(“今さら”という気もしますが、ssayさんから圧力がかかり、いえ、後押しされて、書き始めた次第です)
凄いことになっている。
もちろん、29連勝、しかも、デビュー以来無敗というのは、とてつもない記録である。
しかし、それよりも凄いのは、世間のフィーバーぶりだ。対局の日には、一日中、話題に取り上げられ、クリアファイルなどのグッズも瞬く間に完売。将棋教室も希望者が増え、盤駒の売れ行きも激増らしい。かく言う私も、しょっちゅう、「藤井くんって、すごいね」と話し掛けられる。
藤井四段のグッズを買い求めている映像を見たが、とても将棋に興味があるとは思えない中年女性だった。マスコミが作った社会現象の性質が強く、“熱くなりやすく、冷め易い”世間の風潮を考えると、藤井四段が敗れた後は潮が引くように冷めていく気がしないでもない。
しかし、今回のフィーバーで、将棋に関心を持たれたことは嬉しいし将棋界にとってもプラスである。また、将棋を始めた人(子ども)も多いようで、未来につながる大きな財産である。
ところで、デビュー以来の連勝を11に伸ばして、これまでの記録を更新した時、ここまで記録を伸ばすとは全く予想していなかった。(羽生三冠や渡辺竜王のデビュー連勝は「6」)
もちろん、注目はしていた。詰将棋選手権では、小学6年生の時から3連覇、四段昇段も史上最年少記録。しかも、三段に昇段したのが10月だったため、およそ半年間の足踏みがあっての記録だった。
それでも、「そのうち負けるだろう」と思っていた。その理由は、三段リーグの13勝5敗という成績。立派な成績と言えるが、傑出した記録ではない。
とにかく、三段相手に5回も負けているのだ。それが四段以上相手に勝ち続けるなんて考えられない(段位が棋力に比例していないのは、重々承知している)。
…………どういうことなのだろうか?
その要因は?(……と、ここまで書いていたら、藤井四段の敗色が色濃くなってきた)
Ⅰ.対局環境
四段昇段で棋士となり、100%プロという立場で対局に臨める。この精神的充実が好影響を与えている。それに、プロの対局なので、対局環境(スペースなど)も奨励会の時に比べ、格段と良くなった。
Ⅱ.持ち時間
NHK杯戦など早指しの対局もあるが、多くは奨励会の時より持ち時間が長い。
詰将棋選手権3連覇のスペックは、持ち時間が短い方がより有利に働くようにも思われるが、読みのスピードだけでなく読みの量や正確さも兼ね備えているので、持ち時間が長い方が実力を安定して発揮できると考える。
Ⅲ.成長
14歳の頭脳は、まだまだ、発展途上。対局を積み重ね、頭脳をフル回転させることが、脳力アップにつながる。
精神的にも強くなり、経験値も増え、更に強くなった。(『炎の7番勝負』の経験も大きかった)
Ⅳ.将棋ソフトの活用
スパーリング的使用をしているとしたら、それにより、基本的棋力(スポーツで言う筋力)がアップ。
さらに、これまでの概念にとらわれない将棋の指し手や考え方を吸収した。
定跡の研究や指し手の検証にも役立ち、戦型や局面の整理も容易になった。
Ⅴ.対局相手
三段陣と公式戦の相手の棋力も検証しなければならない。
『将棋連盟 棋士別成績一覧』というサイトがある。
「棋士ランキング」のページを見ると、7月2日現在、
1 佐藤天彦名人 1883
2 豊島将之八段 1865
3 羽生善治三冠 1861
4 稲葉陽八段 1846
5 菅井竜也七段 1836
6 久保利明王将 1834
7 渡辺明竜王 1832
8 斎藤慎太郎七段 1815
9 永瀬拓矢六段 1811
10 糸谷哲郎八段 1796
となっている。
羽生三冠の最高点は2003点(2014年7月5日、棋聖戦第3局で森内竜王を下し、3-0で防衛を決めた。これより少し前、森内名人を4-0で破り、名人位を奪取している)。ちなみに、2015年度終了時点では1912点(この後、佐藤天八段(当時)に敗れて名人位失冠し、大スランプに陥った。スランプではなく、棋力が衰えたという見方もある)。2016年度終了時点では1851点。
