米国の無人攻撃機が、1月3日イラクのバグダッド国際空港近くで、イランの軍事司令官スレイマニ氏(イラン革命防衛隊とクドス部隊を統率する)と副司令官を爆撃・殺害し、米・イラン間の緊張が増しています。これにより原油は値上がりし、世界の株価は下がりました。
注)イラン革命防衛隊とは、イラン最高指導者ハメネイ師直下の精鋭部隊で、クドス隊(聖都エルサレム奪還部隊という意味)とはイラン革命隊以上の精鋭部隊。両隊ともイランの周辺地域シリア、レバノン、イラク、ホルムズ海峡、イエメンで、シーア派過激組織ヒズボラなどへ資金・武器・兵士を供給する組織。イスラム教スンニ派とイスラエル・米国の抹殺を図る組織です。両軍はスレイマニ氏の指揮のもと20年程前から各地でテロを繰り返しその勢力を拡大してきたが、アフガニスタンやシリアでは米軍やアサド政権+ロシアに加勢していた時期もありましたが、スンニ派過激組織(タリバンやアルカイダ)やイラン系過激派とは別組織のISを倒すための 純イラン・純シーア派の過激組織を支援する者たちです。
世界のマスメディア、欧州各国や米国の民主党は、スレイマニ氏殺害は中東の緊張を高めるもので、これを計画・承認したトランプ米大統領が一番悪い、との論調ですが、これらは中東紛争の‘対処療法’的な意見のようです。一方トランプ氏は紛争の‘根治’を目指したのでは? 対処療法がいいのか根治対応がいいのかは微妙だと思います。
イランは、これを機に欧米に約束したウランの濃縮の規制を撤廃(原爆製造ルートに入る)しましたが、多分これにより米国をはじめ欧州はイランへの経済制裁を一段と引き上げるでしょう。米・イラン間の緊張は、今後小競り合いを引き起こすことになり、そのたびに原油価格は上がり・株価は下がるような気がします。この二つから言えることは、この騒動で最も影響を受けるのはイランを含めた世界中の庶民ということになるでしょう…
不条理です。
ロシアと中国はイラン支持ですので、国際社会での 米・イラン対立の解決は見えません。
イラクの国会が、先日すべての外国勢力の国外退去を議決(実質的には米軍に国外退去を言い渡したものと言われています)しましたので、もし米軍が撤収すれば、イラクは底なしの騒乱状態に入るでしょう。約束を守らない国々(露・中・イラン)の軍が秘かにそして堂々とイラクに潜入・占拠し始めるでしょう…
不条理です。
将来にわたって中東は世界の原油庫と同時に火薬庫です。
世界が、エネルギーの原油依存から抜け出さない限り、中東は危険な存在となり続けるでしょう。
地球温暖化防止のほか中東リスクを引き下げる意味でも再生可能エネルギーの開発は急務なのでしょうね。
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