英の放電日記

将棋、スポーツ、テレビ等、日々感じること。発信というより放電に近い戯言。

2020 A級順位戦 羽生九段-糸谷八段 その2

2020-09-05 16:57:16 | 将棋
【「2020 A級順位戦 羽生九段-糸谷八段 その1」よりの続き】

 △8四飛と飛車成りを図った手に対し羽生九段が考えている。
 ……18時52分(再開12分後)、ようやく羽生九段の手が動いた。夕食休憩前に38分と合わせて50分の考慮であった(夕食中に考えたのかは分からないが、休憩を合わせると1時間30分。注文した“天なんそばのセット”は味わえたのだろうか?)

 着手直後の画面には、7四の地点は駒で埋まっている。
《おお!読み切って、▲7四歩を決行したのか!》と思ったが、7四に置かれた駒は歩よりもかなり大きいし、その付近、何やら混み合っている……羽生九段の着手は▲7四角だった。

 ▲7四歩に成算が立たなかったのか、▲7四角で行けると踏んだのかは分からないが(感想戦を見る気力がなかった)、飛車の頭の歩のそのまた頭に置く▲7四角は感触が悪い。飛車の渋滞感が半端ではない。(▲7四歩の変化については「その1」で)
 ▲7四角にしろ▲7四歩にしろ、糸谷八段は△8七飛成と成り込むしかない。
 ここで①▲6四桂が控室では有力と見ていたが、羽生九段はほぼノータイムで②▲6五角を着手。先の長考での読み筋であろう。

 と、ここで本譜を進める前に、①▲6四桂を検証してみる(▲7四角と打ったからには▲6四桂と打ちたくなる)。

 以下△5一玉▲7二桂成(銀桂交換の上、敵陣を薄くできる)△同金に▲6五角で更に桂を入手して、調子がよさそうだ。ただし、後手に桂を渡すリスクもある。さらに、▲6五角に△6四歩▲5六角△4四桂と追撃されると悩ましい。


 △4四桂には、a▲3四角b▲7四角が考えられる。

 a▲3四角に対しては△6五歩が痛打に見える(金が動くと7六の飛車がタダになる)。しかし、▲7八銀と打ち返す手があり、難解な形勢。


 b▲7四角に対しては△7三歩が厳しそう。しかし、▲5二銀△6二玉に▲4一銀不成(b図)が思い切った踏み込み。

以下△7四歩▲2二銀成△5四角▲7九飛△2六歩▲5五金△8八角▲5四金△同歩▲7八金△7九角成▲同金△2七歩成▲同金△3八金▲4九角……という超難解な手順が想定される(変化の一例)。

 上記の手順は、当然、自力ではない。『激指15』に教えていただいた。(←最近、購入)
 ただし、私のPCのパワーが不足しているせいか、検討の棋力が「pro+5」くらいになると、なかなか進まない(「pro+11」辺りまで精査するはず)。ブォーンと一生懸命演算しているのが気の毒に思える。そんな訳で、検討が不十分で、記事の内容が必ずしも正しいとは限りません。お気づきの点がございましたら、ご指摘くださるとありがたいです。

 とにかく、AIが示す手順は難解で、理解不能なことも多々ある。 ……《ここで手を戻すの?》、《この歩打ちは…何?》など…………

………最強のAIが「優勢」と判断を下しても、その手順が人知を超えたものなら「優勢」意味はない。たとえ評価値が「+1000」であっても。

 私は、激指のレーティング戦(持ち時間:NHK杯ルール)で、その勝敗に一喜一憂している。十分楽しい。

「その3」に続く。
コメント
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