このランキングには、「奨励会員」「アマ棋士」「女流棋士」も参考資料として算出している。すべての奨励会員(三段とは限らない)を一人の棋士として見なし、公式棋戦での棋士(四段以上)の対局を対象にして、奨励会員のレーティングを算出している。(同様に、アマ棋士、女流棋士のレーティングを算出)
それによると、奨励会員は1547点で、83位伊奈祐介六段(1550点)と84位の真田圭一八段(1545点)の間に位置している。
最下位が160位の1264点で、奨励会員より下位に位置する棋士が77人いることになる(48%)。ちなみに、アマ棋士は1400点で137位と138位の間、女流棋士は最下位より89点低い1175点。
藤井四段の7月2日時点でのレーティングは1694点で34位。1500点からスタートし、194点も増やしている。本日(7月2日)、佐々木勇気五段に敗れ、1700点から6点マイナス。
では、実際の対局相手を検証してみよう。レーティングは対局当時
1.12月24日 対 加藤九段1236(竜王戦6組)
2.01月26日 対 豊川七段1436(棋王戦予選)
3.02月09日 対 浦野八段1344(竜王戦6組)
4.02月23日 対 浦野八段1340(NHK杯予選)
5.02月23日 対 北浜八段1661(NHK杯予選)
6.02月23日 対 竹内四段1544(NHK杯予選)
7.03月01日 対 有森七段1417(王将戦1次予選)
8.03月10日 対 大橋四段1555(新人王戦)
9.03月16日 対 所司七段1336(竜王戦6組)
10.03月23日 対 大橋四段1547(棋王戦予選)
11.04月04日 対 小林七段1594(王将戦1次予選)
12.04月13日 対 星野四段1527(竜王戦6組)
13.04月17日 対 千田六段1792(NHK杯1回戦)
14.04月26日 対 平藤七段1503(棋王戦予選)
15.05月01日 対 金井六段1508(竜王戦6組)
16.05月04日 対 横山アマ1442(新人王戦)
17.05月12日 対 西川六段1591(王将戦1次予選)
18.05月18日 対 竹内四段1536(加古川青流戦)
19.05月25日 対 近藤五段1705(竜王戦6組決勝)
20.06月02日 対 澤田六段1773(棋王戦予選決勝)
21.06月07日 対 都成四段1609(チャレンジ杯)
22.06月07日 対 阪口五段1505(チャレンジ杯)
23.06月07日 対 宮本五段1612(チャレンジ杯)
24.06月10日 対 梶浦四段1585(叡王戦予選)
25.06月10日 対 都成四段1608(叡王戦予選)
26.06月15日 対 瀬川五段1571(順位戦C級2組)
27.06月17日 対 藤岡アマ1419(朝日杯1回戦)
28.06月21日 対 澤田六段1762(王将戦1次予選)
29.06月26日 対 増田四段1712(竜王戦決勝トーナメント)
30.07月02日 対 佐々木五段1779(竜王戦決勝トーナメント)
四段昇段後は、予選の一番下層から始まるので、当然、棋力が低い棋士と当たることが多く、奨励会員より下位の赤字の棋士の割合が多い。最初の12局では、北浜八段がやや手強い程度。
各棋戦一年単位だが、予選スタートの時期が違うので、今後も予選の下層の対局もあるが、ここ最近は竜王戦予選決勝や決勝トーナメントなど、かなり手強い相手と当たるようになってきている。
対局相手の内訳は、奨励会員より下位の棋士が29人中14人。極言すると15連勝と言える。
手強い相手は千田六段、近藤五段、澤田六段(2局)、増田四段ぐらいだった。
とは言え、29戦全勝。無敗というのは凄い。
現行の学校は1クラス25人か30人かは分からないが、隣のクラス全員をやっつけてしまったことになる。
まるで、仮面ライダーがショッカー隊員を次々に叩きのめしているようだ(失礼な例えで申し訳ありません)。
