経験者もいるのも強み。

東海(前回5位)
 關、鬼塚、館澤、羽生ら活きの良いランナーが入学(高校駅伝1区の上位6人の内5人が入学)。前回5位のランナーも7人残り、戦力は充実している。
 ただ、20kmという長い距離の適性はどうなのか?箱根初体験という不安もあるが、出雲3位と暴れたように、波に乗れば一気にという期待もある。

駒澤(前回3位)
 スピード、層の厚さは“それなり”で、出雲5位、全日本4位とこれも“それなり”の成績。山登りで大塚(前回4位)の活躍が期待できるが、故障のエース中谷が復活し、西山、工藤が頑張り、他のメンバーもベストの走りをしないと優勝争いに絡めないだろう。

東洋(前回2位)
 服部勇馬ら5人が抜け、大エース服部弾馬はいるものの、パワーダウンは否めない。出雲9位、全日本6位と冴えなかった。

山梨学院(前回8位)
 ニャイロが爆発力を発揮し、他のメンバーもその波に乗れれば、優勝戦線に顔を出す可能性はある。10000mの平均タイムは2位と申し分ないが、箱根本番では不安定で、これまで二桁順位の区間が多く、優勝争いは望めない。



【1区】
 東洋は大エースの服部を起用。ここで差をつけ、レースの主導権を握る作戦。少なくとも30秒のリードは奪いたい。あわよくば、ハイペースで他チームのオーバーペースを誘い、ブレーキを引き起こしたい。
 しかし、5kmを15分を超える超スローペース。14分40秒ぐらいで各ランナーに負荷を与えたかった。ペースメーカーとして利用されるマイナスもあるが、大エースを1区に起用するなら、リスクは覚悟しなければならない。
 一度、5km過ぎ(6kmだったかもしれない)に猛スパートを掛けたが、付いてくるランナーがいたのでペースを落とし再び大集団に。
 結局、中継地点直前まで集団はばらけず、服部が区間賞を獲ったものの、1秒差で東海(鬼塚)、4秒差で梶谷(青学)と早稲田(武田)、5秒差で神奈川(山藤)、8秒差で駒澤(西山)でなだれ込む状況となった。
 東洋の服部は、序盤のスローペースで地力の差を薄め、中途半端なスパートで自ら消耗し、リードはほとんど奪えなかった。10位の上武大でも26秒差であった。
 区間賞を獲り満足顔の服部だったが……

【2区】
 各チームのエースが揃い、レースの流れが決まる重要区間。
 拓殖・デレセ(予選会6位)が14位47秒差、順天・塩尻(五輪3000m障害代表)が15位48秒差、日大・ワンブイ(予選会1位)が16位55秒差、創価・ムイル(予選会4位)が17位1分8秒差でタスキを受け取る。山梨学院・ニャイロは20位2分53秒差で受け取る苦しい展開。

