うだつの上がらない南野(駒木根隆介)のドラマとしては面白かったような気がする。
ただし、時系列を前後させて真相を分かりにくくさせたり、インパクトを強くさせるのは手法の一つだが、あまりに前後する回数が多すぎ
【取りあえず、時系列を整理してみる】
・5年前…半グレグループのリーダー・中山(福田雄基)と安田(川並淳一)が押し込み強盗で5千万円を奪う。中山は服役、安田は証拠不十分で不起訴。5千万円は所在不明
工藤弁護士(木下政治)が弁護を担当。
・工藤夫婦、離婚。父・工藤が息子・武志(潤浩)を引き取る。武志は不登校
・3週間前…中山が刑務所内で急死
・安田が工藤を訊ね、5000万円の在り処で揉めていた
・悪徳リフォーム会社社員・南野が訪問販売で武志と知り合う
・怖れていた中山の死を知り、5千万円の在りかを知っていた安田が取りに行くが、既に金はなかった。工藤弁護士がネコババしたと考え、工藤をアパートの空き部屋に拉致監禁
・アパートの住人・岡村(今里真)が拉致監禁を知り、5千万円を横取りしようとするが、安田の部屋で鉢合わせし、安田を殺害
・南野と武志が父親を捜しにアパートに来て、南野が殺害直後の岡村に殴打され気絶、財布を奪われる
・南野と武志が、右京たちに南野の住居に送ってもらう
・安田の死体が発見され、現場検証、捜査が始まる
・親子を装った“他人連れ”の二人を不審を抱き、右京たちが二人を調べ、二人の素性を把握
――南野に紛失届を書かせ、仕事先などを把握。リフォーム会社のホワイトボードで、担当地区を把握
――岡村から"子連れの男”が逃げる姿が目撃証言を得る。その際、部屋にある『南野&元彼女・三雲亜紀(土井玲奈)のオリジナルエコバック』右京が視認、さらに警備会社の制服も視認
――工藤邸で南野とニアミス、亜紀が逃走の手助け(右京はちゃっかり、亜紀の診察券を視認し名前と産婦人科を知る)
――工藤の事務所で得た書類で、工藤がトランクルームを借りていたことを知り、5千万円の隠し場所を突き止めるが、既に金はなかった
――防犯カメラで、一旦トランクルームに戻した金を南野が持ち出した映像を確認
・南野が安田の属した半グレグループにマージャンを挑み、情報を得ようとするもボコられる(麻雀には勝つ)
・工藤のスマホで呼び出した武志を岡村が拉致
・岡村が武志のスマホで南野を呼び出す
・武志を助けに来た南野は岡村に殺されそうになるが、右京たちが到着し救援、岡村を確保
これらが時々時間をさかのぼって明かされる。さらに、南野と亜紀の別れ話の回想シーンなども挿入されるなど、複雑な時系列となっていた。
その中で、右京が洞察力や鋭い推理で、工藤邸を探索する南野、亜紀の店、隠れ家にいた岡村の元に出現して、《なんであんた(右京)がここに来るの?》という感じになるのが面白かった。
人物の設定や心情、背景が不十分
①武志の親子関係
工藤の待ち受け画面や工藤家の写真には、仲が良さそうな父子の様子が映っていたが、ほぼネグレクト状態で、武志も不登校。食事はどうしていたのか?
父親が警察に捕まるのを恐れて、南野が通報するのを止めたが、父を心配してではなく、《父が逮捕され自分ひとりになったら、どうすればいいの?》という気持ちから。その他のシーンでも、父を心配するシーンはなかったように思う。
母親は息子を嫌っていたわけではなく、夫に放り出されただけのようなので、母親を頼れたのでは?実際、ドラマ終盤で女性(母親?)に連れられて去っていった。
②武志と南野の関係・気持ち
親子にも見える親密さであり、そういうシーンも多く観られた。しかし、「一緒に怒ったり泣いたりしてくれたのは南野だけだった」と武志が言っていたと亀山が語っていたが、一緒に怒ったシーンはなかったような気がする。なのに、亀山の語りで、二人の気持ちの繋がりを締めるのはどうなのか?
それに、最後のシーンでブラインド越しに、にっこり手を振って去っていくというのも、あっさりし過ぎ。
③岡村のキャラ設定
警備会社にいるので腕っぷしに自信があるのかもしれないが、偶々、知った工藤監禁に便乗して5千万円をせしめようとする。さらに、弾みとは言え、安田を殺害、さらに、南野をも殴打して気絶させる。その際、工藤と南野のスマホを持ち去り、いろいろ利用するあくどさ……
疑問点
・犯人が待ち構えていることは容易に想像できるが、一目散に武志のもとに行くのはあまりにも無防備。犯人が所持しているであろう武志のスマホに電話を掛けてみるという策もあるが、南野はそういうキャラではないので仕方がないかも。
・父親のスマホからの着信とは言え(それ故、危険かも)、武志は安易に呼び出され過ぎ
・南野が特命係から逃げ出す際、亜紀が手助けをしたが、彼女はどうしてあの場に居たのだろうか?(悲鳴もタイミングが良く、忽然とその場を去る手際も良い)
・5年前の強盗で、安田は証拠不十分で不起訴というのは、警察・検察の怠慢では?
