お誕生日おめでとう!

  今日、7月22日はアダム・クーパー37歳のお誕生日です。おめでとうございます。

  今年は2008年、私がアダム・クーパーというダンサーを知ったのが2002年、時間が過ぎるのは速いものですね。

  正直なところ、今は最初の頃のようなドキドキ感はないんだけど、「この人は、これからをどう生きていこうというのだろう」という興味はあります。それは「私は、これからをどう生きていこうというのだろう」という課題となぜか重なっている気がします。

  現実逃避なのかもしれないし、依存なのかもしれない。でも、出会ったことに何か意味があることは確かだと思う。人生で起こることに無駄なことはない。

  それに、アダム・クーパーというダンサーを知らずにいたら、私はどうなっていただろうか。おそらく、今よりももっと良くない状態に陥っていただろう。

  たとえ一時しのぎであれ、彼の知らないところで、私は彼に救われた。そのことを感謝したい。アダム・クーパーのお父さんとお母さん、おじいさんとおばあさん、彼をこの世に送り出してくれたすべての人々に感謝したい。
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今年もトロカデロ

  昨日(21日)、トロカデロ・デ・モンテカルロバレエ団の公演を観に行きました。会場は新宿文化センター大ホールで、このまえの「ルジマトフのすべて 2008」と同じ会場でした。

  演目は第1部が「ジゼル」第二幕、第2部が「エスメラルダ」パ・ド・ドゥ、「海賊」パ・ド・ドゥ、「ゴー・フォー・バロッコ」、「瀕死の白鳥」、第3部が「ライモンダ」第三幕グラン・パでした。

  「ジゼル」は予想どおり大爆笑でした。ミルタはオルガ・サポーツォヴァことロバート・カーターで、このバレエ団で最もテクニックに優れたダンサーです。目つきの悪い、超凶悪な人相のミルタで、頭上に百合の花をちょんまげのように1本おっ立てた姿で出てきただけで大笑いでした。

  ウィリたちもパンクなヘア・スタイルとメイクで、みな一様にガラが悪かったです。ヤンキーなウィリたちは、ヒラリオンを囲んでボコボコにして舞台から客席に(!)突き落とした後、みなスコップを持ってせっせとジゼルの墓を掘り起こします。

  木の棺から吸血鬼よろしくジゼルが出てきます。名前は忘れましたが(今回はプログラムを買わなかった)、ジゼル役のダンサーもすごいテクニシャンでした。片脚で狂ったように回転するところなんか、まるでコマが回るみたいに速くて迫力満点でした。

  朝を告げる鐘の音を耳にしたミルタのすっごい悔しそうな顔が笑えました。ぐっと拳を握りしめて「ちくしょ~!」という顔をしながらヤケクソな足取りで去っていきます。そしてジゼルは墓の中に消える・・・・・・寸前で、アルブレヒトを手でさし招きます。アルブレヒトはいそいそと棺の中に入り、ジゼルが棺のフタをバタン!と閉めてジ・エンドでした。

  「エスメラルダ」パ・ド・ドゥは、女性ヴェリエーションを踊ったダンサーのタンバリンさばきが見事でした。肩や上げた脚の爪先にタンバリンを叩きつけて鳴らすのが、音楽にバッチリ合っていました。

  「海賊」パ・ド・ドゥはトロカデロお約束、デカい女性ダンサー役に小柄な男性ダンサーをあてがったペアでした。力弱く頼りないパートナーに途中で業を煮やした女性ダンサー(念のため:本当は男性です)が、逆にパートナーをリフトしてぶんぶん振り回し、最後はわざとらしい笑顔でポーズを決めます。

  「ゴー・フォー・バロッコ」は、今回もっとも気に入りました。まず衣装がきれいでした。キャミソールのような黒の短いワンピースに白いタイツ姿です(念のため:もちろん全員が男です)。踊りもみなキレがあって、観ていて気持ちがよかったです。群舞もよく揃っていました(もちろんお笑いはまんべんなく随所に入っていますが)。

  「瀕死の白鳥」は、今回もポール・ギースリンに当たりました。やっぱり「瀕死の白鳥」はマイヤ・プリセツカヤかウリヤーナ・ロパートキナかポール・ギースリンかですよね。ポール・ギースリンの踊りは去年よりも更に進化していて(?)、映像や去年の舞台での踊りをまったく想起させません。来年はまたどう進化しているのか楽しみです(←来年も観に行くのか?)。

  「ライモンダ」は去年も観ました。ヴァリエーションを踊った中では、やはりロバート・カーターと第1部でジゼルを踊ったダンサーが優れていました。ともに長身で大柄なのにも関わらず、ジャンプは高いわ、回転は体がまっすぐで安定していて、しかも一度に何回転もするわ、爪先の動きも細かいわ、おまけにゴツいし胸毛があるのにチュチュが似合うわで、思わず「ブラボー!」と叫びたくなったくらいです。

  トロカデロ・デ・モンテカルロバレエ団は、この9~10月にロンドンのサドラーズ・ウェルズで公演を行ないます。このカンパニーが初めてイギリス(ロンドン)で公演したのは、確か2006年かそこらじゃなかったでしょうか?イギリスのバレエ・ファンには受け入れられやすいだろうに、なぜそれまでイギリスのプロモーターからのオファーがなかったのか不思議なくらいです。

  世界中にどんどん活躍の場を広げているようですが(恐ろしいことにボリショイ劇場でも公演を行なったという)、日本には、20数年もの間このバレエ団を応援し続け、カーテン・コールですべてのダンサーに公平に花束を贈るような優しいファンのみなさんがいるのです。この光景を見て、私は心から感動しました。どうか日本公演は欠かさないでほしいです。

  それと、トロカデロ・デ・モンテカルロバレエ団は、公演グッズがみなセンスいいんですわ。だから、グッズ売り場を見るのも楽しみの一つなんです。グッズの種類は少ないけど、Tシャツ、トート・バッグ、携帯ストラップの色使いとかデザインがおしゃれなんですね。今年も携帯ストラップを買ってしまいました。

  トロックスのみなさん、どうかまた来年も日本に来て下さいね
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