さんぽ道から

散歩中の雑感・モノローグを書いてみました

ロンドン・アイ9月

2006-09-10 15:18:36 | ポストカード
お元気ですか
今日はロンドン・アイからです
以前は人でごった返していたこの大観覧車も
今ではゆっくり静かに全ロンドンを見渡せる
素敵な乗り物となりました。

東京の一極集中/慢性的な交通渋滞等などは
このロンドンを手本にしたのでしょうか?
上空から見る街中の忙しないところは
東京そっくりです...
「今後とも東京は そして日本は
この町 この英国の後を追って行くのだろうか」
ゴンドラの中での思いを綴ります。

ロンドンは
貴族の町とシティーを代表とする商人の町とに別れて発展し
今もって夫々に市長がいることを今回始めて知りました
秋篠宮家親王誕生で日本中は沸き返りましたが 
英王室はグレーター・ロンドンに広大な土地を所有し
経済的に独立していることから
庶民の王室に対する感情は日本とは異なるものがあります
ロンドンには
そしてこの英国には未だに階級社会とそれを守り受け継ぐシステムが働いているのです

資本主義は持てる者と持てない者とをつくりますが
英国の場合は植民地統治が長かったせいでかなりの富が蓄えられ
この富が多くの持てる者を国内に輩出させ
この資産を永続させるシステムを早くから
政治・経済・社会・文化・教育・法律分野に定着させました
階級社会から逃げ出し階層無き国を作ろうと人々を
米国に向かわせたほどに強固なシステムでした
英国庶民にとって政財界・法曹界で活躍することはまれで
たまにあっても一代限りであり
子孫は元の階級からの出直しとなる
教育課程を経て16歳で社会に出て
代々同じ職業人生をおくるのが一般的で
勉強を続けて大学教授や医者になっても大概は
家が買えないほどの給与レベルに終わるようです
ミュージカル マイ・フェア・レディは
下層階級の花売り娘が上流社会に入る出世物語で
ありえない話であるから
英国では庶民にも上流社会にも受けている
支配・上層階級は
墓場から揺りかごまでと下層階級にそれなりの生活保障する一方で
各国からの移民の受け入れで
移民と庶民との間の緊張関係を作り
庶民階級からの階級闘争エネルギーを吸い取っている...
このような社会をマルクスは正したいと考え
夏目漱石は窮屈に感じた。

ロンドンは
多くの人種が世界各国から集まっている
移民のベスト人生パターンはロンドン→NY→スイスと言われるがそれでも移民の子息らはアングロサクソン系を押しのけて
ここロンドンで各界のトップに多々躍り出ている
さまざまな人種で構成される社会は変化に負けない力を持つという
国際社会での英国の強かさの源の一つは確かに移民であろう。

持てる者と持てない者の階層社会にある
安堵感と停滞感
移民社会にある
ボトムアップ活力と治安の悪化
英国はこの微妙なバランスの上に立っている
徹底した自己主張・演説・討論を上層教育の柱にする英国ならではの綱捌きだ。

格差の拡大と移民問題を抱える日本は
英国を手本に出来るだろうか?
日本の発展の可能性とその危うさを
ロンドン上空から
このロンドン・アイから垣間見ました。
ではまた
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