さんぽ道から

散歩中の雑感・モノローグを書いてみました

コーヒー

2005-10-11 19:18:08 | Weblog
 コーヒーを飲み始めたのは喫茶店が流行り出した70年ごろからだった。コーヒーは体によくないといわれ、家では飲まなかったし、中高時代は喫茶店に入ったら退学といわれ、大学では小遣いがなかった。社会人になって、顧客との打合せや友人との待合せに喫茶店を使いだした。時折、課内会議が喫茶店で行われたのには驚いた。しかし、コーヒーを飲むためというより、待合せ場所に、応接室代わりに、軽食モーニングが魅力で喫茶店を使っていたような気がする。 
 出入り口付近にコーヒーのベンディング・マシーン、自動販売機が置かれだしたのは、女子社員のお茶くみがなくなった頃だ。自動販売機は年々進化して最後は籤付などの機能も付いて面白かった。コーヒーも10種類以上の中から選べた。時間に追われる会議・出張の資料作りが結構あった。時間内に仕上げるプレッシャー・集中力アップのため、自動販売機の魅力もあったが、紙コップコーヒーを愛用した。現在の事務所は禁煙、禁飲食が多いから、皆さん、事務効率や集中力を上げるために大変だろう。どんな工夫をしているか興味がある。一時、胃を悪くして、コーヒーと煙草をガムと飴に変えてみたが、胃のほかに歯を悪くして、また、煙草と紙コップコーヒーに戻った。コーヒーは砂糖なしにした。コーヒーは仕事のスタートボタンであった。
 コーヒーは精神を高揚させるものとしてイスラムの聖職者で飲まれていたという。イスラム諸国から17世紀に欧州に伝えられると、世界中の植民地で栽培され始め、大量に生産された。瞬く間にコーヒーは広がり、現在でも、欧州、特に大陸でよく飲まれている。安くて美味しいコーヒーが身近にあり、湿度が低く結構喉が乾くという環境も飲まれる要因だろう。ザッハトルテによくあうからだけではない。国によっては、コーヒーがただで飲めない職場で働く人に所得税特税控除を認めている。欧州では、コーヒーブレイクなどの休憩時間云々よりも「社内コーヒーをただにせよ」「もっと美味しいものにせよ」などが労働協議会との討議対象となる。嗜好品といえども生活の必需品である。
 コーヒーを嗜好品として飲みだしたのはつい最近である。70年代の喫茶店の黒いコーヒーから、80年代の仕事潤滑油であった紙コップから、糖分過多の缶コーヒーから卒業した。切っ掛けは、旅先で飲んだモカ・フラペチーノであった。美味かった。疲れが飛んでいった。若い人が多く、店内の雰囲気も好かった。店が、あの明るいシアトルから出てきたものと分かって、なおのことファンになった。コーヒーの味わい方には理論上、焙煎度合いで三通り、挽き方で三通り、湯温で、注湯速度でそれぞれ三通りの、合計81通りがあるという。カフェ通いの次なるステップは、スーパーのコーヒーミルで挽いたコーヒーとスーパーのチョコケーキとしよう。必需品を揃えるスーパーマーケットの買物は、これでまた、巾が広がり、楽しくなる

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