 2km過ぎで上位6チーム(東洋・山本、東海・關、青学・一色、早稲田・永山、神奈川・鈴木、駒澤・工藤)が集団に。神奈川は一区の山藤(予選会10位)とこの鈴木(予選会3位・日本人トップ)を配置。序盤で上位に位置し、波に乗りたい。
 後方では、塩尻が2km付近で7位集団の6人(帝京、中央学院、法政、上武、國學院、大東文化)を一気に抜き7位に浮上。
 横浜駅前(8.3km)で7位集団(順天、帝京、中央学院)との差は21秒。順天・塩尻はタスキを受け取ってから27秒詰めてきている。中継後すぐ塩尻に抜かれたデレセも10位・32秒差に上がってきている。日大・ワンブイは53秒差の15位と意外とペースが上がらない。創価・ムイルは16位・1分12秒差。ここまでの個人順位は、順天・塩尻、拓殖・テレセ、駒澤・工藤の順。
 9.2km付近で、神奈川・鈴木がスパートし5mほど集団を引き離す。
 ゲスト解説の村澤氏によると、「14km付近の権太坂を過ぎた下りが勝負となり、15kmまで如何に消耗しないかがポイントとなる」
 11km付近で鈴木が集団に吸収される。
 10.8km付近で、日大・ワンブイが上武、國學院、大東文化の3人を捉え、11位に浮上(10km通過は29分04秒)。
 12.4kmで、拓殖・デレセが、順天・塩尻と帝京・内田を追い抜く。
 14.2km、東海・關が離され始める。
解説の渡辺氏(多分)は
「一色は権太坂を過ぎるまでスパートは掛けない。一色がスパートを掛けたら、神奈川の鈴木がついて行くのではないか」と。
 15.3km(権太坂ポイント)では、東海・關は10秒差。7位の順天・塩尻と拓殖・デレセが24秒差(実際は塩尻が5mほど先行)、帝京・内田は28秒差。日大・ワンブイは10位で1分1秒差、順位は上げてきているが、トップとは開いている。
 15.9kmで、神奈川・鈴木が仕掛け気味で、早稲田・永山が遅れだし、東洋・山本も苦しそう。
 16.4kmで、神奈川・鈴木と駒澤・工藤がトップを並走。青学・一色も遅れだし、東洋・山本は早稲田・永山に抜かれ5位に後退。
 16.8kmで、拓殖・デレセがスパート、順天・塩尻を置いていき、6位の東海・關に迫りつつある。
 17.6km、拓殖・デレセが東海・關をかわし6位に浮上。關は順天、帝京にも抜かれそうだ。
 17.9km、駒澤・工藤も離され始める。一気に遅れだし、青学・一色にも抜かれそうだ。
 権太坂ポイントでも個人順位は、塩尻、デレセ、工藤の順と変わらず。しかし、1位2位は1秒差で、現状では逆転の可能性大。3位工藤とほぼ同じタイムで走っているはずの神奈川・鈴木も区間賞の可能性は大いにある。
 19.5km、塩尻と並走していた帝京・内田が、早稲田・永山、東洋・山本を抜いて5位に浮上。東海・塩尻は15mほど後方。
 21km過ぎ、順天・塩尻が早稲田、東洋をかわし、6位に浮上。

 神奈川・鈴木がトップでタスキを渡す。区間記録は1時間7分17秒(歴代8位・今大会区間賞)。予選会の素晴らしい走りを見事に再現した。
 2位は青山学院(一色)で38秒差。一色の記録は1時間7分56秒で、このタイムは昨年の一色のタイムと21秒遅れで、それほど悪いタイムではない(充分速い)。尻上がりにピッチを上げる鈴木の走りが素晴らしかったのだ。
 3位は駒澤(工藤)で55秒差。
 4位は拓殖(デレセ)で1分14秒差。デレセは10人抜き。
 5位帝京(内田)で、1分19秒差。
 6位は早稲田(永山)が踏ん張り、1分31秒差。
 7位は順天(塩尻)で1分32秒差。
 8位東洋(山本)1分43秒差。
 9位日大(ワンブイ)1分49秒差。
 10位創価(ムイル)1分50秒差。
 東海・關は疲れて11位、2分12秒遅れてしまった。
 2区終了時点で、有力6校のうち、東海と山梨学院(18位)が早くも脱落。ニャイロ(山梨学院)も振るわなかった。

区間順位
1位 鈴木(神奈川) 1:07:17
2位 デレセ(拓殖) 1:07:50
3位 一色(青学)  1:07:56
4位 ムイル(創価) 1:08:05
5位 塩尻(順天)  1:08:06



(この調子で書くと、正月早々、疲れてしまうので、端折ります)
【3区】
 一色がトップに38秒遅れを取るのは予定外だと思うが、トップが神奈川大学でこの後失速が予想されるので、実質、トップで2区を終えたと考えてよい。
 青山学院の3区の秋山は昨年この区間の区間賞。なんだか、『青山学院、圧勝』の気配が……
 この区間に、エース・平を投入した早稲田の浮上が期待される。

 トップの越川(神奈川)の5kmは14分42秒とまずまずのペース。
 遊行寺坂(5.5km)では2位青学(秋山)との差は28秒と10秒縮まっている。3位駒澤・下は55秒差、4位グループの早稲田・平と帝京・濱川は1分2秒差。6位グループの順天・野田と東洋・口町は1分19秒差。
 