演出などは面白かった
・亀山と美和子の諍い……女心の機微を全く理解しようとしない亀山だが、それが亀山なのだろう。
・南野&亜紀のオリジナルエコバックはセンスが良かった
・南野と亜紀が相談中(揉めている最中)、武志はコーラの栓を抜くのに苦労していた
・右京と亀山がミスを互いに突っ込み合い
・リフォーム会社で右京に応対した社員のキャラ
・その他、場面の見せ方が良かった
第1話「ペルソナ・ノン・グラータ~殺人招待状」(初回SP)
第2話「ペルソナ・ノン・グラータ~二重の陰謀」
第3話「逃亡者 亀山薫」
第4話「最後の晩餐」
第5話「眠る爆弾」
第6話「笑う死体」
第7話「砂の記憶」
第8話「コイノイタミ」
第9話「丑三つのキョウコ」
第10話「黒いコートの女」
元日SP第11話「大金塊」
【ストーリー】(番組サイトより)
小学生を連れた男に殺人の疑いが!?
偶然の出会いが事件を引き寄せる!
ある日の昼下がり、右京(水谷豊)と薫(寺脇康文)が車で住宅街に出ていたところ、突然、小学生くらいの男の子に声を掛けられる。その子供は、父親とみられる南野(駒木根隆介)という男性と一緒で、「財布を落として帰れないので、家まで乗せてほしい」という。要望に応えて、マンションまで送るが、右京は2人の様子に違和感を覚える。
同じ頃、都内のアパートで住人が刺殺される事件が発生。被害者は、半グレのメンバーで、5年前に押し込み強盗で5千万もの大金を奪った前科が。最近、主犯格の男が刑務所内で急死し、5千万もいまだ見つかっていないことから、今回の刺殺と関連があると思われた。
そんな中、アパートの住民から、子連れの男が逃げるのを見たとの証言が。家まで送った親子が、何らかの事情を知っていると踏んだ右京と薫は、再びマンションを訪問。2人の様子に不審を抱き、周辺を調べ始めるが、その矢先、親子は行方をくらましてしまう。
不審な親子が凶悪な事件に関与!?
獄中死した半グレ男とも繋がりが…
絡み合った謎を特命係が解き明かす!
ゲスト:駒木根隆介
脚本:櫻井智也
監督:内片輝
ただし、時系列を前後させて真相を分かりにくくさせたり、インパクトを強くさせるのは手法の一つだが、あまりに前後する回数が多すぎ
【取りあえず、時系列を整理してみる】
・5年前…半グレグループのリーダー・中山(福田雄基)と安田(川並淳一)が押し込み強盗で5千万円を奪う。中山は服役、安田は証拠不十分で不起訴。5千万円は所在不明
工藤弁護士(木下政治)が弁護を担当。
・工藤夫婦、離婚。父・工藤が息子・武志(潤浩)を引き取る。武志は不登校
・3週間前…中山が刑務所内で急死
・安田が工藤を訊ね、5000万円の在り処で揉めていた
・悪徳リフォーム会社社員・南野が訪問販売で武志と知り合う
・怖れていた中山の死を知り、5千万円の在りかを知っていた安田が取りに行くが、既に金はなかった。工藤弁護士がネコババしたと考え、工藤をアパートの空き部屋に拉致監禁
・アパートの住人・岡村(今里真)が拉致監禁を知り、5千万円を横取りしようとするが、安田の部屋で鉢合わせし、安田を殺害
・南野と武志が父親を捜しにアパートに来て、南野が殺害直後の岡村に殴打され気絶、財布を奪われる
・南野と武志が、右京たちに南野の住居に送ってもらう
・安田の死体が発見され、現場検証、捜査が始まる
・親子を装った“他人連れ”の二人を不審を抱き、右京たちが二人を調べ、二人の素性を把握
――南野に紛失届を書かせ、仕事先などを把握。リフォーム会社のホワイトボードで、担当地区を把握
――岡村から"子連れの男”が逃げる姿が目撃証言を得る。その際、部屋にある『南野&元彼女・三雲亜紀(土井玲奈)のオリジナルエコバック』右京が視認、さらに警備会社の制服も視認
――工藤邸で南野とニアミス、亜紀が逃走の手助け(右京はちゃっかり、亜紀の診察券を視認し名前と産婦人科を知る)
――工藤の事務所で得た書類で、工藤がトランクルームを借りていたことを知り、5千万円の隠し場所を突き止めるが、既に金はなかった
――防犯カメラで、一旦トランクルームに戻した金を南野が持ち出した映像を確認
・南野が安田の属した半グレグループにマージャンを挑み、情報を得ようとするもボコられる(麻雀には勝つ)
・工藤のスマホで呼び出した武志を岡村が拉致
・岡村が武志のスマホで南野を呼び出す
・武志を助けに来た南野は岡村に殺されそうになるが、右京たちが到着し救援、岡村を確保
これらが時々時間をさかのぼって明かされる。さらに、南野と亜紀の別れ話の回想シーンなども挿入されるなど、複雑な時系列となっていた。
その中で、右京が洞察力や鋭い推理で、工藤邸を探索する南野、亜紀の店、隠れ家にいた岡村の元に出現して、《なんであんた(右京)がここに来るの?》という感じになるのが面白かった。
人物の設定や心情、背景が不十分
①武志の親子関係
工藤の待ち受け画面や工藤家の写真には、仲が良さそうな父子の様子が映っていたが、ほぼネグレクト状態で、武志も不登校。食事はどうしていたのか?
