京料理 道楽のブログ

道楽の新着情報や、日常のちょっとした一言を書き込んでいきます。

《料理教室》

2013-04-08 | Weblog
〇蛍烏賊・菜種・新若布の酢味噌

●蛍烏賊のそうじ、味噌の炊き方、和芥子のアク抜き など

〇ごんぼのスープ

●牛蒡・玉葱・ジャガイモの調理、出汁・豆乳・白味噌・あたり胡麻の合わせ方 など

〇鮎並 木の芽焼き 万願寺唐辛子 舞茸

●鮎並の骨切り、骨の抜き方、浸け汁、掛け醤油 焼き方 など

〇鶉 粟麩 菊菜 の炊き合わせ

●鶉の捌き方、粟麩の揚げ方 煮方 など

〇桜鯛茶漬け 香の物

●桜鯛の切り方、浸け胡麻タレの作り方、煎茶の入れ方

〇パンナコッタ・アル・カフェとエスプレッソコーヒー

●ゼラチン・バニラスティックの説明、生クリーム・カルア・エスプレッソの炊き方、エスプレッソゼリーの作り方 など

皆様、とてもお喜び賜り、心より幸いに存じております。

《牛肉》

2013-04-05 | Weblog
本日の「うちでの料理」は‘ローストビーフ’です。

さて、日本人は牛肉をいつ頃から食べるようになったのでしょうか。

江戸時代初期の「料理物語(1643年) 獣の部」では、鹿 狸 猪 兎 川うそ 熊 犬が挙げられてます。「料理集(1733年)」では、猪 牛 兎 おっとせい 鹿の記載があり、「牛の本汁」という牛と牛蒡の味噌汁が登場しますが、牛を食べた者は百五十日の穢(けがれ)となる意のことわり書きが添えてあります。

「黒白精味集(こくびゃくせいみしゅう)(1746年)下巻 肉食の類」には、鹿 猪 かもしか 狸 狐 豚 兎 狼 赤犬 牛 鼠…などの記述がありますが、当時の獣の下拵えは内蔵には手をつけず肉をそぎ取り冷水に晒し、何遍も水を替え血を抜き、酒をかけて獣臭を抜いていたようでして、まだまだ食の穢れや獣臭に対しての抵抗感が大きかったことが窺えます。

彦根藩主が代々将軍家へ牛肉の味噌漬けを献上していたことは周知のことですが、幕末には桑名(三重県北東部)あたりで、庶民の間でも牛肉を好んで食べていた記述があり、この頃には牛肉の美味が知れ渡っていたと考えられます。

時代の流れとともに、日本にもさまざまな異国の食文化が取り入れられ、日本的に改良され、根付いていくと同時に、日本人の嗜好も変化してまいります。伝統を守りつつも、時代に即応した料理を作ることが、料理家のつとめやと存じております。

「花」

2013-04-03 | Weblog
川端正面辺りの鴨川沿いの桜は、若葉が芽吹いてきました。

遠目に観ると、芽ばり柳の若葉の浅緑、雪柳の白、色鮮やかな山吹が、桜色と見事に調和し、春色の綾衣のよう。
春光の日差しは、眠りから目覚めた草木花の幽かな匂いを薫じます。

桜が醸し出す春の陽気には、同時にその儚さや悲しさも漂います。
「春高楼の花の宴 めぐる盃影さして 千代の松が枝わけいでし 昔の光いまいづこ」
土井晩翠の荒城の月には、溢れるほどに春の悲哀が。

「み吉野の高嶺の桜散りにけり 嵐も白き春のあけぼの」 古今和歌集の御鳥羽院の歌ですが、山桜の盛んに散りゆく花吹雪が、まざまざと見事に表現されています。

茶席には用いませんが、桜は古より日本人の心、爛漫の花に古人の春を偲びます。