京料理 道楽のブログ

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《上巳の節供》

2014-03-04 | Weblog
節句というたら、今日日はほとんどの方が上巳の節句(桃の節句)か端午の節句を思い浮かべるでしょう。

節句は昔は「節供」と書いて、一月七日の「人日」、三月三日の「上巳」、五月五日の「端午」、七月七日の「七夕」、九月九日の「重用」の五節句があります。

昨日は上巳の節句で、古来中国では、川で身を清め穢れを祓う慣わしがあって、平安時代に日本で取り入れられ、宮中では曲水の宴を張り、祓えを行うようになりました。やがて曲水の宴はすたれ、紙の人形や人形(ひとがた)に穢れを移し、川や海に流し不浄を払う「上巳の祓え」として貴族に定着し、江戸時代以降「雛祭り」として民間で一気に広まりました。

雛祭りの膳に欠かせへんのが、桃の花を浸した桃酒と白酒。古代より中国では桃は邪気を祓う仙木とされ桃酒を桃の節句に飲んだら、百病を除くといわれ、日本でも魔除けとして桃の木を用いてきました。桃の葉を浴槽に入れた桃湯につかると、汗疹やただれなどの皮膚にええし、葉汁は食あたりにええとして用いられて来ました。

菱餅の紅白緑はそれぞれに薬効の意味があって、赤は山梔子(くちなし)で解毒、白は菱の実で血圧降下、緑は蓬で増血となってます。

雛の膳には、「蛤や蜆のおつゆ」「赤貝・鳥貝のてっぱい」「蜆の炊いたん」「ささがれえ」「菜の花のおしたし」「お赤飯」「ばらずし」「ひちぎり」なんかが食卓に並びます。

節供の「供」は、人々が共に、同じ食べ物・飲み物を同じ場所でいただくという意味が含まれてます。