(ちょっと真面目に)よく見りゃ見てるこの二人

   マリス・リエパ(ボリショイ・バレエ)とイーゴリ・コルプ(マリインスキー・バレエ)


  来年のボリショイ・バレエ日本公演で『スパルタクス』が上演されますね。で、気が早いけど、『スパルタクス』映像版(ワシリーエフやベススメルトノワが出てるやつ)を観て予習しています。

  その中で、クラッスス役のマリス・リエパ(Maris Liepa)は圧倒的な存在感と踊りで、スパルタクス役のワシリーエフと比べてもまったく遜色ない。

  以来、you tubeでマリス・リエパの少ない映像を貪り観ています。観れば観るほど、これは凄いダンサーだという思いが強まります。

  ぜひ生で観たかったですね。年代的に無理ですが。(そもそも、来日したことがあるのだろうか?)

  マリス・リエパの踊りや演技を観ているうちに、なんか踊りのスタイルや雰囲気が、イーゴリ・コルプに似ているな、と漠然と感じました。

  ただ、マリス・リエパは、バレエ・ダンサーとしての面と一個人としての面とを、ほどよく共存させることができなかった人のようです。芸術家としての成功か、それとも個人の平凡な幸せかの二者択一の中で、苦しんだ末に悲劇的な最期を遂げた、20世紀型の天才ダンサーだったように思われます。

  一方、現在の大方のロシア系ダンサーたちは、バレエ・ダンサーとしての活動と、一個人としての日常生活とをバランス良く両立させているようです。イーゴリ・コルプもたぶんそうでしょう。

  それでも、コルプについては、明るくてユーモラスな雰囲気の陰に、なんか暗い部分も感じます。

  あの陰の部分と強い個性があれば、コルプがクラッスス役をやるとかなりハマるんじゃないかと思います。面白そうなのになー。  
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