UpRev チューナーズガイド vol,1

「せっかくUpRev Osirisチューナーを導入したのだから、触れる所は全て触りたい」
そう思っても、結局のところ安全な領域が何処から何処までなのか? どのように触ると効果が出やすいのか? そのあたりがイマイチわからないことにはOsirisチューナーの面白い部分を体験することができませんので、既にチューナーを導入していただいている方や、そうではなく今から購入を検討されている方へも、数回に分けて解説を行いたいと思います。

まずは、何を語るよりも先にソフトウェアの役割とその概要を把握しないことには先には進みませんから、まずはOsirisチューナーの考え方をお話します。


UpRev公式サイトよりソフトウェアをDLしたならば、まずはRom Editorへのアクセスが可能になりますので、クリックすると上記のウインドウが立ち上がります。

Edit Tune File=チューニングを行うベースファイル(基礎データー)の呼び出し
Flash Back to Stock=チューニング済みコンピューターから純正データーへの書き戻し
Copy ECU Data=現在のECUデーターのコピー
Tune Transfer=データーの移し替え 例えば、定期的にベースデーターのアップデートが行われます。その際に現状のデーターを移行する場合など。
Flash Tune File=チューニング済みデーターを車両へ送信
Logging and Tracing=データーロガー機能
Check Trouble Codes=自己診断点検及びエラークリア
Get Tune and Stock File=純正データーをUpRevサーバーより直接ダウンロード
※UpRevでは定期的にソフトウェアの更新を行っていますので、常に同じ画面になるとは限りません。

基本的には8つのメニューがありますが、主に使用するのは下線のある3項目のみです。



Edit Tune Fileをクリックするとベースファイルを開くことができ、上記のような画面になります。
サンプルで1ND3Bのマイコンを開いていますが、これはV36のスカイラインクーペになりますが、この画面では実際にコンピューターの調整を行うことが出来ます。
Fuel=燃料
Ignition Timing=点火
・Cam Phasing=可変バルブタイミング
Rev & Speed Limit=エンジン回転、スピードリミッター
Electronic Throttle=スロットル
・Idle Targets=アイドリング
・Utilities=データーコピー等
・ARC=UpRev ARCチューニング
Cooling=電動ファン
・Misfire=クランキング時の点火
・Setting=3D電子スロットルの解除
・VVEL=VVEL ※チューニングは推奨しにくいです。
・ARC Toggles=ARC機能のOn/Off
こちらも同様に下線のある項目を主に使用(チューニング)を行います。僕達のような職業チューナーでも全く同じ条件で調整を行いますので秘密のパフォーマンスマップのような存在は皆無で、それらをどのように組み立てるか?が大きなフィーリング/パフォーマンスの向上につながります。
但し車種により表示する項目がマチマチで、例えばZ33とZ34では当然ながらエンジンが異なりますのでVVELの項目があったり、なかったり。 また同じVQ37エンジンであったとしても、UpRevエンジニアが確実にマップを把握できていない限り項目をオープンにはしませんので、年式(搭載マイコン)により表示の表示。非表示は異なります。
しかしながら、基本的にチューニングを行いたい項目はオープンにされていることが大前提ですから、「チューニングマップを作ったのにスピードリミッターが解除できない」なんてことはありません。
また、このEdit Tune Fileではあくまでもチューニング(調整)を行うのが目的とされていますので、スピードリミッターやREVリミッターは数値=結果としてわかりやすいですが、燃料や点火は実際に値をインプットしたとしてもシステムのフィードバック/フィードフォワード等の自己学習や補正に左右されますので、それらの確認を行う必要があります。


その確認にはLogging and Tracingのロギングを使用します。
実際に確認を行いたい項目にレ点にてチェックを行います。
僕の場合Engine Speed(エンジン回転数)、A/F Ratio(空燃比)、Target A/F Ratio(目標空燃比)、Ignition timing(点火)、Throttle Position(スロットルポジション)
大きくはこのあたりの項目をのモニタリングを行い、アクセルパーシャル〜全開域の空燃比/点火時期の推移を確認しています。 
ここでの問題は「どの値(数字)が良いのか?」ではなく、自分が司令した値通りにシステムが動いているか?否か?になりますので、もし自分が設定した目標値から外れているようであれば、その修正を行う必要があります。


そこで役に立つのがLogging and Tracingのトレイシング。
実際の走行状況にて、実際に読み込んでいるマップ位置が+として表示されていますので、例えばMAP1フューエルターゲット上にて エンジン回転6500rpm/BFS(ベースフューエルスケジュール)が9である場合、A/F13.27を目標としているにも関わらず、データーロガーのA/F Ratioでは12.5になっている場合 目標値としては13.27ですが、実数は12.5ということになります。
その場合には、明らかに燃料が濃いという判断ができますので、Fuel Compensation(燃料補正)にて3~5%程度の燃料カット→実走確認→更に修正 or 完成。 このようにしてMAPを作ってゆきます。


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