キュヴェ タカ/cuvee taka 「酔哲湘南日記」

新鮮な山海の恵みを肴に酒を吞み、読書、映画・音楽鑑賞、散歩と湘南スローライフを愉しんでいる。 

湘南は雨

2007年03月25日 | Weblog
今日の湘南は朝から雨です。空気が生ぬるく、窓から庭を眺めても暖かい感じがする雨です。私の書斎は二回の南側にありいつも眺めている庭は前庭ですが、トイレが北側にあり裏庭が眺められます。毎日の所定の時間、そこから柿の木を眺めるのが楽しみです。起き抜けの霞んだ目で眺めるとなにやら枝の先にあるようで、再度目を凝らしてみると、私が昨年暮れに短く剪定した全ての枝から黄緑の小さな芽が一斉に出ています。枝が雨にぬれて焦げ茶になり、より一層黄緑の芽がはっきりと綺麗に眺められます。ここ数日の暖かさと、昨夜からの暖かな雨のせいで芽吹いたようです。トイレに行くたび窓から眺めるこの柿の生長は楽しみの一つですが、植物の一年のサイクルを毎日観察するとなると骨が折れますが、無為な時間を有意な時間に換えるとても良い機会になっています。これからは毎日目に見えて葉が成長し、花が咲き小さな実を結び、その実が大きく成長するのを眺め、日に日に色が変わり見事な橙に変わる頃には葉の色も変わり、季節も秋の盛りを迎えています。この柿の発芽を見ると今までに訪ねたフランス、スペイン、イタリア、ドイツなどの北半球の葡萄園でも発芽が始まるなあと思いが巡ります。

昨日は午後までお天気が持ち書を捨て街に出たのですが、晴遊雨読を実行し夜は柳澤健さんの「1976年のアントニオ猪木」を読みました。オランダでの取材で、ウイリアム・ルスカのアントンヘーシンクとの確執が詳しく調べられており、二人の人となりが初めて了解できました。モハメド・アリとの世紀の凡戦の真相もほぼ間違いないだろうと思われるところまで書かれておりましたし、未だに理解不能の韓国でのパク・ソンナン戦は凄惨なだけで、ほぼ全容が分かったパキスタンのアクラム・ペールワン戦については積年の疑問が晴れました。76年のこの四回の戦いのうち、ルスカ戦以外がリアルファイトいわゆる筋書きの無い戦いだったわけで、台本があり、リハーサルをおこない、筋書き通りに進められるプロレスリングが、今流行の格闘技戦に飛躍する嚆矢の年となったのです。

私の息子たちも格闘技のファンで、試合があると毎回熱心にテレヴィに釘付けになっておりますがすが、アントニオ猪木には見向きもしません。当然この本にも興味を示さず、果たして1960年生まれの著者の柳澤さんは誰をターゲットにこの本を書いたのだろうか。矢張り団塊の世代が引っかかっている疑問の回答を出したのか、それにしては過去に見せられた夢をみもふたも無いものにしてしまったら彼らの存在そのものも脅かされる事になるわけで、60年生まれからの彼らに対する恨み節と考えるのが良いのでしょうか。

今日は一日雨のようです。積読の解消にはうってつけの日です。
コメント
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