キュヴェ タカ/cuvee taka 「酔哲湘南日記」

新鮮な山海の恵みを肴に酒を吞み、読書、映画・音楽鑑賞、散歩と湘南スローライフを愉しんでいる。 

有機神話

2009年09月14日 | Weblog
今朝の湘南は肌寒く、秋が刻々と進んで、可也深いところまでやってきているように感じます。この週末は、栗、松茸をいただき、秋鯖、秋キスを釣りました。

先日、久し振りに「宇田がわ」へお昼に行きました。お客様と行く事が多いのですが、今回は女将のともちゃんに、佐和さん作成の“宇田がわオリジナルワイン”を見せながら、カウンターで親方の橋本さんも交えて、最近の食に関して話をしながら食事をいたしました。

私は数年前までは週に一度はいただいていた“きじ焼重”の後継メニューの“きじ焼丼”をいただきました。以前の“きじ焼重”は玉葱の薄切りの上にきじ焼きが乗って、そこに軽くタレがかかっており、別のお重に金糸玉子と刻み海苔と刻み紅生姜が乗った三色重の二つから構成されており、実に美味かったのです。その後店舗を改装した時に、丼に変わり、卵が乗ってきじ焼親子丼の様相を呈し、余り好まず避けておりました。今回メニューが変わり、価格が高くなったので期待して食べてみたわけです。古き時代を懐かしむわけではありませんが、“きじ焼重”が矢張り良かったですねえ。

佐和さんはレディースランチをたのみましたが、細作りの鯛のお造り、焼き魚は秋刀魚、黒むつ、松葉に刺した銀杏、甘く煮た栗、茸の白和え、烏賊の雲丹焼、鶏と蕪の煮物、玉子焼き、味噌汁、漬物といった内容で、揚げ物が無いのが良かったようです。矢張りレディースと謳うからには、カロリーが押さえられていないといけません。

デザートは梨の白ワイン煮にカスタードクリーム掛け、タピオカがあしらってありましたが、梨の風味にワインの風味がかぶさり、クリームの味わいがアクセントになっていて、複層的な味わいがあり、梨の煮た柔らかさとタピオカのある種の歯応えの対比が面白く、実に美味くて良かったですね。

さて、親方によれば、来週からは有機野菜を使ってレディースランチを作るそうです。都内ではいまや“有機で無ければレストランに非ず”の観を呈しておりますが、横浜にもその風が吹きはじめたのでしょうか。つい最近まで鎌倉に毎日通い、きっといい女が鎌倉にいると噂されるほど、鎌倉野菜に命を掛けていた親方、きっぱりと鎌倉の女(野菜)とお別れするのは辛いでしょうね。

料理の素材が有機となれば、ワインも酒も焼酎も有機で無ければ意味がありません。酒類業界にもこの流れ、大きなうねりとしてやってくるのは間違いないでしょうが、“有機でなければワインに非ず”そんな狭量な世の中にならないように願いたいものです。



コメント
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