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函館市とどほっけ村

法華宗の日持上人にまつわる伝説のムラ・椴法華。
目の前の太平洋からのメッセージです。

【対米従属】と【憲法改正】と【お言葉】

2018年09月03日 12時41分09秒 | えいこう語る

▼アベ総理はトランプ大統領との蜜月関係を自慢する。だが国民は「対米従属」がますます強化された関係ではないかと考える。集団的自衛行使容認などは、米軍に代わり最前線で戦うことを約束したものではないかと危惧している。

▼現憲法は敗戦により「米国からの押し付け」であると息巻き、自衛隊は国民から絶大な支持を受けているのに「戦うことのできない日陰者」的存在だとし「9条を改正」し、軍隊として北朝鮮からの攻撃に対処させようと、言いふらしている。

▼混迷する複雑な国際状況から見れば、軍隊を持つのは普通の国のように思える。「自主憲法の制定」といえば、「対米従属」から解放されるのではないかと、国民として納得し期待してしまいそうな気がしてくる。

▼民主主義の基本は三権分立だ。だが我が国は、そうはなっていない。米軍基地問題や原発問題は、国策だとし「統治行為論」を持ち出し、裁判所は政府に加担し国民敗訴となる。

▼だが民主主義の兄貴分の米国は【司法による行政の監視】が機能している。行政の監視ができていない日本だから、アベ政権下での憲法改正は、民主主義の崩壊につながる恐れがあるということになる。

▼憲法を改正した後、米国の軍事プレゼンスを断り、独自の国防を確立しようとしているのだろうか。もし、米軍が日本から転居した場合、その補完のために、軍事費は増大し社会保障費は限りなく制限されるだろう。

▼逆に日米同盟の再強化を図り「日本列島が世界最強の日米軍の基地」となれば「軍の下の平和」という、つねに不安定な国民として生き続けなければならない。

▼どちらも、ベストな政策ではない。最近、日本の良さを評価する外国人が多くなってきた。つまり「日本的なるもの」の価値が認められられているのだ。

▼かといって、日本会議のメンバーやアベ総理が目指す「美しい国へ」という考えとは、似ているようだが、相当違うような気がする。「似ているようだ」と思わせるところが、実はとっても危険な範囲なのだ。

▼1983年に、宮沢首相とクリントン大統領が承認した【年次改革要望書】なるものが、現在の「対米従属」の元凶だ。『米政府の目的は一貫して、米国自身の国益の追及、米選挙民やスポンサー企業にとっての、ビジネスチャンスの拡大』だ。

▼日本の産業、経済、行政から司法に至るまで、、様々な要求を上げてくる。日本では「要望書」と訳しているが[SUBNISSION]=服従、従順の意味だという。

▼「日本の制度を米国にとって都合にいいものに変更するよう、米側が一方的に日本に要求する」のが実態だ。つまり【日本改造プログラム】だ。言い換えれば【アメリカン。ファースト】だ。

▼この言葉は、トランプ大統領が水面下での日米交渉を、言葉に言い表し、日本ばかりではなく「世界戦略の統一標語」として、自由の女神の如く松明を掲げ「アメリカン・ファースト」と吠えているだけなのだ。

▼「大口叩きの迷惑オヤジ」というのが、トランプ大統領の、世界の見方だろう。その親友がアベ総理だというのが、国民には、納得も行かないし恥ずかしいことだ。

▼「憲法改正後」我が国はどんな国になるのだろうか。シナリオはできているのだろうか。それとも成り行き任せで、憲法改正さえすれば自分の役割は終了するという魂胆なのか。

▼我々国民は、戦後の国家秩序が変わるという「憲法改正」がまな板に乗りそうな今、何を拠り所に生きていかなければならないのだろうか。

▼ふと思い出した言葉がある。今年函館で開催れた新聞社主催の講演会での歴史ジャーナリスト、保坂正康さんの言葉だ。

▼【天皇と国民がもっと親密になることが必要だ】。天皇は日本国民統合の象徴だ。天皇と国民がタッグを組んだ時、暴走する政府に歯止めがかかるのではないかという意味なのか。

▼戦後、天皇は戦争責任を免れ国体は維持されたが、その上に日米安保が乗っかかり、その上に米国が君臨するという、妙な国体が出来上がったのだ。それが「対米従属」という『米国のイニシアチブ』であり【日本のいびつな国体】が出来上がったのだ。

▼天皇制なるものは、戦前は国家に利用され戦争へと突っ走った。平成天皇は、慰霊の旅を続け戦いに懺悔し続けた。次期天皇はさらに平和であることを祈り続けるに違いない。

▼国民は、次期天皇と共にスクラムを組み、平和であることを共に祈り続けたい。それは国民統合の象徴である天皇を、国家から国民に取り戻すことで平和が持続するというのが、保阪氏の考えではないかと私は読み取る。

▼日本の近代史の中では、明治天皇の「お言葉=教育勅語」で、国の体制が強固になり、昭和天皇の「お言葉」により戦争が始まり、戦争が終結した。平成天皇の「お言葉」は、「生前退位」により『政府からの解放!?』を自らに意志でおこなった。

▼「お言葉」とは、我が国の行方を左右する存在である。天皇と国民が親しくなった時、権力を権威で制御できるのではないだろうか。

▼「対米従属」から「憲法改正」に進もうとする我が国の現状にあって【お言葉】の意義を改めて考えさせられた、秋らしい風が肌に感じられる、北海道の片田舎の団塊オヤジの限りなき妄想です。
  
※「拒否できない日本」アメリカの日本改造が行われている。文芸春秋 関岡英之著を読んで。