キュヴェ タカ/cuvee taka 「酔哲湘南日記」

新鮮な山海の恵みを肴に酒を吞み、読書、映画・音楽鑑賞、散歩と湘南スローライフを愉しんでいる。 

青春映画

2018年04月21日 | Weblog
3時半に頭にすごく寝汗をかいて目が覚めた。
何か夢でもみていたような気がするが思い出さない。
昨日の伊豆の踊り子の湯ヶ島の印象が強く、高橋英樹と旅館で酒でも呑んでいたような気がするが、川端康成が酒を呑まなかったせいで、小説の中の学生も酒を呑まない。
それでは湯ヶ島に来ていた道路工事の人足や親方と酌婦を相手に呑んでいたのだろうか。
映画の中では、旅館の女中が風呂に入っていて、後から酌婦が入ってきたら汚いから入るなと騒ぎになったが、程度の差こそあれ女中にしろ酌婦にしろお客を取っていて、なかなか色っぽい。
映画で観た湯ヶ島の夜の雰囲気は今ではあり得ないが、男の欲望を引き受ける場所は廃れることはなく戦後銀座で再現され、福富太郎が廉価版のキャバレーを全国に広めた。
今ではそういった場所は何処になったのだろう。
小説にしろ映画にしろ「伊豆の踊子」は心に深く刻まれていると見えて夢にまで出て来るんだなあ。
数か月前に松田聖子主演の「野菊の墓」を観た時に、僕にとっての青春小説と映画は、「伊豆の踊子」「潮騒」「野菊の墓」ということを書いたが、実際にどのくらい映画化されているのかを調べてみた。

潮騒
1954年  谷口千吉監督、久保明・青山京子主演。
1964年 森永健次郎監督、浜田光夫・吉永小百合主演。
1971年 森谷司郎監督、朝比奈逸人・小野里みどり主演。
1975年 西河克己監督、三浦友和・山口百恵主演。
1985年 小谷承靖監督、鶴見辰吾・堀ちえみ主演。

野菊の墓
1955年 「野菊の如き君なりき」木下惠介監督 田中晋二、有田紀子、杉村春子、田村高廣、笠智衆
1966年 「野菊のごとき君なりき」富本壮吉監督 太田博之、安田道代、宇野重吉、川津祐介
1981年 「野菊の墓」澤井信一郎監督 松田聖子、桑原正、島田正吾、加藤治子、樹木希林

「伊豆の踊子」1926年 6回、「潮騒」1954年 5回、「野菊の墓」1906年 3回なので、世間でも同じような感じに受け止められているのだろう。(西暦年は小説が発表された年)
これ以外にTVドラマで撮られているのでそれも考慮しなきゃいけないんだろうが、まあ社会学者じゃないからね。
この中で知っている女優は、青山京子、吉永小百合、山口百恵、堀ちえみ、安田道代、松田聖子だが、時代を象徴した新人女優が選ばれていて、この変遷を観ていると固定された原作の時代とは異なった時代に思い当たるから面白い。

天気も良く、自転車で大磯のリーさんのところまでカンパーニュを買いに行く。
小柄だが何時も元気なリーさんとひとしきり話をしたが、前の店にどこか入るみたいだ。
とにかくリーさんのパンの集客力が強烈なので、ちょっといいものを扱えば繁盛店になるはずで、いい店が4,5軒集まると相乗効果も生まれ、大磯駅前の路地裏に賑わいのある区画が生まれるだろう。
東海道線沿いにオジサンが野菜の店を出していたので、胡瓜とスナップ豌豆を買う。
ヤオマサに寄ったが、良い魚がなく何も買わずに帰って来た。

昼は娘がボンゴレを作ったが、台所へ降りるとカンパーニュがすでに喰われていた。
焼きたてで中がしんなりして外がパリッとした触感と香りがたまらなくいいから、ついむしり取って喰ってみたくなるのも仕方がない。
ボンゴレのソースにカンパーニュを浸すとこれが絶品で、ソースが無くなった後はブルーチーズとモッツァレラの熟成タイプ、生ハムでサンドイッチにして喰ったが、やっぱりすごく美味かった。

