キュヴェ タカ/cuvee taka 「酔哲湘南日記」

新鮮な山海の恵みを肴に酒を吞み、読書、映画・音楽鑑賞、散歩と湘南スローライフを愉しんでいる。 

魅惑のシャトー・トゥール・ド・ミランボー白

2006年12月26日 | Weblog
横浜は雨、氷雨というより暴風雨、四国沖に発生した低気圧が発達しながら太平洋側を舐めて北上とのことです。横浜だけでなく太平洋側はみんな雨なのかもしれません。こんな日は会社を早仕舞いして、お家で酒なんぞを軽く燗して百の随筆でも読んで寝てしまうに限ります。

昨日予告いたしました表題の件について少し、くどくならないようにさらっと書いてみることにいたします。
トゥール・ド・ミランボーはパーカーさんを筆頭に赤ばかり言及され賞賛もされます。しかしながら私見では、ここは白が優れているとの認識です。もう6年前になるのでしょうか、ボルドー右岸のワインの街りブルヌで商工会議所が開いた試飲会に招かれた事があります。サンテミリオン、ポムローヌの名だたるシャトーが30件ばかり出展して覇を争っておりました。私も真面目な日本人を装い、片っ端から出展しているメーカーのワインを試飲して、とっても美味しいなどとコメントを重ねておりました。確かに美味しかったのですが、其れはそうです世界にその名を知られたボルドーのサンテミリオン、ポムロールの優良シャトーのワインを飲んでいるんですから、不味いはずは無いのです。でも濃縮されたメルロしかも木樽の成分たっぷりの若いワインを100種類も試飲したら軟弱な日本の舌は完全にいかれてしまいます。皆さんご存知と思いますが、日本人の末蕾の数は欧米人の比ではありません。繊細な舌を持った私にはグランヴァンの大量試飲は苦行と感じ始めていました。そんな時、爽やかで果実味に鮮烈さと強さを持った白ワインを試飲したのです。何でアントルドメールに居を構えたデスパーニュ一家のブースが一軒だけ出展していたのいまだに不思議なのですが、とにかく救われました。それが私とデスパーニュの幸福な出会いでした。

偶然にも試飲展示会の翌日、メーカー訪問にトゥール・ド・ミランボーが含まれていました。良いワインの秘密は畑にあるの鉄則通りソーヴィニヨンブランの畑は奇景でした。通常アントル・ド・メールの畑は可也高い整枝方法を取っておりますが、ここはメドックと見間違うほどの低い整枝方法での栽培でした。数年後に見る事になるジロラット用のメルロほどではないにしろ彼の地のスタンダードの半分の高さ。
デスパーニュ一家にとっても矢張りその整枝方法が自慢の一つ、早々に以下にしてこのような整枝方法になったかを説明してくれました。氏曰く”以前は家も近所と同じ高さで整枝していたが、濃縮された果汁を得るためにはそれじゃあ駄目だった。思い切って主幹を半分に切り、ブドウの間に新しい苗を植えた。そのことによりブドウの木は半分の高さになり、密植率は倍になった。”

ワインは、果実味が濃縮しており、綺麗な酸が爽やかさを演出し、奥行きのある味わいを持った素敵な味わいです。100本のボルドーグランヴァンの後でなくても。さらに私の好みを言えば、ステンレスタンクのみで醸造されている白のほうが、木樽をくぐらせたキュヴェ・パッションよりもこの蔵の個性に合ったワインだと思います。それになりよりも財布が軽くならないワインが前者である事も愛着を感じる大いなる理由かもしれません。
コメント
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