残念ながら30連勝はならなかったが、長く続いたフィーバーから解放されて良かったような気がする。30年来の連勝記録の更新も出来たことだし。
敗れた直後、各局の番組で速報テロップが流れたようだ。NHKの選挙速報でもテロップが流れ、その後、選挙速報を中断して、武田アナウンサーが記事を読み上げていた。やはり、社会現象(お祭り騒動)だなあ。
願わくば、竜王戦以外の対局で敗れて、竜王位挑戦者決定トーナメントは落ち着いた状況で戦わせたかった。
阿久津八段(1組5位)、久保王将(1組4位)、松尾八段(1組優勝)をなぎ倒して、挑戦者決定三番勝負を羽生三冠と戦うことになったら、無茶苦茶、盛り上がっただろうに……
【参考】羽生善治三冠の22連勝の記録(1992年)
1.04月10日 対 西川慶二六段 竜王戦2組ランキング戦
2.04月14日 対 森下卓六段 全日本プロトーナメント決勝五番勝負
3.04月27日 対 森下卓六段 全日本プロトーナメント決勝五番勝負
4.05月01日 対 児玉孝一六段 王座戦本戦
5.05月29日 対 中村修七段 竜王戦2組ランキング戦
6.06月05日 対 内藤國雄九段 順位戦B級1組
7.06月12日 対 脇謙二七段 天王戦七段戦
8.06月17日 対 青野照市八段 王座戦本戦
9.07月03日 対 大内延介九段 順位戦B級1組
10.07月10日 対 佐藤康光六段 竜王戦2組ランキング戦
11.07月17日 対 桐山清澄九段 王座戦本戦
12.07月28日 対 郷田真隆四段 王将戦2次予選
13.07月31日 対 桐山清澄九段 順位戦B級1組
14.08月01日 対 安恵照剛七段 早指し戦本戦
15.08月03日 対 中原誠名人 竜王戦決勝トーナメント
16.08月13日 対 米長邦雄九段 王座戦挑戦者決定戦
17.08月20日 対 神崎健二五段 王将戦2次予選
18.08月24日 対 村山聖六段 竜王戦決勝トーナメント
19.08月28日 対 富岡英作七段 順位戦B級1組
20.08月30日 対 大山康晴九段 JT将棋日本シリーズ
21.09月01日 対 福崎文吾王座 王座戦五番勝負
22.09月03日 対 瀬戸博晴五段 全日本プロトーナメント
× 09月05日 対 桐山清澄九段 棋聖戦決勝トーナメント
【その2】「対増田四段戦①」に続く
凄いことになっている。
もちろん、29連勝、しかも、デビュー以来無敗というのは、とてつもない記録である。
しかし、それよりも凄いのは、世間のフィーバーぶりだ。対局の日には、一日中、話題に取り上げられ、クリアファイルなどのグッズも瞬く間に完売。将棋教室も希望者が増え、盤駒の売れ行きも激増らしい。かく言う私も、しょっちゅう、「藤井くんって、すごいね」と話し掛けられる。
藤井四段のグッズを買い求めている映像を見たが、とても将棋に興味があるとは思えない中年女性だった。マスコミが作った社会現象の性質が強く、“熱くなりやすく、冷め易い”世間の風潮を考えると、藤井四段が敗れた後は潮が引くように冷めていく気がしないでもない。
しかし、今回のフィーバーで、将棋に関心を持たれたことは嬉しいし将棋界にとってもプラスである。また、将棋を始めた人(子ども)も多いようで、未来につながる大きな財産である。
ところで、デビュー以来の連勝を11に伸ばして、これまでの記録を更新した時、ここまで記録を伸ばすとは全く予想していなかった。(羽生三冠や渡辺竜王のデビュー連勝は「6」)
もちろん、注目はしていた。詰将棋選手権では、小学6年生の時から3連覇、四段昇段も史上最年少記録。しかも、三段に昇段したのが10月だったため、およそ半年間の足踏みがあっての記録だった。
それでも、「そのうち負けるだろう」と思っていた。その理由は、三段リーグの13勝5敗という成績。立派な成績と言えるが、傑出した記録ではない。
とにかく、三段相手に5回も負けているのだ。それが四段以上相手に勝ち続けるなんて考えられない(段位が棋力に比例していないのは、重々承知している)。
…………どういうことなのだろうか?
