藤井王将(五冠)は強いなあ……
羽生九段が弱いわけでも、力を発揮できなかったわけでもない。藤井五冠が強すぎる……
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/3c/71/57a19f13b6dca73fb8cc14ef261238ff.png)
部分図1は互角と考えられていた局面。
駒割は先手・藤井王将の金桂 対 後手・羽生九段の飛車。図では省略されているが、両者の銀……先手は2一の成銀、後手は2五の銀の働きが悪い。両銀とも働きが悪いが、先手の成銀は1一の香を取れ、後手の銀は2筋にいるが五段目はいい位置なので、今後働いてくる可能性あり、優劣の差はあまりない。
となると、二枚替えの藤井王将の方に利がありそうだが、羽生九段も飛車を打ち込めば、先手玉の脅威となる。手番は羽生九段なので、手番を生かして攻めたいところだが、▲7四桂と打たれると痺れてしまう。
そこで、羽生九段は△7六歩▲同銀△7四歩と先手陣を乱しつつ、桂打ちを消した(部分図2)。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/04/39/5c3e0d8a79300a50898dd491ee42dcd7.png)
藤井王将は▲6五歩(部分図3)と突き△7三銀と後退させたが、後手としても7三銀と自陣に引くのは悪くないと思えた。
しかし、そこで▲6四歩(部分図4)が玄妙な一着。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/62/94/ee12b722b1e0894b3371fa22c5edf27c.png)
△6四同歩では6三に空間が空き、後手の居玉の大きな傷となるので、△6四同銀(部分図5)。
部分図2と部分図5の違いは、先手の6六の歩が後手の駒台に乗ったこと。つまり、1歩損しただけ。しかも、先手の玉頭の6六に空間が空いたことはマイナスのように思える。普通は考えない手順だ。
しかし、次の1手……▲6六桂!(部分図6)
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/55/e3/cc4f5ca908dafaf8802f8dc193e718db.png)
この桂を打ちたいが故、わざわざ6筋の歩を突き捨てたのだ。部分図1で羽生九段は7四への桂打ちを消したが、この桂打ちで▲7四桂を実現させようというのだ。しかも、受けにくい……
おそらく、このやり取りで、藤井王将が優位に立った。
部分図1の時点では互角だったはずで、部分図6に至る手順は順当に思えた(部分図1で単に△7三銀とする手は有力だったようだ)。羽生九段も不思議だったかもしれない。
感想戦では、「▲6四歩(部分図4)に対して、△5五銀と中央に出る手があるのでは」と藤井王将。
羽生九段は全く考えていなかったようで、《そうかぁ》と呟いていた。
《5五にいる方が働きが良い(▲6六桂も防いでいる)》ということなのか……
この変化をしばらく検討していたが、結局、後手が良くないという結論だったようだが、もしかすると、検討での先手側の藤井王将の指し手が正確で、後手の羽生九段が正確ではなくて、《後手が思わしくない》という結論に至った…ような気がする。
感想戦を観ていると、藤井王将が読みや大局観で上回っているように感じた。……これは対戦相手にはたまったモノではない。感想戦で藤井五冠の強さをたっぷり感じさせられるのだ。勝つ気がしなくなくなる……
藤井五冠の将棋を見ていると、読みの深さ正確さは言うまでもないが、駒の居るべき位置を非常に敏感な(重要視している)ような気がする。
本局で言えば、《感想戦で指摘した5五に銀を出る手》。それと、2枚替えに持ち込むとき、一旦飛車を逃げて、《後手が飛車を取った銀の位置が、2五と2六ではどちらが良いか》など。
藤井五冠が強すぎて困ってしまうのだが、第二局を何とか勝利してほしい。
羽生九段が弱いわけでも、力を発揮できなかったわけでもない。藤井五冠が強すぎる……
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/3c/71/57a19f13b6dca73fb8cc14ef261238ff.png)
部分図1は互角と考えられていた局面。
駒割は先手・藤井王将の金桂 対 後手・羽生九段の飛車。図では省略されているが、両者の銀……先手は2一の成銀、後手は2五の銀の働きが悪い。両銀とも働きが悪いが、先手の成銀は1一の香を取れ、後手の銀は2筋にいるが五段目はいい位置なので、今後働いてくる可能性あり、優劣の差はあまりない。
となると、二枚替えの藤井王将の方に利がありそうだが、羽生九段も飛車を打ち込めば、先手玉の脅威となる。手番は羽生九段なので、手番を生かして攻めたいところだが、▲7四桂と打たれると痺れてしまう。
そこで、羽生九段は△7六歩▲同銀△7四歩と先手陣を乱しつつ、桂打ちを消した(部分図2)。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/58/44/555953105145f7d7adaaba74b96f3e2d.png)
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/04/39/5c3e0d8a79300a50898dd491ee42dcd7.png)
藤井王将は▲6五歩(部分図3)と突き△7三銀と後退させたが、後手としても7三銀と自陣に引くのは悪くないと思えた。
しかし、そこで▲6四歩(部分図4)が玄妙な一着。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/06/22/a1998ce59a96e3b82a38a87a2cd441fb.png)
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/62/94/ee12b722b1e0894b3371fa22c5edf27c.png)
△6四同歩では6三に空間が空き、後手の居玉の大きな傷となるので、△6四同銀(部分図5)。
部分図2と部分図5の違いは、先手の6六の歩が後手の駒台に乗ったこと。つまり、1歩損しただけ。しかも、先手の玉頭の6六に空間が空いたことはマイナスのように思える。普通は考えない手順だ。
しかし、次の1手……▲6六桂!(部分図6)
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/55/e3/cc4f5ca908dafaf8802f8dc193e718db.png)
この桂を打ちたいが故、わざわざ6筋の歩を突き捨てたのだ。部分図1で羽生九段は7四への桂打ちを消したが、この桂打ちで▲7四桂を実現させようというのだ。しかも、受けにくい……
おそらく、このやり取りで、藤井王将が優位に立った。
部分図1の時点では互角だったはずで、部分図6に至る手順は順当に思えた(部分図1で単に△7三銀とする手は有力だったようだ)。羽生九段も不思議だったかもしれない。
感想戦では、「▲6四歩(部分図4)に対して、△5五銀と中央に出る手があるのでは」と藤井王将。
羽生九段は全く考えていなかったようで、《そうかぁ》と呟いていた。
《5五にいる方が働きが良い(▲6六桂も防いでいる)》ということなのか……
この変化をしばらく検討していたが、結局、後手が良くないという結論だったようだが、もしかすると、検討での先手側の藤井王将の指し手が正確で、後手の羽生九段が正確ではなくて、《後手が思わしくない》という結論に至った…ような気がする。
感想戦を観ていると、藤井王将が読みや大局観で上回っているように感じた。……これは対戦相手にはたまったモノではない。感想戦で藤井五冠の強さをたっぷり感じさせられるのだ。勝つ気がしなくなくなる……
藤井五冠の将棋を見ていると、読みの深さ正確さは言うまでもないが、駒の居るべき位置を非常に敏感な(重要視している)ような気がする。
本局で言えば、《感想戦で指摘した5五に銀を出る手》。それと、2枚替えに持ち込むとき、一旦飛車を逃げて、《後手が飛車を取った銀の位置が、2五と2六ではどちらが良いか》など。
藤井五冠が強すぎて困ってしまうのだが、第二局を何とか勝利してほしい。