くどいようですが、タイトルが長いです。興味をひくための安っぽい見出しで、感嘆符も多すぎます。
それはともかく、世間では『BOSS』とよく比較されているようで、全体的には『BOSS』のほうが評価が高いような感じがします。
しかし、推理とかアクションとかドラマ性とか演出とかいろいろ要素があると思いますが、単純に見て面白かったかどうかという総合的な見ごたえで言うと、個人的には互角なんです。
私の印象では、世間の評価は『BOSS』には好意的で、『MR.BRAIN』には厳しいような気がします。
それは、『BOSS』が主人公を中心にその周りのチームが効果的に魅力が発揮されているのに対し、『MR.BRAIN』は、九十九(木村拓哉)が単独で活躍し、豪華な脇役陣が添え物的に登場し、時々活躍するだけなので、「もったいない意識」が働くからなのでしょう。
それと、絵里子が証拠をつかんでスッキリかたをつけるのに対し、九十九は犯人を引っかけて証拠を作るので、スッキリ感が乏しいからなのではないかと推測しています。それに、主人公のキャラの魅力の違いも、その一因ではないでしょうか?
私の場合、九十九のコロンボ的な引っ掛けは、嫌いではないです。ただ、九十九の性格が好きになれません。
★今回の脳科学
前回に引き続き、「文字と色の情報は、色のほうが優先することが多い」ということがテーマで、新しい情報(学説)は「多重人格は、現在のところ、脳科学的にはその真偽が判定できない」ということぐらいです。
★今回の和音(綾瀬はるか)
地下室に閉じ込められ、解放された時の「キレ」ぶりが素敵でした(笑)。
それにしても、九十九は和音をいじめているとしか思えません。
浪越(井坂俊哉)に対しても、仕事を放り投げて逃げてきた人間の言葉など、誰も相手にしないから、自由に発言すればいい」と言い放つ。痛いところを突く、きつい言葉ですが、「自由の思ったことを口に出せばいい」という彼流の優しさなのでしょうが、実際、同僚にいたら嫌ですね。
★今週のいちゃもん
①恩師が惨殺されたのに、同窓会が何事もなかったように楽しい雰囲気なのはおかしい。(この点は、『黒衣の貴婦人の徒然日記』のなぎさ美緒さんも指摘しています。他にもいらっしゃったらごめんなさい)
②青い空を奪った奴らへの復讐心でいっぱいのかなこ(仲間由紀恵)が、罪を問われないために、多重人格を装うなんて計画的なことができたのだろうか?
担任を惨殺したあと、幕の内弁当を平らげ、死体にすがって涙を流し毛布を掛けるということが、意識してできるのだろうか?
完全な多重人格でなくても、精神分裂気味で異常だったと考えるのが普通のような気がする。
③林田刑事(水嶋ヒロ)が目撃した「きれいなお姉さん風」の人格は一体何だったんだろうか?
俊介・ショウコ・かなこの3人格の中のかなこが、もともとの人格ではなく、林田が見た「きれいなお姉さん」が本来の人格で、俊介・ショウコ・かなこを演じていたと考えればいいのか。
④コンビニに張られた指名手配に気づき、狼狽し銃をゴミ箱に捨てている。これも、多重人格と思わせるためのかなこの行為と考えると怖い。
たぶん、そう考えるべきなのだろうけれど、実際にそれを映像で見せるのは、反則に近いと思う。携帯電話と銃が捨てられているのが見つかって、視聴者や九十九、あるいは丹原刑事に推理させたほうがフェアであろう。
⑤多重人格が芝居である証拠をつかむため、俊介に色を印象付けて、かなこの時はプレートを入れ替えて、俊介の記憶がないかなこが正しいドアを選びえないと追い詰める。
その時、先述した「脳科学論」、つまり、「人は文字より色の情報を優先する」ことを利用したのだが、今回の場合は、「文字」「色」のほか、「位置」も要素に加えないといけない。
実際にああいう感じでドアを説明されたら、ドアの位置で覚えると思う。まあ、今回の引っかけには、影響はないけれど。
と、まあ、今回は最後のドアの選択においては、完全にネタばれで、そのうえ、ドアを選択してから、九十九のところにたどりつくまでも時間がかかっているので、間延びしている印象があるが、私は、この間が、九十九の苦悩や迷いを表わしていてよかったと思っている。
また、かなこがドアを選ぶ際、入れ替えたプレートが見えてしまっているので、九十九の引っかけが見えてしまって、がっかりしたという指摘もあるが、今回はそれが主眼でなく、かなこが多重人格の振りをしていたことを読者に知らせておいて、楽しそうに廊下を走るかなこや、待っている九十九の苦悩を見せるのが狙いだったように思う。
ただ、残念なのは、かなこが多重人格の振りをしているのではという論拠が、かなこが知りえない精神鑑定時のカメラの位置を知っていたこと、そして、クライマックスのドアの件とが同じだったこと。
種類の違う「多重人格のふりの証拠」を示してくれたら、もっと、面白かったと思う。
それはともかく、世間では『BOSS』とよく比較されているようで、全体的には『BOSS』のほうが評価が高いような感じがします。
しかし、推理とかアクションとかドラマ性とか演出とかいろいろ要素があると思いますが、単純に見て面白かったかどうかという総合的な見ごたえで言うと、個人的には互角なんです。
私の印象では、世間の評価は『BOSS』には好意的で、『MR.BRAIN』には厳しいような気がします。
それは、『BOSS』が主人公を中心にその周りのチームが効果的に魅力が発揮されているのに対し、『MR.BRAIN』は、九十九(木村拓哉)が単独で活躍し、豪華な脇役陣が添え物的に登場し、時々活躍するだけなので、「もったいない意識」が働くからなのでしょう。
それと、絵里子が証拠をつかんでスッキリかたをつけるのに対し、九十九は犯人を引っかけて証拠を作るので、スッキリ感が乏しいからなのではないかと推測しています。それに、主人公のキャラの魅力の違いも、その一因ではないでしょうか?
