本日の「うちでの料理」は‘ローストビーフ’です。
さて、日本人は牛肉をいつ頃から食べるようになったのでしょうか。
江戸時代初期の「料理物語(1643年) 獣の部」では、鹿 狸 猪 兎 川うそ 熊 犬が挙げられてます。「料理集(1733年)」では、猪 牛 兎 おっとせい 鹿の記載があり、「牛の本汁」という牛と牛蒡の味噌汁が登場しますが、牛を食べた者は百五十日の穢(けがれ)となる意のことわり書きが添えてあります。
「黒白精味集(こくびゃくせいみしゅう)(1746年)下巻 肉食の類」には、鹿 猪 かもしか 狸 狐 豚 兎 狼 赤犬 牛 鼠…などの記述がありますが、当時の獣の下拵えは内蔵には手をつけず肉をそぎ取り冷水に晒し、何遍も水を替え血を抜き、酒をかけて獣臭を抜いていたようでして、まだまだ食の穢れや獣臭に対しての抵抗感が大きかったことが窺えます。
彦根藩主が代々将軍家へ牛肉の味噌漬けを献上していたことは周知のことですが、幕末には桑名(三重県北東部)あたりで、庶民の間でも牛肉を好んで食べていた記述があり、この頃には牛肉の美味が知れ渡っていたと考えられます。
時代の流れとともに、日本にもさまざまな異国の食文化が取り入れられ、日本的に改良され、根付いていくと同時に、日本人の嗜好も変化してまいります。伝統を守りつつも、時代に即応した料理を作ることが、料理家のつとめやと存じております。
さて、日本人は牛肉をいつ頃から食べるようになったのでしょうか。
江戸時代初期の「料理物語(1643年) 獣の部」では、鹿 狸 猪 兎 川うそ 熊 犬が挙げられてます。「料理集(1733年)」では、猪 牛 兎 おっとせい 鹿の記載があり、「牛の本汁」という牛と牛蒡の味噌汁が登場しますが、牛を食べた者は百五十日の穢(けがれ)となる意のことわり書きが添えてあります。
「黒白精味集(こくびゃくせいみしゅう)(1746年)下巻 肉食の類」には、鹿 猪 かもしか 狸 狐 豚 兎 狼 赤犬 牛 鼠…などの記述がありますが、当時の獣の下拵えは内蔵には手をつけず肉をそぎ取り冷水に晒し、何遍も水を替え血を抜き、酒をかけて獣臭を抜いていたようでして、まだまだ食の穢れや獣臭に対しての抵抗感が大きかったことが窺えます。
彦根藩主が代々将軍家へ牛肉の味噌漬けを献上していたことは周知のことですが、幕末には桑名(三重県北東部)あたりで、庶民の間でも牛肉を好んで食べていた記述があり、この頃には牛肉の美味が知れ渡っていたと考えられます。
時代の流れとともに、日本にもさまざまな異国の食文化が取り入れられ、日本的に改良され、根付いていくと同時に、日本人の嗜好も変化してまいります。伝統を守りつつも、時代に即応した料理を作ることが、料理家のつとめやと存じております。