その要因は?(……と、ここまで書いていたら、藤井四段の敗色が色濃くなってきた)
Ⅰ.対局環境
四段昇段で棋士となり、100%プロという立場で対局に臨める。この精神的充実が好影響を与えている。それに、プロの対局なので、対局環境(スペースなど)も奨励会の時に比べ、格段と良くなった。
Ⅱ.持ち時間
NHK杯戦など早指しの対局もあるが、多くは奨励会の時より持ち時間が長い。
詰将棋選手権3連覇のスペックは、持ち時間が短い方がより有利に働くようにも思われるが、読みのスピードだけでなく読みの量や正確さも兼ね備えているので、持ち時間が長い方が実力を安定して発揮できると考える。
Ⅲ.成長
14歳の頭脳は、まだまだ、発展途上。対局を積み重ね、頭脳をフル回転させることが、脳力アップにつながる。
精神的にも強くなり、経験値も増え、更に強くなった。(『炎の7番勝負』の経験も大きかった)
Ⅳ.将棋ソフトの活用
スパーリング的使用をしているとしたら、それにより、基本的棋力(スポーツで言う筋力)がアップ。
さらに、これまでの概念にとらわれない将棋の指し手や考え方を吸収した。
定跡の研究や指し手の検証にも役立ち、戦型や局面の整理も容易になった。
Ⅴ.対局相手
三段陣と公式戦の相手の棋力も検証しなければならない。
『将棋連盟 棋士別成績一覧』というサイトがある。
「棋士ランキング」のページを見ると、7月2日現在、
1 佐藤天彦名人 1883
2 豊島将之八段 1865
3 羽生善治三冠 1861
4 稲葉陽八段 1846
5 菅井竜也七段 1836
6 久保利明王将 1834
7 渡辺明竜王 1832
8 斎藤慎太郎七段 1815
9 永瀬拓矢六段 1811
10 糸谷哲郎八段 1796
となっている。
羽生三冠の最高点は2003点(2014年7月5日、棋聖戦第3局で森内竜王を下し、3-0で防衛を決めた。これより少し前、森内名人を4-0で破り、名人位を奪取している)。ちなみに、2015年度終了時点では1912点(この後、佐藤天八段(当時)に敗れて名人位失冠し、大スランプに陥った。スランプではなく、棋力が衰えたという見方もある)。2016年度終了時点では1851点。
このランキングには、「奨励会員」「アマ棋士」「女流棋士」も参考資料として算出している。すべての奨励会員(三段とは限らない)を一人の棋士として見なし、公式棋戦での棋士(四段以上)の対局を対象にして、奨励会員のレーティングを算出している。(同様に、アマ棋士、女流棋士のレーティングを算出)
それによると、奨励会員は1547点で、83位伊奈祐介六段(1550点)と84位の真田圭一八段(1545点)の間に位置している。
最下位が160位の1264点で、奨励会員より下位に位置する棋士が77人いることになる(48%)。ちなみに、アマ棋士は1400点で137位と138位の間、女流棋士は最下位より89点低い1175点。
藤井四段の7月2日時点でのレーティングは1694点で34位。1500点からスタートし、194点も増やしている。本日(7月2日)、佐々木勇気五段に敗れ、1700点から6点マイナス。
では、実際の対局相手を検証してみよう。レーティングは対局当時
1.12月24日 対 加藤九段1236(竜王戦6組)
2.01月26日 対 豊川七段1436(棋王戦予選)
3.02月09日 対 浦野八段1344(竜王戦6組)
4.02月23日 対 浦野八段1340(NHK杯予選)
5.02月23日 対 北浜八段1661(NHK杯予選)
6.02月23日 対 竹内四段1544(NHK杯予選)
7.03月01日 対 有森七段1417(王将戦1次予選)
8.03月10日 対 大橋四段1555(新人王戦)
9.03月16日 対 所司七段1336(竜王戦6組)
10.03月23日 対 大橋四段1547(棋王戦予選)
11.04月04日 対 小林七段1594(王将戦1次予選)
12.04月13日 対 星野四段1527(竜王戦6組)
