新刊が出ると必ず購入する作家の一人に川本三郎さんがいらっしゃいますが、最近「東京暮らし」が出ましたので、リアクションバイトいたしました。永井荷風の研究家、映画評論家、街歩きの達人として高名ですが、私は特に街歩きのエッセイに惹かれております。今回の「東京暮らし」には猫に関するエッセイが多く含まれておりましたが、先日読売新聞紙上で嵐山光三郎さんが猫本のベストに村松友視さんの「アブサン物語」を挙げられておりましたが、川本さんの猫の部分だけを纏めれば猫本の双璧に位置するのではないかと感じました。私は赤ん坊の頃に顔を引っかかれた事がトラウマになっているのか、個人的に猫が嫌いなので猫好きの人のような熱烈な心頭は出来ませんが、それでも面白く読みました。
このエッセイの最後に“女性の一人酒”という題の小文があり、銀座の蕎麦屋でコップ酒を片手にシステム手帳を開いているスーツ姿のキャリアウーマン風女性を、頼もしいと賛美しておられます。酒を飲む女性に対する偏見が多く、かつては蕎麦屋や焼き鳥屋で女性が一人で清酒を飲むことに対する抵抗があったと思います。5年前にベストセラーになった川上弘美さんの「センセイの鞄」は、居酒屋で一人酒を楽しみにしている女性の支持を受けてヒットしたと書かれておりますが、私の感覚ではこの小説の主人公ツキコさんが、鮪納豆やらっきょうを肴に燗酒を飲んだお陰で、女性が一人居酒屋に入る環境が整ったと考えておりました。杉浦日向子さんの「ソバ屋で憩う」なども大いに女性を勇気づけたのではないかと思っております。
その因果関係はどうであろうと、蕎麦屋にしろ焼き鳥屋にしろ居酒屋にしろ、夏は白一色、冬は黒一色の店内に色彩が加わった今日この頃をとても好ましく感じています。
このエッセイの最後に“女性の一人酒”という題の小文があり、銀座の蕎麦屋でコップ酒を片手にシステム手帳を開いているスーツ姿のキャリアウーマン風女性を、頼もしいと賛美しておられます。酒を飲む女性に対する偏見が多く、かつては蕎麦屋や焼き鳥屋で女性が一人で清酒を飲むことに対する抵抗があったと思います。5年前にベストセラーになった川上弘美さんの「センセイの鞄」は、居酒屋で一人酒を楽しみにしている女性の支持を受けてヒットしたと書かれておりますが、私の感覚ではこの小説の主人公ツキコさんが、鮪納豆やらっきょうを肴に燗酒を飲んだお陰で、女性が一人居酒屋に入る環境が整ったと考えておりました。杉浦日向子さんの「ソバ屋で憩う」なども大いに女性を勇気づけたのではないかと思っております。
その因果関係はどうであろうと、蕎麦屋にしろ焼き鳥屋にしろ居酒屋にしろ、夏は白一色、冬は黒一色の店内に色彩が加わった今日この頃をとても好ましく感じています。