Sotto voce (^-^)

楽しみを待つ事は、それ自体が楽しみ。
そんなカンジの日々を綴ります♪
Non vedo l'ora!

広島シティーオペラ2011「ラ・ボエーム」@広島アステールプラザ

2011-03-09 21:50:58 | オペラ
広島シティーオペラ2011
「ラ・ボエーム」全4幕
@広島アステールプラザ大ホール

音楽監督・指揮:もりてつや.
演出・振付:池澤嘉信

ロドルフォ:藤田卓也
ミミ:羽山弘子
マルチェッロ:村田孝高
ムゼッタ:冨田真代
コッリーネ:安東省二
ショナール:秋本健
ベノア/アルチンドーロ:飯島聡志


もうすっごくすっごく感激しました~〓
最初に言い切っちゃいますけど
今まで観た「ラ・ボエーム」で一番好きですっ

素晴らしかったことがたくさんありすぎて
何から書いていいかわかりませんっし、書き切れませんっ


まずは演出から。
ロドルフォたちの屋根裏部屋のセット。
部屋の外の階段が見えるように設えてあって
これがホントに効果的
第1幕では、4人がカフェ・モミュスに行こうって話してるときに
ちょうどミミがロドルフォの部屋の前を通り過ぎつつ
若干様子を窺っている風に描かれてたり。
3人が出掛けてミミがロドルフォ独りの部屋を訪ねるとき
入り口でろうそくの火をふうっと吹き消す姿を見せたり。
第4幕では、ミミとロドルフォをふたりっきりにさせてあげようってみんな部屋を出たのに
やっぱり気の利かないショナールが早めに帰ってきてしまい
でも精一杯気を遣って階段に佇む姿が描かれてたり。
とにかくよかったです。

ムゼッタとマルチェッロの心の機微の描き方も好き。
第3幕終わりの四重唱の後、お互いを罵りあって去っていくムゼッタ。
マルチェッロは残されたムゼッタの薔薇色のショールを腹立ち紛れに蹴っ飛ばそうとするけど
出来ずに拾い上げて愛おしそうに抱きしめる。
そして第4幕でムゼッタは部屋の隅に置かれた自分のショールを見つけ
マルチェッロの愛情を噛み締めるのだ。
じーん


ミミの羽山弘子さん。
見た目は可憐で可愛らしいカンジですが
本当にゴージャスな音色のソプラノさんです。
(↑表現がおかしい?けどお許しを)

ロドルフォの藤田卓也さん。
「冷たい手を Che gelida manina」
あまりの美しさに会場の拍手が鳴り止まず。
la speranza!をあんなにすんなり歌えるなんて
しかも若干ゆっくりめのテンポ設定に感じられたけど
逆にレガートの美しさが際立って
なるほどねってカンジです。

「愛らしい乙女よ O soave fanciulla」では
セクシー・ロドルフォ炸裂
僕を愛していると言って…
Che m'ami di…
ここを抑えた美しいピアノでクールに歌われたので
途端にSっぽい雰囲気に。
決してMではないdolce-vitaもどっきーんと動揺が。
(下品でごめんなさい)つい、Io t'amo!と言ってしまいそうになりました。
そういえば、その前の
それから帰ったら?
E al ritormo?
も抑え気味の声で。
藤田さんのロドルフォの「口説き」は何かフィジカルな雰囲気を漂わせて
なんだかオトナっぽい(*^_^*)
暗闇で赤くなるミミのごとく
暗い観客席で密かに頬染めるdolce-vita
(↑アナタ関係ありませんけど)
そして最後。
一つ目のAmor!はピアニッシモ。
最後のAmor!は舞台袖からフォルテ。
お二人のあの美しいハーモニーはいったい何事でしょう

第2幕はどのプロダクションもそうだけど
ぼんやりしたdolce-vitaは目も耳も追いつかない(^_^;)
大道芸人やバレエに気を取られてるうちに
ミミとロドルフォの密着度がっ〓急激にUP
ここでもロドルフォはやっぱりセクシー〓
ミミを抱き寄せる仕草が色っぽすぎやしませんか。

しかしミミの羽山さん、お可愛らしくて
ピンクのボンネットがなんてよく似合うのかしら
ピンクのボンネットは必殺の小道具だけど
似合うヒトは意外と少ないのだ。

ムゼッタ登場
冨田真代さんは可愛らしい無邪気な女の子役のイメージが強いけど
ムゼッタもハマってます。
すごくキュートなムゼッタです。

楽しいのはココまで
第3幕。
マルチェッロは登場場面は多いけど
実はあまり歌ってる時間は長くない。
逆に言うと歌ってない状態で舞台に立ってる時間が長い。
ここまで気づかなかったんだけど
マルチェッロの村田孝高さん
なんか存在感あるなと思ったら
歌ってないときの演技が細かい。
動きが大きいっていうよりも
ロドルフォといて楽しそうだったり
ミミを気遣ったり
ムゼッタへの愛情表現だったり。
ロドルフォの友達として大事な存在なんだなって
すごい説得力がある。

そして「さようなら」から四重唱まで。
本当に悲しくて切ない場面。
美しいです。

第4幕
ボヘミアン4人組が
楽しそうな演技をしてるというよりは
ホント楽しそうです
仲間っていいなって思う。

そこへムゼッタが瀕死のミミを連れてくる。
軽薄に見えるムゼッタだけど
ミミを心配して街中を探し回り見つけだすのだ。
いいヒト

大好きなコッリーネの「古い外套」
(待ってました~)
安東省二さん、本当に美声です。
バスの深い音色の中になぜか明るい響きがあって
いつ聴いてもホント美しいです

そう、この哲学者は仲間の大切な人のために
自分の外套を売って薬を買ってくるの。
↑多分自分が持ってるモノの中で一番高価なモノ。

ムゼッタも耳飾りを売ったり
マフを取ってきたり
最後は「自分のことはいいからこの天使のようなミミを助けてください」と神に祈りさえする。
いいヒト

さっきとは少し違った意味で仲間っていいなって思う。

第4幕ではミミが口を開くたび涙が
羽山さん、dolce-vitaをあまり泣かせないでください。

仲間の思いやりに包まれてラストシーン。

ロドルフォはミミの名前を2度呼ぶ。
最初はミミに届くようにフォルテで叫び
2度めは声にならない声で振り絞るように。
なんとなく藤田さんはここをキレイに歌われるイメージだったので
慟哭のような「ミミ!」を聴いて
dolce-vitaは虚を突かれた

ホントに感動的でした〓

あ、もりてつや.さんの字幕好きです。
言葉のチョイスが素敵で
すっごく雰囲気伝わってきます。


書き洩らしたことはたくさんあるけど
ホントにホントによかったです