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函館市とどほっけ村

法華宗の日持上人にまつわる伝説のムラ・椴法華。
目の前の太平洋からのメッセージです。

胆振東部地震・函館市とどほっけ村報告

2018年09月08日 11時09分26秒 | えいこう語る

▼6日午前3時8分、ガタガタガタガタと寝ていたの2階が揺れた。妻が「地震だ」と叫んだが、揺れが大きすぎ身動きができない。とっさに「布団をかぶれ」と叫んだ。

▼1968年、私が20歳の時に体験した十勝沖地震を思い出したからだ。豊島区雑司ヶ谷のアパートの2階で寝ていた私は、あまりの揺れに動けなかったが、20歳の若さは敏捷さを十分発揮できた。押し入れから布団を引っ張り出し、かぶってうずくまっていた。

▼半世紀前の出来事だが、地震の瞬間その部屋の間取りと行動が、鮮明に浮かんで来たのだ。「布団をかぶれ」と妻に叫んだのは、20歳にタイムスリップした、私だったような気がする。

▼極端な恐怖感というのは、脳裏にまるで映像のままで刻み込まれているようだ。戦争や東日本大震災を経験した人なら、心に谷間のような大きな傷が刻み込まれているのだろう。

▼揺れが収まったが、村の中では今まで体感したこともない大きな揺れだ。さらに私の家の前は太平洋だ。「津波が来るぞ、服を着れ」と妻に叫んだが、停電で真っ暗闇だ。狼狽しているので家の間取りが分からない。完全にパニック状態だ。

▼2階から降り、携帯ラジオだけ持ち車に駆け込み、高台の方に避難した。だが、財布を忘れたことに気が付き、後で食料を買わなければと思い、引き返すことにしたが、東日本の時の大津波の映像が蘇る。停電で真っ暗闇の中ではものすごい恐怖だ。危険を百も承知で、財布だけは取りだした。

▼避難場所である小学校の施錠の番号を記した封書がある。緊急の時の学校の解錠の番号は、町会長の私も知っている。学校に向かうと、校長先生が家から出てきたので、津波のおそれがあるので学校を開放してくださいと頼んだ。

▼夜が明けてから、町会内の独居老人宅を役員とたずね安否を確かめた。私の地域は震度5位だったが、室内のものも倒れず、みんな大丈夫ですと話していた。

▼電気が止まり、一人暮らしで津波の心配もあったので、随分心細かったようだ。安否を尋ねに来てくれただけで、手をあわせていただき感謝された。

▼中にはこんなおばあちゃんもいた。「一人で恐ろしかったので、朝までずっとテレビを観ていた」・・・停電なのにと思ったが、それだけおばあちゃんにとっては、恐ろしい一夜だったのだろうと解釈した。

▼停電は8日の午後9時頃まで続いた。我が家では通電火災に備え(阪神淡路地震後の通電の時、火災が多発した)ブレーカーを切っていたので、朝になりようやく電気が回復したのに気が付いた。

▼私の町会館も解放したが、近所の一人暮らしの方が集まってきて、懐中電灯の灯で語り合いながら、不安感を紛らわしていたといっていた。今回の長時間にわたる停電は、あらためて電気に依存しすぎる世の中に、警鐘を与えたに違いない。

▼「のど元過ぎれば熱さ忘れる」「災害は忘れた時にやってくる」という言葉もかみしめてみたい。今回は道内の電力の半分を確保する火力発電所近くでの地震だった。もしこれが原発敷地内の地震だったらと考えたら、身も心も凍る事態になっていたのかも知れない。

▼函館市の目の前に建設中の大間原発は、世界初のフルMOX燃料(ウラニウムとプルトニウムの混合)を燃やす原子炉だ。建設場所の周辺には活断層がいくつか存在が確認されている。

▼函館市町会連合会としては、今回の地震で大間原発反対運動の強化に意欲を燃やしたいと考えている。MOX燃料とは「混合酸化物燃料」だが、私はM=もっとも O=大間原発は X=バッテン(危険)だと、町会連合会の会長さんたちに教えてあげたいと思っている。

▼今朝も身体に感じる地震があった。現地では地震が頻発しているようだ。1周間以内にM7程度の地震が起きるともいわれている。

▼最近の地殻変動や天候異変は、人類に対する自然の報復?ともいわれている。進化し続ける物質文明。MOX燃料の中のプルトニウムは冥王星=プルートーから名付けられたという。

▼冥途の王=プルトニウムとは、実は人間が自然界の元素から生み出した人工元素だ。それが冥途の王なら、人間こそが悪魔ということになりはしないだろうか。

▼そんなことも暗闇の中で、あらためて確認した今回の長時間にわたる停電だった。一日でも早い復興を期待し、一瞬のうちに命を奪われた方々のご冥福を祈りたい。

▼日本列島はプレートの上にある地震国だ。その上に原発などもってのほかだ。【地震大国・原発反対】。今年はこのテーマで、市民向けの函館市町会連合会の学習会を、10月に開催の予定だ。