Creator's Blog,record of the Designer's thinking

フィールドワークの映像、ドローイングとマーケティング手法を用いた小説、エッセイで、撮り、描き、書いてます。

エッセイ635. ニューアーバニズムの住まいづくり

2023年09月27日 | field work

ニューアーバニズムの初期の例:Seaside,Florida.


大規模な住宅開発:Kentland,Maryland.

 1990年代アメリカで台頭してきたのが、持続可能な社会を目指したニューアーバニズムの考えによる住宅開発である。
 それまでの大きなアメリカンスタイルの住宅を見直し、小さいけれどコミュニティが共同で豊かな環境を形成してゆこうするものである。そのスタートはランドスケープデザインであり、住まいから見える風景をどのようにデザインするかという手書きのスケッチから始まる。そしてスケールダウンされ住宅個々のデザインガイドラインに及び環境と整合した住宅環境開発なされてきた。
 その底流には、風景をつくるという発想がある。だから巨大スーパーマーケットや、工場や、鉄道操車場の跡地が住まいに変容したりといった具合に環境自体を作り変えるので、どこでも住まいとして最適で最良の環境を形成することができる。
 ニューアーバニズムの方法の一部は日本でも導入されたが、その後の展開は見られない。風景をつくり良好な環境形成を果たしながら持続可能な社会を形成してゆこうとする考え方が、不動産ビジネスにおいて、さらには市民ニーズにおいて、受け入れられていないのである。
 したがって個々の住宅性能は向上しても戸建て住宅止まりとなり、街全体で良好な風景をつくろうとする実現例は、わが国では存在しない。精々1つの敷地止まりの発想なのである。
 つまり建築群として環境形成をはたそうとするアメリカの考え方からは30年以上遅れている事になる。日本でいわれる持続可能な社会形成も、政治家やメディアの達のかけ声だけである。
 そもそもランドスケープデザインという考え方が、広く浸透していない。ランドスケープちゅうと庭師の仕事かぁー。うちは庭がないからええか、という程度の認識では、アカンでしょう。
 ニューアーバニズム方法論の特徴は、最初に風景をドローイングでデザインしてゆくところから始まって全体の環境をつくり、それから住宅の建築デザインのガイドラインを作成し、個々の住宅の建設を進めてゆく。こうした一連のデザイン作業が2週間で完了できる方法や組織が既に開発されているのがアメリカの住宅開発の姿である。
Peter katz:The New Urbanism-Toward an Architecture od Community,McGraw-Hill,Inc,1994.

追記
 100回を超えた。つまりこのブログの予約投稿の数だ。ということはつまり今年執筆するスペースはすべて埋まってしまったということになる。だから今は来年のスペースに書いている。
 そうなると季節が大いにズレるのがFieldworkの映像だ。なにしろ冬に夏の映像がアップされるのだから。リアルタイムでの視聴はYouTubeでみられる。映像の勉強も少し進んできた。こんどは多様な編集ができるソフトに変えてみよう。もし私のチャンネルを訪れたらチャンネル登録をお願いします。登録者1,000人越えが目標です。URLは以下。
https://www.youtube.com/@team_mikami/videos
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