キュヴェ タカ/cuvee taka 「酔哲湘南日記」

新鮮な山海の恵みを肴に酒を吞み、読書、映画・音楽鑑賞、散歩と湘南スローライフを愉しんでいる。 

鰻とフランス人

2008年02月26日 | Weblog
先週金曜日夕刻ジャン・フィリップが来社する前、僚友のオリビエ・トリコンがオフィスに来ました。だいたい彼とは一緒に寿司を喰って、ああだこうだと寿司について話をする事が事が多いのですが、今回は趣向を変えて鰻を食しました。午後一時を過ぎて出かけたのですが相変わらず「わかな」は大入り満員で、サラリーマンが昼食をとっている風情ではなく、横浜にも中金持ちが多い事が分かります。それでも運良く席があり、待たずに座る事が出来ました。鰻丼と肝吸いをオーダーしてから待つのは鰻屋の宿命、裁いて素焼きして蒸して付け焼きするまでに最低でも小一時間は掛かります。ここは流行っているので、オーダー前にフライングで仕事を進めているので三十分位の辛抱で済みます。待っている間に、鯉の洗いなんぞ肴に一杯も中々良いものですが、この日はお茶を飲みながらお話をして待つことにいたしました。

日本人が鰻好きなためボルドーの人達にも迷惑をかけているのは申し訳ないと思っておりますが、稚魚を大きくしてから食べているのがせめてもの慰め、フランス人が来るとなるべく鰻を奢るようにしているのも、心のどこかにある罪悪感が動機になっているのかもしれません。ともあれ世界中から稚魚を集めまくっている事に対する批判は、甘んじて受けなければいけません。鯨、鮪、海老、鰻など日本人が特異的に好むものが世界の食の流れに大きく影響をいたしております。しかし、これと同じ事が近い将来中国で起こるのは先ず確実で、鮪に既にその兆候が現われております。

運ばれてきた鰻丼は、脂が強く味が濃いためフランス人には好まれます。肝吸いの鰹出汁も旨味が濃縮されていてとても好まれます。オリビエも美味そうに喰っておりました。鰻丼にわざわざワインを合わせる必要も無いのですが、肝焼き、蒲焼には酸があるワインが捨て難く酒より合うと思います。その場合ブルゴーニュのような洗練されたものをあわせるより、甘味があり濃厚な南仏のカブザックのようなワインが合うのではないかと推測しております。いえ、これは罪滅ぼしでフランスワインを鰻に合わせようってんではありませんので、ええ。
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