▼9月3日の北海道新聞朝刊一面トップが【MOX燃料再処理断念】「電力10社、費用計上せず」だ。眠気を吹っ飛ばすこの記事に、一瞬「大間原発建設中止か?」という朗報に見えたが、アベ総理下の今の我が国でこんないいことなんかあり得ない、何か裏があるのではないかと疑ってしまう。
▼翌日には【大間原発 安全工事2年延長】「運転開始26年度以降か」という記事が続く。2008年の着工時から運転開始が延長されるのは5回目だ。原発の建物自体が錆びついていやしないかと心配になる。
▼ふと思い出したことがある。福島の原発事故以来、太陽や風力による発電が活発になってきたが、天候に左右され安定した電力の供給ができないと、弱点が指摘されていた。
▼だが、宗谷管内豊頃町に世界最大級の蓄電池設備の建設に入るという、8月の新聞報道を思い出したのだ。送電線と蓄電池の施設の総事業費は、1050億円で「500億円」は国の補助だという。
▼こうなれば、我が国の原子力政策に大きな変化が出てきたのではないかと勘ぐってしまう。だが、日本が単独でエネルギー政策を転換するわけではないだろう。裏には米国の“イニシアチブ”があるのではないか。昨今のアベ総理の極端な「対米従属」を考えれば、そのぐらいは当然のような気がする。
▼他の新聞の切り抜きを読み返してみたら、7月に『日米原子力協定が自動延長』とある。30年の満期を迎えての延長だそうだ。この協定は、日本の原子力利用を「平和目的に限定」するというものだ。
▼その代わり、プルトニウムを抽出する再処理やウラニウム濃縮などが認められている。我が国の「核燃料サイクル事業」もこの協定により成り立っている。
▼しかし我が国は、すでに47トンのプルトニウムを保有している。原爆6000発分に相当するので、早期削減も求められている。
▼日本は核燃料サイクル施設(六ケ所村)にはすでに16兆円も費やしているが、稼働の目途が立っていない。MOX再処理に第2処理場を造らなければならないが、電力10社は16年から積立金の計上をしていないという。
▼【MOX燃料再処理断念】となれば、プルサーマル原発や、建設中のフルMOX燃料使用の「大間原発」は、稼働できないということになる。
▼さらに日米原子力協定が自動延長となれば、どちらかの通告で半年後に失効になる。日本が先に通告することはあり得ないので、トランプ大統領が協定破棄をちらつかせ、自国に有利な形で日本のエネルギー政策の転換を迫ってくるというのが考えられる。
▼米国の「2018年度のエネルギー年次見通し」には、風力・太陽光発電の増大があり、長期的には『蓄電システムの普及』という文言も見られる。
▼米国が毎年秋に日本に突きつける【年次改革要望書】なるものがある。別名「日本改造計画」?といわれるようだが、様々な要求をしてくる。その内容は、我が国の政策に、ほとんど反映されている。
▼先ほど、世界最大級の蓄電池設備が北海道に建設されるとの報道を紹介したが、原発1基(100万キロワット級)なら、このタイプで34基の蓄電池が必要になるという。
▼電気事業のような「規制事業」は、トランプ大統領なら朝飯前で米国の参入を認めさせるだろう。原発は建設や廃炉に巨額な費用が掛かる。【小規模分散型】の「エネルギー政策の転換」が予想される。
▼【MOX燃料再処理断念】と【大間原発安全工事2年延長】さらに【世界最大の蓄電池施設に国の500億円の補助】という一連の流れからみると、すでに米国から「原子力政策の抜本的見直し」が通告されているのではないかと、予想される。
▼大間原発建設阻止は、もしかしてトランプさんの一声で、工事中止が決まるのかもしれない。・・・我が国の原発訴訟では、司法はもはや国民のためにはならない。頼れるのはトランプさんかもしれない!?。
▼「よ!大統領・世界一!」と絶賛したいところだが、日本の原発はすべて中止し「9条改正」後は、最強の武器{原爆は米国から買うよう}押し付けられそうな気がする。
▼我が国の原子力政策は1953年の、アイゼンハワー大統領の国連演説【Atoms for Peas】に感銘した、中曽根康弘さんが、翌年我が国で原発政策を始めた。
▼「米国からの押し付け憲法」を声高に叫び「自主憲法制定」を目指している中曽根さん。やがて日本が軍隊を持った時には【原子爆弾】は必需品になるに違いないと考えていたのだろう。
▼原子力基本法第2条1項は「平和の目的に限り・・・」とあるが、2011年の福島第一原発事故の翌年、ちゃっかり2項が付け加えられ「我が国の“安全保障”に資する」となっている。
▼我が国はすべて米国の管理下に置かれているようだ。政府の政策は、米国が指示を出しているというのを考えた方が正解のような気がしている。
▼思いつくまま書いてしまったので、前後ばらばらだが、読んだ皆さんの頭の中で整理整頓していただきたい。私自身、頭の中での整理整頓が不得意なのは、妄想癖が災いしているようだ。