私の場合、九十九のコロンボ的な引っ掛けは、嫌いではないです。ただ、九十九の性格が好きになれません。
★今回の脳科学
前回に引き続き、「文字と色の情報は、色のほうが優先することが多い」ということがテーマで、新しい情報(学説)は「多重人格は、現在のところ、脳科学的にはその真偽が判定できない」ということぐらいです。
★今回の和音(綾瀬はるか)
地下室に閉じ込められ、解放された時の「キレ」ぶりが素敵でした(笑)。
それにしても、九十九は和音をいじめているとしか思えません。
浪越(井坂俊哉)に対しても、仕事を放り投げて逃げてきた人間の言葉など、誰も相手にしないから、自由に発言すればいい」と言い放つ。痛いところを突く、きつい言葉ですが、「自由の思ったことを口に出せばいい」という彼流の優しさなのでしょうが、実際、同僚にいたら嫌ですね。
★今週のいちゃもん
①恩師が惨殺されたのに、同窓会が何事もなかったように楽しい雰囲気なのはおかしい。(この点は、『黒衣の貴婦人の徒然日記』のなぎさ美緒さんも指摘しています。他にもいらっしゃったらごめんなさい)
②青い空を奪った奴らへの復讐心でいっぱいのかなこ(仲間由紀恵)が、罪を問われないために、多重人格を装うなんて計画的なことができたのだろうか?
担任を惨殺したあと、幕の内弁当を平らげ、死体にすがって涙を流し毛布を掛けるということが、意識してできるのだろうか?
完全な多重人格でなくても、精神分裂気味で異常だったと考えるのが普通のような気がする。
③林田刑事(水嶋ヒロ)が目撃した「きれいなお姉さん風」の人格は一体何だったんだろうか?
俊介・ショウコ・かなこの3人格の中のかなこが、もともとの人格ではなく、林田が見た「きれいなお姉さん」が本来の人格で、俊介・ショウコ・かなこを演じていたと考えればいいのか。
④コンビニに張られた指名手配に気づき、狼狽し銃をゴミ箱に捨てている。これも、多重人格と思わせるためのかなこの行為と考えると怖い。
たぶん、そう考えるべきなのだろうけれど、実際にそれを映像で見せるのは、反則に近いと思う。携帯電話と銃が捨てられているのが見つかって、視聴者や九十九、あるいは丹原刑事に推理させたほうがフェアであろう。
⑤多重人格が芝居である証拠をつかむため、俊介に色を印象付けて、かなこの時はプレートを入れ替えて、俊介の記憶がないかなこが正しいドアを選びえないと追い詰める。
その時、先述した「脳科学論」、つまり、「人は文字より色の情報を優先する」ことを利用したのだが、今回の場合は、「文字」「色」のほか、「位置」も要素に加えないといけない。
実際にああいう感じでドアを説明されたら、ドアの位置で覚えると思う。まあ、今回の引っかけには、影響はないけれど。
と、まあ、今回は最後のドアの選択においては、完全にネタばれで、そのうえ、ドアを選択してから、九十九のところにたどりつくまでも時間がかかっているので、間延びしている印象があるが、私は、この間が、九十九の苦悩や迷いを表わしていてよかったと思っている。
また、かなこがドアを選ぶ際、入れ替えたプレートが見えてしまっているので、九十九の引っかけが見えてしまって、がっかりしたという指摘もあるが、今回はそれが主眼でなく、かなこが多重人格の振りをしていたことを読者に知らせておいて、楽しそうに廊下を走るかなこや、待っている九十九の苦悩を見せるのが狙いだったように思う。
ただ、残念なのは、かなこが多重人格の振りをしているのではという論拠が、かなこが知りえない精神鑑定時のカメラの位置を知っていたこと、そして、クライマックスのドアの件とが同じだったこと。
種類の違う「多重人格のふりの証拠」を示してくれたら、もっと、面白かったと思う。
確かに・・多重人格の演技はすごい上手かったし興味もそそられたけど
あのプレートの色をとりかえたのはわかりやすかったなぁ。もうひとつ 多重人格を演じてるとわかる仕掛けをしてほしかったかもしれません。
