第3232回でお墓はいらないという耳寄りな話を書きましたが、後10年でこの世とおさらばする予定の負け組みの私としては、もう一つ気になるのが葬式です。自分が死んだ後の葬式で残った人達に負担をかけるのも申し訳ないし何か良い方法はないものだろうかと日頃から気になっていました。
ところが第3572回で取り上げた25日、読売新聞読書センターの「素晴らしいエンディング」の記事の他に「直葬(ちょくそう)」という話題がありました。どうも葬式をしないですむようです。早速サーチしてみました。
・・・略
「直葬」というのは、「お葬式をしないで、火葬だけする葬法」とでも言ったらいいのでしょう。「お葬式」という言葉でイメージされる通夜や葬儀・告別式といったイベント的儀礼を取り払った、ごく単純な葬法です。・・・中略
「直葬」というのは新しい葬法ではありません。昔からあったものです。それは身寄りのない人の葬儀、生活困窮者の葬儀、孤独死の葬儀です。でもいま急速に拡大しているのは新しい葬法の一つと認識され、消費者に選択されるようになったことです。
いま直葬が増えている理由は、次の3点が考えられます。
(1) 生活格差が拡大してきたことにより葬儀費用を支払えない人が多くなった。
(2) 超高齢者の死が増えてきて、家族が、高齢者が死ぬことにより、面倒が済んだという意識をもつ人が増えた。そこで死者に愛着がなく単に死体処理としての葬儀を行う人が増えてきている。
(3) 通夜・葬儀という儀礼に意味を覚えない人が増えて、専ら近親者が死者の側にいてお別れをすることを選択する人が増えている。
(1)は「格差社会」ということで話題になっているように、かつての総中産階級が壊れ、生活困窮者が増えており、それが高齢者世帯にも広がっていることによります。また、高齢者夫婦世帯の場合、遺される人の残された人生にどれだけ費用がかかるか見通せないことから、葬儀費用をかけられない人が確実に増えていることからきています。・・・以下略
ちょっと悲しいところもありますが、世の中が負け組みを当たり前とする風潮があるからには負け組みとしても何とか自分で自分の身を守る必要があるというものです。その選択肢の一つとしての直葬も仕方ないのじゃないでしょうか。
身につまされます!