13.04月17日 対 千田六段1792(NHK杯1回戦)
14.04月26日 対 平藤七段1503(棋王戦予選)
15.05月01日 対 金井六段1508(竜王戦6組)
16.05月04日 対 横山アマ1442(新人王戦)
17.05月12日 対 西川六段1591(王将戦1次予選)
18.05月18日 対 竹内四段1536(加古川青流戦)
19.05月25日 対 近藤五段1705(竜王戦6組決勝)
20.06月02日 対 澤田六段1773(棋王戦予選決勝)
21.06月07日 対 都成四段1609(チャレンジ杯)
22.06月07日 対 阪口五段1505(チャレンジ杯)
23.06月07日 対 宮本五段1612(チャレンジ杯)
24.06月10日 対 梶浦四段1585(叡王戦予選)
25.06月10日 対 都成四段1608(叡王戦予選)
26.06月15日 対 瀬川五段1571(順位戦C級2組)
27.06月17日 対 藤岡アマ1419(朝日杯1回戦)
28.06月21日 対 澤田六段1762(王将戦1次予選)
29.06月26日 対 増田四段1712(竜王戦決勝トーナメント)
30.07月02日 対 佐々木五段1779(竜王戦決勝トーナメント)
四段昇段後は、予選の一番下層から始まるので、当然、棋力が低い棋士と当たることが多く、奨励会員より下位の赤字の棋士の割合が多い。最初の12局では、北浜八段がやや手強い程度。
各棋戦一年単位だが、予選スタートの時期が違うので、今後も予選の下層の対局もあるが、ここ最近は竜王戦予選決勝や決勝トーナメントなど、かなり手強い相手と当たるようになってきている。
対局相手の内訳は、奨励会員より下位の棋士が29人中14人。極言すると15連勝と言える。
手強い相手は千田六段、近藤五段、澤田六段(2局)、増田四段ぐらいだった。
とは言え、29戦全勝。無敗というのは凄い。
現行の学校は1クラス25人か30人かは分からないが、隣のクラス全員をやっつけてしまったことになる。
まるで、仮面ライダーがショッカー隊員を次々に叩きのめしているようだ(失礼な例えで申し訳ありません)。
残念ながら30連勝はならなかったが、長く続いたフィーバーから解放されて良かったような気がする。30年来の連勝記録の更新も出来たことだし。
敗れた直後、各局の番組で速報テロップが流れたようだ。NHKの選挙速報でもテロップが流れ、その後、選挙速報を中断して、武田アナウンサーが記事を読み上げていた。やはり、社会現象(お祭り騒動)だなあ。
願わくば、竜王戦以外の対局で敗れて、竜王位挑戦者決定トーナメントは落ち着いた状況で戦わせたかった。
阿久津八段(1組5位)、久保王将(1組4位)、松尾八段(1組優勝)をなぎ倒して、挑戦者決定三番勝負を羽生三冠と戦うことになったら、無茶苦茶、盛り上がっただろうに……
【参考】羽生善治三冠の22連勝の記録(1992年)
1.04月10日 対 西川慶二六段 竜王戦2組ランキング戦
2.04月14日 対 森下卓六段 全日本プロトーナメント決勝五番勝負
3.04月27日 対 森下卓六段 全日本プロトーナメント決勝五番勝負
4.05月01日 対 児玉孝一六段 王座戦本戦
5.05月29日 対 中村修七段 竜王戦2組ランキング戦
6.06月05日 対 内藤國雄九段 順位戦B級1組
7.06月12日 対 脇謙二七段 天王戦七段戦
8.06月17日 対 青野照市八段 王座戦本戦
9.07月03日 対 大内延介九段 順位戦B級1組
10.07月10日 対 佐藤康光六段 竜王戦2組ランキング戦
11.07月17日 対 桐山清澄九段 王座戦本戦
12.07月28日 対 郷田真隆四段 王将戦2次予選
13.07月31日 対 桐山清澄九段 順位戦B級1組
14.08月01日 対 安恵照剛七段 早指し戦本戦
15.08月03日 対 中原誠名人 竜王戦決勝トーナメント
16.08月13日 対 米長邦雄九段 王座戦挑戦者決定戦
17.08月20日 対 神崎健二五段 王将戦2次予選