BOSSもこのドラマも今クールはとても面白いものが多かったね。
今度の最終回、楽しみですね。
>BOSSもこのドラマも今クールはとても面白いものが多かったね。
1話分だけを評価すると、
『臨場』 第9話「餞~はなむけ」
が、ベスト1です。
同窓会確かに変でしたね。
もったいない感も同意です。
事件が必要以上に残虐で血なまぐさいのは「BOSS」も「MR.BRAIN」も一緒なんですよねー。
誰も死なない事件でもいいのにと毎回思います。
そして「BOSS」の謎解きはいつも”実は○○でした”の後出しジャンケン。推理ものとしては脳科学者に分がある筈なのですが……何故か私もどっちがと言われたら「BOSS」が好き(^^;;;;)
ドラマの中でぐらい、悪者はきっちりギャフンと言わせてすっきりしたいのかもしれませんね。
ただ最終回でどうまとめてくるか、まだ分かりません。
1話の広末再登場で、続編に未練なく美しく終わってくれたら満足度アップするのかも……??
『BOSS』は、同情心が湧かない犯人が多く、主人公も男っぷり?がいいので、爽快感がありますね。
>事件が必要以上に残虐で血なまぐさいのは「BOSS」も「MR.BRAIN」も一緒なんですよねー。
そうですよね。やたら派手な事件にして刺激を強くしないと、視聴率が稼げないと思っているんでしょうか?
事件を未然に防ぐとか、単なるいたずらだったとか、そんな甲斐があってもいいと思うんですけど、それだと数字が取れないのかなあ。
私も最終話に期待しています。でも、過剰な期待はしないでおきます。
『臨場』の「餞」は最終回の1回前だったんですけど、あれを最終回にしたほうがいいという意見もありました。
「今週のいちゃもん」楽しく読ませていただきました。
私はこの回のMR.BRAINで一つ疑問が残ったのですが、
今回九十九が提示した証拠って
「かなこが俊介の記憶を保持していた」という証拠にはなっても、
「多重人格が演技だ」という証拠にはならないのではないかと思うのですが。
どうなんでしょうか。
もし良ければご意見を聞かせてください。
俊介はかなこの記憶もショウコの記憶も持っている。かなこは俊介の記憶もショウコの記憶も持っていないという鑑定結果が示されていました。
ショウコについては、説明されていた図からすると、かなこの記憶は持っている。それと、「俊介はかなこの記憶もショウコの記憶も持っている」とわざわざ言っているので、俊介の記憶は持っていないと考えられます。
鑑定と言っても、たぶん、3つの人格の証言を基にして言っているだけでしょうけど、3つの人格が嘘をつく必要はないので、信用していいように思います。
ちなみに、虐待などによる多重人格は、つらい現実から逃避するため、他の人格を生み出し、その人格につらい経験を押しつけると考えられますから、今回の場合、かなこが他の人格の記憶を持たないというのは、そういう理屈に適っています。
とにかく、かなこが他の人格の記憶を持っているのなら、かなこが多重人格だということに矛盾することになります。
よって、かなこは多重人格ではない。多重人格の演技をしていたということになると思います。
なるほど~。
ベースとなる「かなこ」が他の人格の記憶を持っていること自体が
多重人格という症状が発生した理由と矛盾するってことですね。
唐突な質問にも関わらず丁寧な回答を下さり、ありがとうございました。
>ベースとなる「かなこ」が他の人格の記憶を持っていること自体が
多重人格という症状が発生した理由と矛盾するってことですね。
結果的にはそうですが、もう少し正確に言うなら、今回の多重人格の症状と矛盾するということです。
たとえが少し違うかもしれませんが、
妹の日記(兄には見せたことがない)の所在を尋ねられ、「そんな緑色のノートなんか、知らない」と言ってしまったようなものです。