英の放電日記

将棋、スポーツ、テレビ等、日々感じること。発信というより放電に近い戯言。

「木の葉落とし」(中田七段作詰将棋)の解答 【補足】あり

2015-11-14 16:32:43 | 詰将棋
「木の葉落とし ……中田七段作詰将棋 『将棋世界』2015年10月号」の解答です。

 タイトルの『木の葉落とし』は、スノーボードの初歩のテクニックや航空機の特殊機動(マニューバ)の用語ですが、『アタック№1』の必殺技?の名前にもなっていたような気がします。
 本作は、木の葉がゆらゆら落ちていくイメージが浮かびました。


 まず、初形より▲2五歩は△1四玉で、▲1五歩は打ち歩詰の禁、また、また、初形より▲2五銀も△1五玉で、▲1六歩がまたも打ち歩詰の禁でうまくいきません。
 打ち歩詰解消の手筋は、攻め方の戦力を減らして、玉の包囲網を甘くしたり、玉方の駒を誘導して守備力をアップさせるなどです。
 そこで、上記2手段(▲2五歩や▲2五銀)の周辺で工夫はできないかといろいろ考えるわけですが、なかなか打開策が見つからなかったという方が多いのではないでしょうか。

 正解は▲4六角。

 この手が見えにくい。確かに、攻め方の攻撃力ダウンで、打ち歩詰解消の手筋に則っていますが、マイナスが大きく、その見返りがなさそうで、候補手として視野に入りません。
 さらに、詰形に至る手順も上部脱出される不利感が大きく、視野に入ったとしても除外してしまいそうです。

 ともかく、▲4六角△同歩とさせ、


 ▲2五銀△1五玉と進めると


 角がいなくなったため、▲1六歩の打ち歩詰の禁が解消されています。
 ただ、▲1六歩にするりと△2六玉と逃げられると、どんどん上部に逃がしてしまっている感が大きいです。


 しかし、ここで、颯爽と▲3六龍と飛び込んできて、ピタリと決めます。


 ちなみに、1二のと金は、初手の▲4六角に△1四玉とかわされた時の詰めに働きます。
【補足】
 初手の▲4六角に△1四玉とかわされた時、と金がなくても作意手順と同手順で詰みます。(九鬼さんに示唆されて、気がつきました)
 これは、厳密には「変化同手数駒余らず」のキズとなるので、それを避けたのだと思われます。


詰手順……▲4六角△同歩▲2五銀△1五玉▲1六歩△2六玉▲3六龍まで7手詰
コメント (8)
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