ボーン版『白鳥の湖』日本公演2014


  この秋の9月6日(土)から21日(日)までの2週間にわたって行われるそうです(6日と7日はプレビュー公演)。会場は 東急シアターオーブ です。渋谷ヒカリエの中にある劇場だそうで、私はまだ行ったことがありません。写真を見ると、なかなか大型の劇場のようです。

  日本公演公式サイトが見つからないんだよね。公演チラシももらったんだけど、それにも記載されてない。東急シアターオーブの公式サイトに「オフィシャルサイトはこちら」のリンクがあったのでクリックしたら、ローソンチケットの公式サイト につながりました。

  ザ・スワン/ザ・ストレンジャーの日本公演特別ゲストは、なんとアメリカン・バレエ・シアターのプリンシパル、マルセロ・ゴメス。ローソンチケットの公式サイトにはゴメスのインタビューも載ってます。ゴメス、相変わらずイイ男だ。

  インタビューが行われた時点では、ゴメスはまだ個別リハーサルに入ったばかりのようで、作品の最新の内容についてはよく知らなかったようです。ゴメスも驚いていて、読んだ私もびっくりしたんですが、インタビュアーの方が「オリジナル版にはあった王子の少年時代がなくなってしまった」と言っているんですね。

  これは大きな改変点です。どんな場面に直されたんでしょう。そうだとすると、プロローグ、まだ子どもの王子が寝ていて、白鳥の幻影を夢で見てうなされて起き、母親である女王が王子の様子を見に部屋に入って来るものの、まだ怯えている王子を冷たく突き放して去ってしまう場面、子どもの王子が公務での仕草を厳しくしつけられる場面、そしてラスト・シーン、子どもの王子を白鳥が抱きかかえている場面は、完全に変えられている可能性が高いですね。

  子どもの王子がいなくなると、王子の白鳥に対する感情は同性愛ではなく、親の愛情を求める気持ちだという設定がどうなってしまうのか、興味のあるところです。

  ボーン版『白鳥の湖』はいまやひっきりなしに世界中でツアーが行なわれています。数年前の日本公演を観に行ったとき、舞台装置が変わったのに気づきましたが、あれは運搬と設置をスムーズに行なうために変更したのだと思います。2003年に初めて日本公演が行われた時点では、装置はオリジナル版のままでした。その装置が舞台の最中に倒れたり、動かなかったりしたアクシデントが起きたので、世界中のどの劇場に設置してもアクシデントやトラブルが起きないような装置に変えたのでしょう。

  王子の子ども時代がなくなったのも、おそらく子ども時代の王子役のキャストの問題なのでは?就学期にある子どもを連れて世界中を長期間回るわけにはいきませんから。

  今のところ、日本公演の王子役、女王役、執事役は発表されていません。Matthew Bourne's Swan Lake on Tour によると、公演は春から夏にかけてはイギリスとヨーロッパを、秋にはアジアとオーストラリアを回ることになっています。王子、女王、執事役以外のキャストのほとんどは、このサイトに載っている面々が来るのではないかと思います。

  あと、王子役とザ・スワン/ザ・ストレンジャー役は、少なくとも3組は揃えないといけないと思うので、主要キャストについてはこれから追加発表があるかもしれません。

  どのキャストが踊るのかは当日発表だそうです。これはいつものやり方です。アダム・クーパーが参加した2003年の公演でもそうでした。バレエの現役トップ・ダンサーであるマルセロ・ゴメスが毎回踊るはずはもちろんなく、ゴメスの出演頻度は普通に考えると3回に1回程度だと思います。ゴメスが観たいという方は、チケットを複数枚購入しておくしかありません。ゴメスはプレビュー公演(9月6日と7日)には出ないそうなので、本公演期間でなんとかあたりをつけるしかないです。

  ボーンの『白鳥の湖』か…。私にとっては「もう終わった作品」です。作品がつまんなくなったというのではなく、もうさほど興味が持てなくなったという意味ね。手作り感の漂うオリジナルの姿を離れて、完全に機械的なコマーシャル・ショウと化したことを思い知らされた時点で、さーっと冷めた。

  これはあくまで私個人の感覚です。ボーンの『白鳥の湖』は、一度は観ておいて損はありません。ただし、正統派のきちんとしたバレエじゃないと耐えられない、という方にはお勧めしませんが。

  ボーンの『白鳥の湖』にあまり興味が持てなくなったといっても、アダム・クーパーのザ・スワン/ザ・ストレンジャーこそが、私の中で絶対であることは変わりないです。永遠にそうだろうと思います。

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