函館市とどほっけ村

法華宗の日持上人にまつわる伝説のムラ・椴法華。
目の前の太平洋からのメッセージです。

杉田水脈発言で考える【憲法第21条と改正21条】

2018年09月24日 18時53分27秒 | えいこう語る

▼自民党衆議院議員の杉田水脈さん(51歳)が、性的少数者(LGBT)」を「生産性がない」と表現した。それについて様々な議論が飛び交っている。

▼憲法第21条(表現の自由)を読み返してみた。1項は【一切の表現の自由は保障する】とある。これであれば、杉田さんの発言も、それに対する批判の自由も保障される。

▼対する「自民党改正案」では、新たに2項を設けている。【前項(1項)の規定にかかわらず、公益及び公の秩序を害することを目的としたものは認められない】とある。『公益及び公の秩序』というのは【国の利益及び国の秩序】と読み取れ、そうでなければ認められないと解釈できる。

▼ちょっぴり現憲法の9条2項を注目したい。【陸海空軍その他の戦力はこれを保持しない。交戦権はこれを認めない】。つまり我が国は「戦争の放棄」を国内ばかりではなく世界に宣言している。

▼だが改憲されれば自民党案ではこうなる。9条2項が【自衛権の発動を妨げるものではない】となり、新たに「9条の2」を設け【我が国の平和と独立並びに国及び国民の安全を確保するため、内閣総理大臣を最高指揮官とする国防軍を保持する】となる。

▼自民党改憲案の第9条は【戦争放棄の解除】となるということだ。戦力の保持となれば兵隊が必要だ。兵隊の確保のために先の大戦では「産めや増やせ」の大合唱が日本中で起きた。

▼杉田議員は同性愛者は子供が生まないので「生産性がない」と発言した。その「表現の自由」は現憲法下では保障されると上述した。

▼だが憲法が改正され軍隊を持つ国家になったら、人口減に加え子供を生まないカップルを認めることは【公益及び公の秩序を害する】と解釈されるのではないか。

▼戦争が始まれば「国家総動員体制」が復活するかもしれない。そうなると【非国民】という言葉が頭をよぎるのだ。杉田議員の「生産性がない」発言は、憲法が改正されれば、LGBTの人たちは「非国民」扱いにされるのではないかと心配にもなる。

▼杉田発言は、現憲法下では表現の自由で保障されているとはいえ、社会常識的には「人種差別」ととらえられる範疇に入る。

▼しかし、9条改正後は杉田発言の方が「人種差別」を圧倒し常識に近くなるかもしれない。なぜかと言えば杉田発言の方が、国益に叶うと解釈されるからだ。

▼3選を制したアベ総裁。次期国会に「憲法改正」を提案すると宣言した。さらに「私を支持してくれた国会議員はもっと私に強力なリーダシップを望んでいる」と自分は解釈していると発言した。

▼憲法改正の本丸「第9条」は、アベ三選により相当外堀が埋められた感じがしてきた。自民党女性議員の「生産性がない」発言は【非国民】という、国民が国民を差別する極めて危険な匂いがする言葉に私は感じたが。