キュヴェ タカ/cuvee taka 「酔哲湘南日記」

新鮮な山海の恵みを肴に酒を吞み、読書、映画・音楽鑑賞、散歩と湘南スローライフを愉しんでいる。 

湘南は小春日和が続く

2017年11月06日 | Weblog
晩酌をやりながら日本シリーズを観た。
湯豆腐、イサキの塩焼、大根と油揚げ炒め煮を肴にして「箱根山」純米、「上善如水」純米吟醸を冷やで呑んだ。
8時半に母の着替えを手伝って寝かせるので中断したが、9時から再び観た。
10時に試合終了かと思ったら、横浜の抑えがホームランを打たれ延長戦になった。
お陰で楽しみにしていた玉三郎とユーミンの対談を途切れ途切れに観ることになった。
大スターはスポットライトが当たり華々しいが、一方孤独も深くなるから心の安定が難しい、藝を習得したり、曲を完成したときの嬉しさや満足感があるからこそ耐えられたようだ。
野球はサヨナラで横浜が負けた。

2階のベッドに入り「ロック史」を読了する。
やっぱりこの30年のことはグループ名や人名、ヒット曲も知らないのでちんぷんかんで良く分からなかったが、大きな流れだけは分かった。
音楽評論家になるわけじゃないからこれ以上深入りはしないが、生きてきた時代がどんな時代であったのかをロックから眺められたのは愉しかったし懐かしかった。
隠居してから毎日映画を観ているが、これも生きてきた時代に作られた映画を観て、仕事にかまけて見聞できなかったことを今になって取り戻そうしているのだが、続いているところを見るとやっぱり愉しくて面白いんだろうね。

近所に住んでいた十数年親しんだ友人が引越をして遠くへ去って行く、年を取ると新たな友人ができる可能性が少なくなるが、仮に出来ても長い時間親しむだけの未来がない。
今後2度と会えなくなるわけじゃないが、身近に居て共有する時間が少なくなれば、会ったとしても過去の話をするだけになってしまう。
常日頃大したことを一緒にやっているわけじゃないが、同じ時間と空間を共有してたことは何物にも代えがたい大切なことだったとつくづく思う。
もう出来ることはたいしてないが、今までの友好に対して餞に何を贈ろうかなと考えているが、名案がなかなか浮かんで来ない。

今朝は6時半に目が覚めてトイレに行ったら、鮮やかに稔る柿の木の天辺で百舌鳥が1羽盛んに囀ずっていた。
渋柿とはいえ多分もう甘くなっていると思われる柿を啄めばいいものを何故一生懸命に啼いているのだろう。
仲間に餌の在処を知らせてでもいるのだろうか。

大崎紀夫「麦わら帽子の釣り本散歩」を時々開いて読んでいるが、中々の名文で古今の釣り本を紹介してくれるので面白い。
佐藤垢石という畸人がいて、釣りは己を自然に溶融することで、それ以外でたらめな人生を送ったが、井伏鱒二の釣りの師であった。
私の釣りは釣果はともかく自然に溶け込むことは大得意で、竿を置いて海に入っていることがあるくらいだから、その伝であれば釣りの本道を歩んでいることになるね。
大崎紀夫という人を調べてみた、今はネットである程度名が知れている人は概要が分かるので便利だが、その分神秘性は薄れる。
1940年生まれで東大仏文科を出て朝日新聞に入り、俳句の部門の仕事をしている。
どうりで言葉が選ばれているのだ、俳句という短い詩の中に大きな宇宙を文字によって固定する作業には言葉に対する鋭敏な感覚と美意識が必要だからね、自ずと言葉に対する意識が高くなる。
そういった人の釣りに関する文章を読めるっていうのは幸せだ。

7時半に起き、雨戸を開けて風呂に入り、朝飯を食べる。
珍しく妻が起きていて、お得意の卵焼きを作っていたので、鯵のつみれをグリルにいれて、ウインナーソーセージをお湯にいれ、とろろ昆布汁を作る。

10時まで少し調べものをして下の息子と北へ向けて散歩に出る。
家を出た原田道で近所の方に会い、大磯の街道祭りへ行くとのこと、毎年秋が深まった頃に旧東海道で行われる祭りで、大磯の知人に誘われて2度ほど出掛けたことがある。

葛川で一瞬だが、多分川蝉を観る。
WAKWAKにはあまり野菜がなく、さつま揚げとはんぺん、団子を買う。

西友に寄り、息子が妻に「箱根山」純米の一升瓶を買うというので、私は拉麺スナックとポテトスナックを買った。
3階に上がり靴下を3足購入する。
何故か洗濯に出すと戻って来ないので、靴下は頻繁に買っているが、1足300円という安さもいけないよね、3,000円だったらなくならないだろう。

