Creator's Blog,record of the Designer's thinking

フィールドワークの映像、ドローイングとマーケティング手法を用いた小説、エッセイで、撮り、描き、書いてます。

ドローイング780. 小説:小樽の翠688. 中古と嘘の新婚さん

2023年09月01日 | field work

 今日はマサヒロ君の家のアトリエでクロッキー教室があった。モデルはジェシーだ。だから芸術の秋にかこつけて教室は盛況だ。
・・・
帰りにジェシーを駅まで送るのが最近の日課だ。
駅前のスーパーで格安のステーキをゲットするのが目的なんだけど・・・。
ジェシー「アチキー・・・、俺はびっくりこいたぜ!」
いろんな日本語を覚えでいるので言葉はバラバラだ。
「この平和な街にびっくりこくようなことがあるんかい?」
ジェシー「大学の同級生の女達の会話だよ。あのなぁー・・『ジェシーは何人体験があるの?』と聞かれたわけよ。だから今の旦那が初めての男だよんって答えたら『えーーーっ、嘘ーー』だって。あれわかんねえなあー。」
「日本って初体験の年齢が早いんだろう。平均18歳ぐらいかなぁー」
ジェシー「アチキー・・、そうじゃないんだよ。結婚の約束しないでセックスする女が多いんだよ。その体験数が自慢話なんだよ。それでいつ初めての男とセックスしたのかって彼女達に尋ねたら、興味があったから高校のときに一回きり!。そのあとは会った事もないって。今は違う彼氏と付き合っているだってさ。それって自慢出来ることかぁー!?」
「日本の高校生の女の子は好奇心オンリーよ!。好奇心と成行で『じゃ、面白そうだから、一発やってみるか・・・』なんだよ。
ジェシー「何 !、な・り・ゆ・き・・・・、」
「そう、成行と好奇心だけ・・。あるいは恋愛ごっこの予行演習とかさ・・・。セックスって日本じゃそんなもんだよ!」
ジェシー「何!、恋愛ごっこだって!!。お前達の国は、どういう教育をしてんだーーー」
「そもそも、日本に愛するという概念がない。海外のテレビドラマをみて、面白そうだからという理由でするから疑似恋愛というか、恋愛のまねごとだね・・・」
ジェシー「愛もなくてセックスするのかよ?」
「はい!、そうです。大方は愛もなくセックスして、このへんで身をかためるかと主に生活上の理由で、初体験とは違う男と結婚する。それまでにどんな女でも、少なくとも2〜3人ぐらいの男とはセックスの経験済みだよ。友達、会社の同僚、上司の不倫相手とかさ・・・、セックスの経験をつんでから結婚するのが普通!。だって神道は、産めよ、増やせよとはいったけど、愛せよ、とはいわなかった。そこがカソリックの国との違いかな。だから大方の日本のカップルは疑似恋愛の仮面夫婦よ。お互いにないものを貸し与えて、子供をつくるわけね。」
ジェシー「アメリカじゃ恋愛は結婚の約束だぜ。約束されてから、はじめてセックスするんだぜ。それで夫婦だ。もちろん一生愛し続けるわけね。まあ娼婦みたいなのはニューヨークとかハリウッドぐらいにはいるかもしれないけど・・・。だが大方のアメリカ人はピュアだぜ。だからベイビーもたくさんできる。日本はたくさんできない。」
「そんなカップルが日本にいたら回りに自慢出来るよなぁー。大方は何番目かの男を旦那にして・・・。つまり使用経験があるから中古の嫁かぁー・・・。だっていろんな男とセックスして、そして中古なのに初めてですと嘘こいて結婚するわけね。それ、フツー・・・・。」
ジェシー「おおっ、中古に嘘・・・、神を冒涜する国だーー」
・・・
ジェシー「アチキー・・大変!、大変!!。ステーキが売り切れている!!!」
「カルビが残っている。これも牛だ。焼き肉用のソースをつけてコチジャンの葉にくるんで食べる。」
ジェシー「コリアン風かぁー。」
そう言ってジェシーは、「日本人は中古の新婚さんかぁー・・・」とつぶやいていた。少し失望させたか・・・。
ジェシーは小樽駅の改札口をくぐり、後ろ姿を見送った。
コメント
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