活眼明察日記

物事の道理や本質を見分け、真相を明らかにする眼力を養いたい

派遣労働急増で広がる格差

2007-03-07 23:58:49 | Weblog
「日雇い派遣」が急速に広がっているという現実に驚かされます。携帯電話1本で1日あるいはごく短い期間の派遣であるといわれています。その内容から派遣の中でも、不安定な雇用の最たるものと考えられます。

労働形態の多様化に対応するためと、派遣労働は原則自由化されましたが、経営者側にとってこれほど都合よく有り難い制度はないでしょう。ピンハネまがいの人材会社も急成長しているということは派遣労働者の犠牲の上に商売が成り立っているということでしょう。

ここで働く労働者は賃金も低く抑えられ、いくら働いても生活のめどがたたない、いわゆるワーキングプアの典型といえるのかもしれません。格差社会の原点がここにあるのです。

人材会社は、ごく短期間の勤務のため労災保険も未加入でしょう。事故や災害では面倒見てもらえないことも予見されます。なにしろ派遣先は責任とりませんから。

国民健康保険や国民年金の保険料支払いにも困り親御さんが代わりに払っているケースも相当数に上っている気もします。確実に親御さんの生活に影響すること必至です。

度が過ぎた規制緩和のせいで、労働者派遣法といっても経営側の「思う壺」でできたと言ってよく、雇用の「調整弁」として存分に利用されている反面、労働側には不利益ばかりでそのいい例が景気が回復しても賃金は一向に改善されるどころか、逆に低下していることでも分かります。

経営側が血眼になって、正社員を減らし、その補充は派遣社員を堂々と採用し人件費をいとも簡単に下げているのがやたらと横行しています。

さて、このような日雇い派遣から彼等を一刻も早く救う手立てを構じなければなりません。それにはこの悪法をいますぐ廃止にしなければなりません。遅くなればなるほど、未来ある若者や国民の大部分が本当の下流社会に転落する可能性があるからです。

大企業だけ栄えて国民に不幸を押し付ける政治のあり方にも注目しましょう。政府・官僚・国会議員は血税をムダ使い、自己保身に懸命ですが、日雇い派遣を体験したらいかがでしょうか。いかに経済界に都合のよい法律ずくりに寄与したか理解できるはずですから。