昼はナポリタンであったが、妻が唐辛子を入れたので辛くていけなかった。
バタートーストに牛乳、紅茶を飲む。

母と「なんでも鑑定団」を観るが、アシスタントの女の子に親切な人柄の子がいて、こういう女がいいんだなあと、年を取ってようやく女を観る目が出てきたことを思うが遅すぎる。

2階で「詩人のふるさと紀行」堀口大学を読むが、訳詩集の「月下の一群」が気持ち良く一気に半分まで読めたほど相性がいい作家で、ふつう詩は連続して読めないし、まして訳詩は尚更なんだが、葉山の森戸海岸に30年住んで、南に開けた相模湾を眺めて暮らし、もしかするとそれが心証風景になっているところに共感するのかなあと感じた。

昼飯の後、MXテレビで伊藤貫が発言しているのを聞き、久し振りにYouTubeで伊藤貫と西部邁の最近の発言を纏めて聞く。
伊藤貫は、アメリカは一貫して日本を統治して独立させない方針であり、核武装を容認しないこと、そこへトランプみたいのが出てきて核武装させろとなったから、共和党内の既存利権組織、いわゆるエスタブリッシュメントが追い落としに躍起になっているが、共和党支持層の8割がトランプ支持で捻れがでている。
中国の経済規模は既に米を越えており、数十年後には米の数倍になるので、米に敵対する考えはなく、中国の海洋進出に対しても表向きは警戒しているが、実際は容認している。
日本が尖閣で問題を起こしてもらっちゃ困るわけだ。
一帯一路はドイツ(EU)との経済連携でユーラシア大陸を東西に貫く巨大経済圏になる。
大体このような発言をしていた。

私が西友で買った靴下の生産国をチェックしなかったが、要は一帯のどこか一番安い生産コストで作られた靴下を一路を使って消費地へ運ぶわけだね、交通は上り下りになる。
ポツンと離れた日本は必ず海上輸送になり、数年前からコンテナ船の欧州からの直行便が無くなり、シンガポール、香港、上海、釜山での積み替えになっている。
地政学的に国防には有利だったが経済的には不利になる可能性が高いでしょうね。

西部邁は独立国家への道を進むべきで、やり方は乱暴だが北鮮のほうが国家として自立の道をとっている点では日本よりましだと極端な発言を先日プレミアムニュースでしていたが、一貫してその事を言っている。
日本のシステムが世界最高と畏れられ、それがワールドスタンダードになったら堪らないぜと西欧の反撃に会い、この20数年間、構造改革から始まり、郵政民営化、ゲローバリズムなど馬鹿げた施策を強いたが、何一つ上手くいかなかった。
こういうのをブルシットと言うんだと何時もの調子で話してたが、私は喝采をするが一般の人に何処まで真意が通じるのかな。
西欧文明の圧倒的な生産力と軍事力、それを支えた政治システムにより、明治維新開国を余儀なくされ、西欧に追い付け追い越せで日露戦争にも勝って(実際は和解したようなものだが)勢力を伸ばし、調子に乗りすぎて植民地利権でぶつかり戦争となり敗戦、2度と立ち上がれないように米が属国化したが、国防費を無くしたことが仇になり、西欧のシステムとは異なる独自のシステムで経済大国となってしまった。
戦争というわけにはいかないから、強引に西欧システムを押し付け、構造改革をしろとかダンピングをやめろとか難癖をつけ、金融操作で富を吸い取り弱体化させたが、米の国力も相対的に弱まり、超大国中国が現れ近い将来覇権国となるのは間違いなく、民主主義と資本主義が金科玉条では無くなり、同時にイスラムから反感をかってしまったが、敗戦で金玉を抜かれた日本と違い泣き寝入りすることはないから、儲けた通信情報システムを逆手に取られて各地で神風攻撃を受けて手古摺っている。
この先20年くらいまでは何となく世の中の予想がつくが、そしてその頃私は死んでしまうだろうからその先のことはどうでもいいが、100年先に日本がどうなっているかを考えることが出来る政治家や学者がいなきゃあいけない。






コメント    この記事についてブログを書く
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする
« 満月の夜と小春日和 | トップ | BOクルージング »

コメントを投稿

ブログ作成者から承認されるまでコメントは反映されません。

Weblog」カテゴリの最新記事