 8km地点で、6位でタスキを受け取った早稲田・平が3位駒澤に並ぶ。
 10km通過タイムが、越川(神奈川)は29分26秒(5km~10kmは14分44秒)とペースを維持。2位青学・秋山との差は15秒と詰まってきているが、健闘していると言って良い。後方では早稲田・平が駒澤・下を突き放す(10km地点)。
 12km付近、越川(神奈川)の走りが跳ねるようになり、推進力が減少してきており、秋山(青学)との差はぐんぐん縮まる。
 13km過ぎ、秋山が越川を捉える。越川も秋山の背中をぴったりマークし、食い下がるが、14km過ぎで離され始める。
 茅ヶ崎ポイント(14.5km)で、トップに立った青学・秋山と3位の早稲田・平との差は43秒差。中継所ではこの2チームの差は53秒だったので、早稲田の平が10秒追い上げていることになる。
 下位では、中央学院・横川が14位から9位と5つ順位を上げており、、ここまで個人記録はトップ(2位平、3位秋山)。8位でタスキを受け取った東洋・口町も4位グループの駒澤、帝京に追いつき、順位を上げている。
 18.5km付近で中央学院・横川は10位に後退、かなりバテているようだ。
 21km手前で早稲田・平が神奈川・越川を追い抜く。

 3区終了時点
1位 青山学院
2位 早稲田  1分22秒差
3位 神奈川  1分30秒差
4位 東洋   1分43秒差
5位 駒澤   1分47秒差
6位 帝京   1分51秒差
7位 創価   2分36秒差
8位 日大   3分16秒差
9位 大東文化 3分16秒差
10位 順天堂  3分21秒差

 中央学院・横川はバテて結局13位でタスキを渡した。
 早稲田は2位に上がったものの、トップの青山学院との差は開いてしまった。茅ヶ崎を過ぎてからの残り6.9kmで、青学・秋山が速かったのか?
 区間賞は秋山が獲得。2位は早稲田・平で29秒差。3位は東洋・口町。学生連合の平賀が平を1秒上回った。


【4区】
 この区間は2.4km伸びた区間。戻ってきた駒澤のエース中谷が注目。最初の1kmを2分46秒と突っ込み、4位東洋の前に出る。
 駒澤は、この4区で青山学院との差を詰め、山登りの5区の大塚で逆転したい。 しかし、2~3kmを3分4秒と気になるペースダウンで5位に後退。
 青山学院・森田は10000mのタイムは29分58秒と良くないが、全日本6区の区間賞で大会MVPを獲得している。
 駒澤・中谷は6km地点で、東洋、神奈川に離され、アゴが上がる苦しい状況。7km地点では帝京・畔上に抜かれてしまう。これは、相当、順位(タイム)を落としそう。完走も危ないかも。

 二宮地点(9.1km)
1位 青山学院
2位 早稲田  1分 4秒差
3位 東洋   1分13秒差
4位 神奈川  1分39秒差
5位 帝京   1分42秒差
6位 駒澤   1分54秒差

 早稲田、東洋、帝京はトップ青学との差を詰めているが、青学は前半は抑え気味で走る戦術らしいので、後半は逆に差が広がる可能性も強い。

 4区終了時点
1位 青山学院
2位 早稲田  1分29秒差
3位 東洋   1分52秒差
4位 帝京   3分00秒差
5位 創価   3分10秒差
6位 順天堂  3分15秒差
7位 神奈川  3分24秒差
8位 法政   6分02秒差
9位 駒澤   6分18秒差
10位 拓殖   6分19秒差

 1位青山学院と2位早稲田の差は7秒開いて1分29秒差となった。
 創価と順天堂が順位を上げ、駒澤は中谷が不調で9位に順位を落とし、6分18秒の差がついてしまった。

 区間賞は、順天堂・栃木が獲得(10位から6位に順位を上げた)。
 2位は青学・森田、3位は早稲田・鈴木、4位は東洋・櫻岡、5位は創価・セルナルド。



【5区】
 2.4km短縮され20.8kmになったとはいえ、山登りの厳しい区間である事には変わりはない。

 東海・館澤が14位から2人抜いて12位に浮上。
 山登りのスペシャリスト駒澤・大塚はひとり抜いて8位に上がる。
 大平台(7.0地点)地点ではトップ青山学院と2位早稲田の差が1分56秒と開く(中継地点では1分29秒差)。駒澤・大塚との差は6分7秒差とわずかに縮まっている。
 この地点での個人順位は、東海・館澤がトップで2秒差の2位が駒澤・大塚、3位は青学・貞永。順天・山田が6位から4位に浮上。走り方も軽く好調さを感じる。

 小涌園前(11.9km地点)
1位 青山学院
2位 早稲田   1分50秒差(大平台より6秒縮まる)
3位 東洋    2分33秒差
4位 順天堂   2分58秒差(中継地点より17秒縮まる) 
5位 神奈川   4分30秒差
6位 帝京    4分36秒差
7位 創価    4分53秒差
8位 駒澤    5分35秒差(中継点より43秒短縮)
 東海・館澤は13位に順位を落としているので、序盤飛ばし過ぎたのかも。

