DAISPO WORLD BOXING EXPRESS

今年もやってるやってる~

クリチコ、ポベトキンをも飲み込む

2013年10月09日 00時25分53秒 | 世界ボクシング
先週末5日、ロシアで行われた試合結果です。
3団体統一ヘビー級戦:
IBF/WBO/WBAスーパー王者ウラジミール クリチコ(ウクライナ)判定3対0(119-104x3)WBAレギュラー王者アレクサンデル ポベトキン(露)

*結果的にはウラジミールの大勝。しかし内容的には不満が大いに残るヘビー級最強決定戦。

試合は終始、ウラジが左ジャブ/左フック、そしてロシア人の上から圧し掛かるクリンチワークでリードを保っていきます。そして時々左手でポベトキンを押さえ、右手でアッパーを加えていくというのも。この戦法はかつて、レノックス ルイス(英)が頻繁に使用していました。そういえばルイス引退後、名伯楽エマニュエル スチュワート(米)の指導を受けていたのがこのクリチコです。

2回、ストレートのような左ショートを当てポベトキンからダウンを奪ったスーパー王者。このダウンはロシア人にとりアマ・プロを通じて初めて喫するもの。7回には3度ダウンを追加されることになります。そのすべてのダウン、確かにウクライナ人のパンチは当たっていたのですが、それに加えレスリング行為も交わっていました。

とにかくクリンチの多かったこの一戦。レフェリーは早い段階でクリチコに注意を与えるべきだったでしょう。しかしロングの左とクリンチに加え、ウラジにはフットワークもあります。そのため試合結果が逆転したとは思えませんが。そういえばウラジがKOを狙う時に常に多用する右パンチ。この試合ではほとんど見られませんでした。要するにクリチコ弟は初めから勝ちに徹していたと見るべきでしょう。また12回を通じてボディーへのパンチは一発も放っていないと思います。


ウラジの左

また両選手の対格差に開きがありすぎました。片手で対戦者を投げ飛ばすヘビー級もそうはいないでしょう。

ファンにフラストレーションを与える試合内容も、対抗王者を寄せつけずにWBA王座の統一に成功したクリチコ。IBF王座の15連続防衛(いくつかの情報源で示されている16ではないと思います)に成功。WBO王座も11度、そしてWBA王座では5度目の防衛に成功しています。



一つに王座が統合されたWBAヘビー級ですが、すぐにでも「レギュラー王座」の決定戦が行われるのでしょうか?現在のWBA1位はデビット ヘイ(英)、2位はルイス オルティス(キューバ)。そしてIBFの1位はクプラト プーレフ(ブルガリア)でWBOの最上位ランカーはデニス ボイトソウ(露)になります。この顔ぶれを見ると今しばらく、ウラジ王朝が続きそうですね。


試合前後、両選手とも互いに対戦者を称え合っていました。
コメント
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