18.08月24日 対 村山聖六段 竜王戦決勝トーナメント
19.08月28日 対 富岡英作七段 順位戦B級1組
20.08月30日 対 大山康晴九段 JT将棋日本シリーズ
21.09月01日 対 福崎文吾王座 王座戦五番勝負
22.09月03日 対 瀬戸博晴五段 全日本プロトーナメント
× 09月05日 対 桐山清澄九段 棋聖戦決勝トーナメント
【その2】「対増田四段戦①」に続く
5月末に大きなイベントがありまして、そちらに精力を搾り取られていました。イベントと言っても家族の冠婚葬祭ではありません。
まあ、将棋に関しては、確かに三浦九段の件のゴタゴタが意欲に関係しなかったわけではありません。
連盟理事会の不手際にがっかりしたのは確かですが、それ以上にネットでの渡辺竜王たちへの糾弾振りに嫌気が差しました。
そのことに関して、記事に書きたいのですが、書くといろいろ面倒が起りそうですし、そんな危険を冒してまで書く記事なのかと、少し悶々としています。
今回の記事の動機は、ssayさんのプレッシャーがあったからですが、それ以上に、藤井四段のレビュー以来負けなしの連勝記録に、わくわくしたからです。
それと、対増田戦の勝ちっぷりの良さにも感心しました。
Stanleyさんの藤井四段ファン振りには感心します。その熱い気持ちに応えるかのような藤井四段の連勝でしたね。
私の拙文が、Stanleyさんの気持ちに応える内容であったのなら、嬉しいです。
連勝が止まった佐々木戦は、私には序盤は難しすぎて分かりません。それに、忙しかったので序盤はほとんど観戦できませんでした。
私がリアルタイムで観たのは、問題の△8四飛辺りからです。自然とは思えない指し手で、思わしくない展開になりそうだと思いました。
その後は、多少難しい局面もあったようでしたが、佐々木五段の指し回しが素晴らしかったようです。
冷静に守るところは守り、強く応じなければならないところは引かずに強い受けや、踏み込んで攻めていました。
せっかくのコメントに突っ込むのは野暮ですが、思い違いをされたままというのも何ですので……
29連勝は達成しています。
羽生三冠、今期は巻き返しの兆しがありましたが、棋聖戦第3局は逆転負け、王位戦は中盤以降、指し手が変調になっての敗局と、少し心配です。
もともと、羽生三冠に関する記事は、敗局の悔しさが原動力となって書くことの方が多いのですが、やはり、敗局は少ない方が良いです。
次の記事は、「棋聖位防衛」と行きたいものです。
三浦九段冤罪事件で、英さんがすっかり将棋連盟に失望されたため、将棋の記事はもう無いのかしらんと、つらつら推察して、英さんの将棋の記事を諦めていました。今日久しぶりにブログをチェックしたら、あら嬉しや。3つも将棋の記事がアップされているではありませんか。私も、14才中学3年生の藤井四段を応援していて、ネットに出ている関連記事は、毎日読み尽くしていて、毎回彼の対局が’あれば、朝まで(対局が夜10時に終局すると、ロサンゼルスでは早朝6時です)対局を観戦できないので、インターネットで録画をしようと思い立ち、いろいろ試みていました。なかなか上手く録画できなかったので試行錯誤の日々でした(笑)。藤井四段の将棋対局のビデオは最近you-tubeでアップされているので、そちらをダウンロードしセーブして何度も繰り返し見ています。
さて藤井四段が世間に注目を集めたのは、炎の七番勝負に6勝1敗と素晴らしい成績を残したことも原因になっているかも知れませんね。なにしろ深浦康市九段、佐藤康光九段、羽生三冠とA級のトップ棋士3人に中学生棋士が勝ったのですから、これは前代未聞のニュースでした。そのため、藤井四段はA級レベルの棋力があり、竜王戦はこのまま勝ち進むのではないかと予想する人も多くいて、マスコミが藤井四段の特集記事を書いたりテレビのバラエティーに特別番組を放送したりしたため、第一次藤井フィーバーになったと私は考えています。三浦九段将冤罪関連の暗いニュースより、藤井四段の明るいニュースの方が、私にはとても良かったですし、毎回元気をいただきました。