プレシネは「はなちゃんのみそ汁の」を観た。
広末涼子があまり綺麗じゃなくて、ちょっとがっかりしたが、やっぱり映画は女優を50%くらい観ているんだなあと思った。
ストーリーもありふれていて、お涙頂戴的で僕には面白く感じなかった。
この原作は、乳癌になって手術を受けたあと、女の子を生んで、死を覚悟した時から、娘の花に味噌汁などの生活との基本を教えていた千恵が、その模様をblog「早寝早起き玄米生活」ハンドルネーム六本木さくらを掲載していたのを死後の2012年書籍化したもので、2014年日テレで大倉忠義、尾野真千子、芦田愛菜でドラマ化していて、その時の千恵の主治医役は今は無き大杉漣だったらしい。
世間のことに疎く、全くこの映画のバックグラウンドを知らなかった。
TVドラマの後には、代替治療を美化したことで批判も出ていたらしい。
blogの題になっている「玄米生活」が代替治療を受けた人からの指示だったようだが、がんの治療に仮に効果が無くても生活を整える手立てになったとすれば素晴らしいんじゃないかな。
現代医学は一つの病理を治癒させることだけに熱中するから、総合的な人間の調和を失念しやすい、これは医学だけの問題ではなく社会科学全般に言えることで、西部邁が専門家のいう事は嘘ばっかりと言って嫌っているのも同じ現象だ。
TVドラマで千恵を演じた尾野真千子を観たかったな。

映画を見終わってから髪の毛を切り、風呂に入ってさっぱりした。
飲食、書籍に出費はしているが、隠居生活を自覚して髪は自分で切っているので最後に床屋に行ったのは昨年暮れだ。
弟は電気バリカンを買って自分でやり始めて5年以上になるが、それが一番簡単でスッキリするとは思うが、父の散髪のため割と高額下購入した鋏があるので、技を進化させたい。

5時に母を迎え2階に上がって横になったら思いの外よく眠り、7時前に晩飯で起こされた。

チンゲン菜と牛肉の焼そば、冷奴、葱ぬた、茹でスナップエンドウ、もろきゅう、ラム肉グリル、焼売で、加賀纒を冷で2杯呑んだ。
焼そばと胡瓜が特に美味かった。
妻が胡瓜を4本も切ったので、やりすぎじゃないかと息子と二人で批難したが、3人できっちり食い終えてしまった。
朝どりの胡瓜は瑞々しくて美味い。

母と一緒に野球を観る。
ジャイアンツペースの試合だったので、8時半、母は機嫌よく寝付いた。

9時から「新日本風土記」箱根を観たが、2014年の再放送で、その時に観ている。
大涌谷の地獄卵、かつての老舗奈良屋、湯本の女の子、大平台の昭和23年の温泉掘り、家族でやっている旅館など盛り沢山なのだが、湯本発07:46の登山電車で通う白百合の1年生に6年生が付いて下車駅まで勉強や遊びの面倒をみるのが今回も一番印象的だった。
4年前もこの事に感動してblogに書いたと思うが、じつにいいことだ。

10時から小学校で白菊会を開いて仲良し女四人の29歳の今を描くドラマを観た。
セックスありで付き合っていて、結婚するにはちょっと合わないんじゃないかと別れても、世間の非難を浴びないで済む世の中になっているんだなあと、羨ましく感じた。
僕の若かった頃は、結婚が視野に入っていないと、セックスをしながら付き合うのにちょっとした罪悪感があって、不自由さを感じたから、付き合う女性とセックスの対象の女性を分けた欺瞞があったね。
そういったバカバカしいことがないだけ今のほうがいい。
文明開化でキリスト教が入ったせいだともいわれているが、ようやく江戸時代に戻ったのかな、日本のほうが進んでいたのに西洋のものまねで後退してしまった部分だ。

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コメント
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