▼米国の貿易赤字は、中国からの輸出にあるとして、トランプ大統領が中国製品に高額な関税をかけてきた。自国を脅かすものには制裁をというのが、トランプの呆れるアメリカン・ファーストだ。
▼対する中国も、チャイナ・ファーストでは引けを取らない。目には目をで、真っ向から対決姿勢を示している。よその国の戦いなら静観していたいが、お前も米国の赤字削減に手伝えと言われるのが同盟国日本だ。
▼TPP(環太平洋連携協定)に参加しない米国だが、日米二国間の自由貿易協定(FTA)を結ぼうとしている。どうやら輸入の日本車に高額な関税をかけようとしているようだ。
▼総裁選の討論会では、大統領に直接説得を試みるというが、対米従属総理としては、この交渉は心配だ。国内では敵なしのアベ総理だが、なんたって米国大統領の前では、親分と子分程の関係にしか見えない。
▼多くの外遊で外交は強いと自負するが、たくさんのお土産を持って歓迎され、強い国には低姿勢で、弱い国には自分を大きく見せ、内弁慶総理と国民は認識しているからだ。
▼大企業に手厚く中小企業には情けの薄い総理のことだ、もしかして米国からの農産物の輸入関税引き下げに応じるのではないかと、農業王国北海道は心配する。
▼トランプ大統領は、相手が嫌がることを平気で押し付けるタイプだ。軍事力を背景に弱い者いじめばかりする。自分だけが悦に入り権力を振りかざすジャイアン大統領だ。
▼日本がもっと嫌がるのは何だろうかと考える。たぶん【日米原子力協定】だ。今年の7月17日、30年の満期を迎え自動延長になった。
▼この協定は、平和目的に限定されるという協定で「使用済み核燃料からプルトニウムを抽出する再処理やウラン濃縮が認められる」根拠でもある。
▼だが自動延長とは、どちらか一方が通告するだけで、6ヶ月後に協定が失効する。日本が通告する可能性はまずない。意地悪ジャイアンが失効をちらせかせ、自国優位の政策を押し付けてくるに違いない。
▼日本には処理できないプルトニウムが47トンもある。この量は原爆6000発分にも及ぶ。協定が失効されれば北朝鮮以上に「危険な国」と世界から見なされるからだ。
▼核廃棄物の処分場さえ決まらない日本は、にっちもさっちも行かなくなる。同盟国なのになんでこんな意地悪をされなければならないのだろうか。
▼日米同盟の見直しだ。憲法を改正し世界一強力な軍隊を持ち、対等な外交交渉をしなければならない、と考えるべきだろうか。
▼現憲法は占領下での米国からの押し付け憲法なので、自主憲法の制定を叫ン打法がいいのだろうか。右寄りの人なら、そんなことを考えているのだろうなとふと思ったりもする。
▼読書の秋。昨夜は青木理著「日本会議の正体」を読み終えた。アベ総理と日本会議の関係。ため息の出る内容だ。