 13.2kmで順天・山田が東洋・橋本を捉え3位に浮上。

 小涌園前(11.7km地点)での個人順位
1位、駒澤・大塚、24秒差の2位が中央学院・細谷、上武・森田が3位となっている。

 14.9kmで、駒澤・大塚が創価を捉え、7位に浮上。すぐ前を行く帝京も捉えそうだ。
 CMの間に帝京を抜き去り、6位に浮上、5位の神奈川も射程距離に。

 トップ青山学院と早稲田の差は、小涌園前では1分50秒差だったが、芦之湯では1分19秒差に縮まる。かなり急激な縮まり方であるが、解説瀬古氏は危機感なし。(早稲田OBなので、気持ちを抑えているのかもしれない)

 芦之湯(15.8km)での個人順位は
1位、駒澤・大塚、3秒差の2位が中央学院・細谷、3位上武・森田と、順位には変動なしだが、中央学院・細谷のペースが上がっており、チームの順位も11位から7位に押し上げている。

 18km地点で駒澤・大塚が5位神奈川を捉える。その5位グループに中央学院・細谷が迫るという激動の展開。
 さらに、下りに入った早稲田・安井がピッチを上げ元箱根では45秒差まで詰め(芦之湯では1分19秒差)、風雲急を告げる展開!……瀬古氏の声も上ずる。

 貞永が、何とか逃げ切り、青山学院が3年連続の往路優勝。

 距離が短くなったとはいえ、さすがに5区は順位変動が大きかった。
 4区で4位に上がった帝京が、まさかのシード圏外。中央学院は細谷が区間3位でシード圏外から7位に飛び込んできた。固定点中継以外にほとんどテレビに映らなかった上武が、森田の区間2位の走りで8つ順位を上げ8位に浮上した。

 優勝 青山学院(4区終了時1位 ±0) 5:33:45
 2位 早稲田(4区終了時2位 ±0)    33秒差
 3位 順天堂(4区終了時6位 +3)  2分23秒差
 4位 東洋(4区終了時3位 -1)   2分40秒差
 5位 駒澤(4区終了時9位 +4)   4分01秒差
 6位 神奈川(4区終了時7位 -1)  4分26秒差
 7位 中央学院(4区終了時11位 +4) 4分34秒差
 8位 上武(4区終了時16位 +8)   5分28秒差
 9位 創価(4区終了時5位 -4)   5分39秒差
10位 日大(4区終了時13位 +3)   6分09秒差
11位 帝京(4区終了時4位 -7)   6分21秒差
12位 法政(4区終了時8位 -4)   6分32秒差
13位 日体大(4区終了時12位 -1)  6分43秒差
14位 拓殖(4区終了時10位 -4)   6分51秒差
15位 東海(4区終了時14位 -1)   7分59秒差
16位 山梨学院(4区終了時17位 +1) 8分11秒差
17位 明治(4区終了時18位 +1)  10分57秒差
18位 大東文化(4区終了時15位 -3)11分44秒差
19位 國學院(4区終了時19位 ±0) 13分06秒差
OP  学生連合(4区終了時20番目±0)16分00秒差
20位 国士舘(4区終了時21位 ±0) 21分11秒差

 区間賞争いは元箱根(18.7km地点)では大塚(駒澤)と森田(上武)が同タイム。中央学院・細谷が12秒差の3位とさらに激烈。
 結局、大塚(駒澤)が区間賞を獲得。森田(上武)は3秒及ばなかった。3位は中央学院・細谷が22秒差。
 4位は安井(早稲田)、5位は山田。
 青学・貞永は8位、東海・館澤は13位だった
(山登りするには体格が良過ぎ)。




 完璧ではなかったが、堅実な走りをした青山学院が往路優勝。
 早稲田もほぼ実力を発揮し33秒差の2位。
 東洋も4位と踏みとどまった。
 駒澤は中谷が大誤算(区間18位)だったが、5区の大塚が激走し望みをつなぐ5位。
 東海は若さが出てしまい、山梨学院は不安が的中。ニャイロも9位と振るわなかった。

 順天堂の第3位は全く予想外の大健闘。
 神奈川も思惑通りの序盤展開を活かして6位に食い込んだ。

 復路は選手層の厚さが顕著になるが、早稲田も層が厚く、青山学院も油断はできない。
(他の予想は、余裕があれば加筆します) 

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