佐々木五段が連勝を止めたのは素晴らしかったですね。私は32手目△7六飛車と横歩を取ったのが悪手で、局面を悪くしてしまったのではと残念に思いながら観戦していました。48手目△9七歩以降ほぼ互角に戻ったようでしたが、50手目△8四飛車と出たのが敗因だったかもという感想です。あそこで△4四角など別の手を指していたらどうなったか?まあ、29連勝出来なかったのは残念でしたが、デビューしてから28連勝という記録が今後破られる可能性は、ほぼ無いでしょう、と思います。
さて羽生三冠は、英さんがもっと記事にして応援すれば、棋聖戦や王位戦は防衛されると確信していますが、英さんのブログでの熱い応援がないと、奪取されてしまうかも知れません。ちょっと放電です。
連勝かタイトル獲得かどちらを期待するかですが、世間は、とにかく藤井君が勝ち進んでいけばいい。「連勝」「タイトル」どちらでもよく、一緒に喜びたいのだと思います。
それにしても、「勝負めし」を
パチパチ写すカメラは凄かったですねっ。
2度と見られないような映像だろうなぁ~~~
と思いつつ、ついつい見てしまいました。
一般の方は、またまた「連勝」を楽しみに
してるのかな?
それとも、最年少タイトルを楽しみに
してるのかな?
わたしは、どっちなんだろうなぁ~~~~と
このフィーバーをみて思いました。
ちなみに・・・・わたしは・・・・。
藤井先生が、『中学生棋士』になって
しまったために、
「名人」か「竜王」にでもならないと
正式な評価できなくなってしまい、
少し藤井さんには、かわいそうだな、と、
思っています。
ではではっ。
>いやあ、圧力をかけた甲斐がありました。
実は、ssayさんがブログ記事を再開したのを知っていたのですが、ROMっていまして、うしろめたさもありました。(記事、楽しく読んでいます)
>後述の羽生先生の22連勝の対戦相手と比べても歴然で、ああ、これって何気に英さんの羽生自慢なのかなあと思いました(大笑)。
もちろん、そうです。
>佐々木勇気五段の気力(もちろん棋力も)に感動しました。竜王戦はここで燃え尽きることなく、もう少し勝ち進んでほしいくらいです。
対局の雰囲気や藤井君の下見をするなど、やる気満々でしたね。
4年生で小学生名人になるなど有望視されていましたが、四段昇段後はあまりぱっとしなませんでしたが、この先楽しみですね。
藤井君も棋王戦が楽しみですね。次が豊島八段戦で、勝つと森内九段。さらに、準々決勝では羽生三冠と当たる可能性もあります。
それにしても、記録更新ではなく、負けたことがニュース速報になるとは、驚きです。(NHKの都議選開票速報の途中ですよ)
いやあ、圧力をかけた甲斐がありました。
連勝の原因は、四段昇段後にも周囲の予想以上に成長していることと、藤井君の朴訥としていながら、将棋になると純粋に打ち込めるという性格などでしょうが、やはり対戦相手がトップクラスよりは若干劣るというのも大きいと感じます。(おっしゃる通り、澤田、増田、近藤、千田位ですよね。)
それは後述の羽生先生の22連勝の対戦相手と比べても歴然で、ああ、これって何気に英さんの羽生自慢なのかなあと思いました(大笑)。
それにしても、ショッカーに例えるのは酷過ぎですよ(笑)。
>残念ながら30連勝はならなかったが、長く続いたフィーバーから解放されて良かったような気がする。
同歩。ほんと、ホッとしました。
>願わくば、竜王戦以外の対局で敗れて、竜王位挑戦者決定トーナメントは落ち着いた状況で戦わせたかった。
同歩成。全く同じことを思っていました。
昨日は終盤はAbmemaTVで視聴していましたが、佐々木勇気五段の気力(もちろん棋力も)に感動しました。竜王戦はここで燃え尽きることなく、もう少し勝ち進んでほしいくらいです。
・・・しかし、やっと書いていただけたかと思ったら、まだ続きがあるんかいっ!
(そこがまた、英さんらしい。)