▼函館の市民団体が、対岸に見える青森県大間原発の建設差止を、函館地裁に提訴していた裁判が、今年3月に結審した。「原子力規制委員会の基準に違反しないよう作られていて、建設中のものを違法と判断できない」というのが、裁判所の結論のようだ。
▼建設中の大間原発は、実験炉も無しで世界初のフルNOX燃料を使用する。この燃料は広島原爆のウラニウムと長崎原爆のプルトニウムをミックスし、全炉心でこの燃料を使用するという、無謀極まりない原発だ。・・・というものなので、私たち函館市民は枕を高くして眠れないことになる。
▼だが、アベ総理はこう断言する。「我が国の原子力基準は、世界最高基準だから安全だ」と。福島第一原発事故前までは「安全・安心なクリーンエネルギー」と、盛んにテレビで宣伝していた。
▼だが、事故後7年経っても、いまだに故郷に戻れない状態が続いている。世界最大級の【詐欺コマーシャル】ではないか。さらに大間原発を建設する電源開発という会社は、水力・火力発電は得意だが、原発建設は初めてだという。それに許可を与えようとする裁判長は、函館を死の街にするかもしれない「悪魔の手下」ではないかと思う。
▼この裁判長、実は女性なのだ。函館地裁は「魔女裁判所」と化したのだ。女性裁判長が判決を下すのだから、女性や子供の命を守るために、市民に寄り添った判決が期待できるかもと、少し甘い考えを持っていたが、本物の魔女を函館に送ってきたのだ。
▼判決の1年前に、裁判長の右側に座る裁判官が転勤してきたそうだ。その裁判官が判決文を書いたようだ。さらにすごいのは、判決を言い渡した魔女裁判長は、役目を終わると転勤してしまったという。その席に、右側裁判官が居座ったという。魔女裁判長は「法規→放棄→箒」に乗って、飛んで逃げたのだ。
▼10月23日。函館市町会連合会主催の「大間原発建設凍結市民集会」が開催された。函館地裁での原告側弁護士を講師に招き、立法府の手下になってしまった司法の裏側の実情を聞いた。
▼司会を担当したのは、町会連合会原発担当の私だ。集会の終了挨拶に、【原爆の図】の作家・丸木位里氏の言葉を引用し集会を閉じた。
▼『戦争の時、広島、長崎は原子爆弾で殺されました。平和になった時、原子爆弾は原子力発電所に化けて出ました
。エネルギーの平和利用の名のもとで、放射能がばらまかれているのです』。