さらば小田急線下北沢駅地上ホーム


  明日の3月23日(土)より、小田急線下北沢駅のホームが地上から地下に移動します。仕事の行き帰りに通ってきたホーム。いろんな思い出があります。仕事がうまくいかなくて、落ち込んだ気分で、線路の向こう側に見える店の明かりを見つめながら電車を待ってたり、冬は寒い風が吹きさらす中で、ぶるぶる震えながら「電車、早く来ないかな~」と思ってたりね。

  私は思い出深いこのホームがなくなることがとても寂しいです。もちろん、汚くて(笑)狭いホームから、きれいで広いホームになったほうが、駅員さんたちは労働環境が快適になって、仕事の負担(乗客の線路への転落防止、運転間隔の調整)も減るだろうし、「開かずの踏切」がなくなって、近隣住民のみなさんの行き来も便利になることは分かっています。

  元は大正時代に建設され、空襲も免れて今に至ったという昭和なホーム、私は鉄道ファンではないですが、記念に写真を撮りました。今日はこのホームが使用される最後の日とあって、一般の乗客も多くスマホや携帯電話で写真を撮っていました。もちろん鉄道ファンの方々も集結。筋金入りのファンだけあって、みなさんすごく良いカメラを持ってました。


   新宿方面行きホーム。

   小田原・片瀬江ノ島方面行きホーム。

   跨線橋から。上を走っているのは京王井の頭線の電車、下が小田急線の電車。


  駅構内アナウンス、駅員さん、安全管理員さんたちが、ひっきりなしに「黄色い線からはみ出さないで下さい!」、「フラッシュは焚かないで下さい!」と絶叫。駅関係者のみなさんにとっては、今日は最も神経をすり減らす日でしょうね。お疲れさまです。

  小田急線と京王井の頭線との乗り換えは、今までは2分ほどでできました。新ホームは地下5階の深さに設置されているということなので、これからは5分ほどかかるそうです。でも、実際はもっとかかるんじゃないかな?時間に余裕を持ったほうがいいですね。

  駅前にあった、上野のアメ横を思わせる、昭和の香りが漂っていたバラック街もなくなりました。現在の線路、ホーム、駅舎が完全に撤去された後、あの一帯は再開発されて、バスや一般車両が入れるロータリーになるらしいです。

  小田急線の地下化にともなう下北沢駅周辺地域の再開発には、反対運動もあったと聞いた覚えがあります。下北沢独特の古き良き街並みとコミュニティとを壊すのか、という意見。あのあたりは暗黙の建築物の高さ制限があって、本多劇場が入っている高層マンションが建ったときも、周辺からものすごい反発を食らったと聞きました。

  吉祥寺と並んで、下北沢も若い人に人気な街です。吉祥寺駅とその周辺もなんかあちこち再開発の工事中で迷うほどですが、あれ、吉祥寺駅周辺の治安が最近悪化してきたという背景もあるようです。タチの良くない、ガラの悪い連中が多くなってきたってことらしいです。そういえば最近、吉祥寺駅付近で強盗殺人事件が起こりましたね。

  下北沢も同じで、特に南口(マクドナルドのあるほう)なんて、キャッチやら宗教勧誘やら客引きやらがすごい。落書きも多い。昔からの地元住民によると、以前よりも雰囲気が悪くなっているとのこと。だから、再開発も仕方ないのかもしれないですね。広くてきれいで明るいとこには、悪い連中は寄ってこないですから。

  仕方ないけど、でも寂しいことには変わりないです。人や物との別れがひときわ寂しく感じられるなんて、私も年をとったんだなあ。


  追記:ちょっとお、今日の『タモリ倶楽部』、地下駅化される前の東急東横線渋谷駅の特集じゃん。だったら次は下北沢地上駅の特集もやってよ。

  下北沢地上駅は、京王井の頭線の線路とすれすれでX字形に交差するカッコよさに加え、いい具合に錆びた鉄骨、ハゲまくりのペンキ、ひび割れたコンクリート、黒ずんだ壁をつたう得体の知れない水と薄気味悪い苔、つぎはぎだらけのボロい建物と、マニアの方にはたまらないはず。

  ちょうど「空耳アワー」のネタも1個持ってるから、テレ朝に要望を出してみよっか。


  追記2:TwitCastingで下北沢地上駅営業終了の瞬間&移設工事開始のライブ中継を観ました。終電まで見物客がたくさんホームと駅構内にいて、終電が去るとすぐに見物客を駅の外に出して、移設工事を始めていました。

  新しい北口と南口ができてるみたい。つまり今までの駅舎そのものがすべて閉鎖。北口と南口とをつなぐ連絡通路として、駅舎はまだ通り抜けできるんだと思ってた。不覚!駅舎の写真も撮っときゃよかった!

  京王井の頭線下北沢駅でも工事が始まっていて、やはり新しい入り口ができてるようです。小田急線からの直通エレベーターも設置している模様。

  始発まで、実質あと4時間もないよね。作業員の人たちは大変だわ。がんばって下さい!!!


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