父親が警察に捕まるのを恐れて、南野が通報するのを止めたが、父を心配してではなく、《父が逮捕され自分ひとりになったら、どうすればいいの?》という気持ちから。その他のシーンでも、父を心配するシーンはなかったように思う。
母親は息子を嫌っていたわけではなく、夫に放り出されただけのようなので、母親を頼れたのでは?実際、ドラマ終盤で女性(母親?)に連れられて去っていった。
②武志と南野の関係・気持ち
親子にも見える親密さであり、そういうシーンも多く観られた。しかし、「一緒に怒ったり泣いたりしてくれたのは南野だけだった」と武志が言っていたと亀山が語っていたが、一緒に怒ったシーンはなかったような気がする。なのに、亀山の語りで、二人の気持ちの繋がりを締めるのはどうなのか?
それに、最後のシーンでブラインド越しに、にっこり手を振って去っていくというのも、あっさりし過ぎ。
③岡村のキャラ設定
警備会社にいるので腕っぷしに自信があるのかもしれないが、偶々、知った工藤監禁に便乗して5千万円をせしめようとする。さらに、弾みとは言え、安田を殺害、さらに、南野をも殴打して気絶させる。その際、工藤と南野のスマホを持ち去り、いろいろ利用するあくどさ……
疑問点
・犯人が待ち構えていることは容易に想像できるが、一目散に武志のもとに行くのはあまりにも無防備。犯人が所持しているであろう武志のスマホに電話を掛けてみるという策もあるが、南野はそういうキャラではないので仕方がないかも。
・父親のスマホからの着信とは言え(それ故、危険かも)、武志は安易に呼び出され過ぎ
・南野が特命係から逃げ出す際、亜紀が手助けをしたが、彼女はどうしてあの場に居たのだろうか?(悲鳴もタイミングが良く、忽然とその場を去る手際も良い)
・5年前の強盗で、安田は証拠不十分で不起訴というのは、警察・検察の怠慢では?
演出などは面白かった
・亀山と美和子の諍い……女心の機微を全く理解しようとしない亀山だが、それが亀山なのだろう。
・南野&亜紀のオリジナルエコバックはセンスが良かった
・南野と亜紀が相談中(揉めている最中)、武志はコーラの栓を抜くのに苦労していた
・右京と亀山がミスを互いに突っ込み合い
・リフォーム会社で右京に応対した社員のキャラ
・その他、場面の見せ方が良かった
第1話「ペルソナ・ノン・グラータ~殺人招待状」(初回SP)
第2話「ペルソナ・ノン・グラータ~二重の陰謀」
第3話「逃亡者 亀山薫」
第4話「最後の晩餐」
第5話「眠る爆弾」
第6話「笑う死体」
第7話「砂の記憶」
第8話「コイノイタミ」
第9話「丑三つのキョウコ」
第10話「黒いコートの女」
元日SP第11話「大金塊」
【ストーリー】(番組サイトより)
小学生を連れた男に殺人の疑いが!?
偶然の出会いが事件を引き寄せる!
ある日の昼下がり、右京(水谷豊)と薫(寺脇康文)が車で住宅街に出ていたところ、突然、小学生くらいの男の子に声を掛けられる。その子供は、父親とみられる南野(駒木根隆介)という男性と一緒で、「財布を落として帰れないので、家まで乗せてほしい」という。要望に応えて、マンションまで送るが、右京は2人の様子に違和感を覚える。
同じ頃、都内のアパートで住人が刺殺される事件が発生。被害者は、半グレのメンバーで、5年前に押し込み強盗で5千万もの大金を奪った前科が。最近、主犯格の男が刑務所内で急死し、5千万もいまだ見つかっていないことから、今回の刺殺と関連があると思われた。
そんな中、アパートの住民から、子連れの男が逃げるのを見たとの証言が。家まで送った親子が、何らかの事情を知っていると踏んだ右京と薫は、再びマンションを訪問。2人の様子に不審を抱き、周辺を調べ始めるが、その矢先、親子は行方をくらましてしまう。
不審な親子が凶悪な事件に関与!?
獄中死した半グレ男とも繋がりが…
絡み合った謎を特命係が解き明かす!
ゲスト:駒木根隆介
脚本:櫻井智也
監督:内片輝