英の放電日記

将棋、スポーツ、テレビ等、日々感じること。発信というより放電に近い戯言。

『貴族探偵』 第1話~第8話 感想

2017-06-12 17:31:12 | ドラマ・映画
原作 - 麻耶雄嵩 『貴族探偵』『貴族探偵対女探偵』(集英社文庫)
脚本 - 黒岩勉

 劇中最後に
「ありえないことがいっぱいのファンタジードラマですので
 適度にツッコミながらお楽しみください」


とあるので、トリックや展開などに突っ込みを入れても仕方がないのかもしれない。

 しかし、ありえないことに目を瞑っても、楽しめないのは困ったものである。

1.主人公に魅力を感じない
 ストーリー展開的には高徳愛香(武井咲)のようにも思えるが、タイトルやオープニングやホームページを観ると、貴族探偵(相葉雅紀)であるらしい。(原作では、高徳愛香は『貴族探偵対女探偵』のみの登場)
 どんなキャラかというと……
「 主人公は年齢、家族、学歴、住所、さらに本名までも不明。己のことを貴族と名乗り、探偵を趣味にしている青年です。物語では「貴族」「主」「御前」という呼び名しか登場しません。働いている様子はなく、身なりは常に瀟洒、言動は紳士的でレディーファーストを心がけ、一方で貴族であるという自覚を強く持ち、権威に頓着することがなく常に泰然としています。事件に出会った際には警察の上層部に働きかけ、現場を指揮する鼻形雷雨という刑事もしぶしぶ認める形で、事件解決に関わっていきます。
 それでは貴族のお手並み拝見だ…そう誰もが思ったところ、なんと捜査、推理をするのは彼を取り巻く召使たち。「推理などという雑事は、使用人に任せておけばいいんですよ」と言い放ち、事件関係者の女性と会話を楽しみ、遊びに興じている貴族にあっけにとられる周囲を尻目に、貴族へ絶対的な忠誠心を持つ、山本という執事、田中というメイド、佐藤という運転手の3人が現場分析、証拠集めなど捜査へと動き始めます。
 そんな、破天荒な貴族たちと偶然に、かつ頻繁に同じ事件に居合わせ、貴族たちと競う形で謎に向き合うのが探偵の高徳愛香。喜多見切子という女性探偵を師匠と仰ぎ、彼女に憧れて探偵になった愛香は駆け出しの新米ながら、探偵という職業に人一倍の誇りと信念を持っています。そのため貴族のやり方には反感しかなく、貴族よりも先に謎を解こうと現場を奔走し、推理を積み重ねていきます。
いずれも見たこともないほど個性的で強烈にインパクトのある登場人物たちが織りなす物語は、ファンタジックでどこかコメディな部分も。しかし、事件のトリック、謎解きは常人の想像を越える極上の本格ミステリー。さらに、謎だらけの貴族は実は深い洞察を持って動いており、最初は「こいつは何なんだ!」という衝撃を受けるも、ドラマを見ていくうちに「もっと貴族のことを知りたい!」と魅了されることは間違いなし。
“主人公が推理をしない”前代未聞のミステリードラマは、一瞬も飽きることのない唯一無二のエンターテインメントとなります」


………ちっとも魅了されないぞ!
 相葉君も頑張っているが、単に“尊大で何もしない奴”という印象しかない。相葉君と“貴族探偵”のキャラがマッチしていないのが致命的だ。
 ドラマでは愛香が「本当は最初から分かっていたのでは?」と、また、使用人たちも「旦那様に仕えることは、この上もない喜びです」とフォローしているが、「使用人は道具である」とか愛香を見下し蔑み過ぎで、悪印象が強い。好印象を与えるような描写がほとんど皆無というのも、相葉君も気の毒だ。

2.証拠もないのに、推理だけで糾弾するのはやめて欲しい
 毎回、同じ轍を踏む愛香。
 刑事モノ、探偵モノで、“証拠”を提示するのは必須要項。証拠もないのに得意気に推理を披露するシーンを見せられるのは辛い

3.使用人たちのミスキャストでの再現ドラマは分かりにくい

4.喜多見切子(井川遥)と愛香とのおしゃべりシーン(愛香の想像)は不要

5.韮山 瞳(上原多香子)の変な髪型(キノコ頭)は意味があったのか?



 玉村依子(木南晴夏)は面白いキャラだ。
 鼻形雷雨(生瀬勝久)は、生瀬さんが演じる変な刑事にしては、意外とまとも(真面目)。『トリック』の矢部謙三のような“かき回しキャラ”だと、このドラマではストレスが溜まりそう。
コメント
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