テディちゃとネーさの読書雑記

ぬいぐるみの「テディちゃ」と養い親?「ネーさ」がナビする、新旧の様々な読書雑想と身辺記録です。

夢見の、深みに。

2019-05-26 22:39:07 | ブックス
「こんにちわァ、テディちゃでス!
 ごがつゥはァ、だァーびィ~!」
「がるる!ぐるるるるるがる!」(←訳:虎です!2400mの闘い!)

 こんにちは、ネーさです。
 馬券を買ったことすら無い私たちですが、
 勝ったロジャーバローズ号は12番人気の伏兵だったんですって?
 よくやった!めでたい~!と拍手を送りながら、
 さあ、ここからは読書タイムに出走いたしましょう♪
 本日は、こちらの長編ミステリ作品を、どうぞ~!

  


 
        ―― ハムレット殺人事件 ――



 著者は芦原すなお さん、2019年3月に発行されました。
 『THE HAMLET MURDER CASE』と英語題名が付されています。

「あれッ? みすてりィなのにィ、はじまりィはァ~…?」
「ぐるるがるぐる?」(←訳:こんな夢を見た?)

 そう、物語の始まりは、まさに
 “こんな夢を見た”――

 私立探偵・山浦歩(やまうら・あゆむ)さんは
 あんまり楽しくない夢を見ました。

 かなたまで続く長い長い城壁の、
 石畳の通路を懸命に駆けてゆく夢。
 日本の城ではない、
 西洋の城の城壁通路の、
 ずっと向こうに、
 誰かがいる――

「げんそうてきィ、でスねッ?」
「がるるるるぐるるぅ?」(←訳:ヘンテコな夢だなぁ?)

 何度も何度も同じ夢を見て、
 山浦さんは気付きます。

 あの城は、そうだ、デンマークの城だ、
 エルノシアの城だ……。

「ふァいッ! それはッ!」
「ぐるるっるるがる~!」(←訳:ハムレットのお城~!)

 夢の余韻が醒めぬ中、
 ダイレクトメールに封入されていたチラシを手に取り、
 山浦さんは呆然としました。

 《ハムレット》の上演広告。

 しかも、
 人気俳優ばかりが集うそのお芝居のキャストには、
 山浦さんの学生時代の同級生の名が……!

「わおォ! たしかにィ、なまえもォかおもォ~!」
「がるる!」(←訳:彼女だ!)

 城壁の夢と、
 古い記憶に操られるようにして
 《ハムレット》のチケットを購入し、
 上演の日を待つ山浦さん。

 しかし、山浦さんが
 舞台に立つ旧友を目にすることは
 ありませんでした。

「だいじけんッ、はッせいィでス!」
「ぐるるがる~!」(←訳:上演は中止~!)

 彼女の身に何が起きたのか。
 事件の真相は。
 突き止めなくては。

 友人に協力を求め、
 難事件の調査に取り掛かる探偵さん……というと
 聞こえはいいんですけど、
 消極的で引っ込み思案で、
 とにかく欲がないのが山浦さんの実像です。

 いったい何が、
 山浦さんを駆り立て、
 事件を解決させようとするのか。
 
「おもいィはァ、ふくざつゥ~…」
「がるるるぐる~…」(←訳:こころも複雑~…)

 各キャラさんの会話や、
 やり取りについ吹き出したり、
 びっくりしたりしているうちに、
 明らかになってくる《犯人》の姿――

 探偵・山浦さんの人物造形も相当にユニークですが、
 山浦さんの相棒役さん、
 脇を固めるキャラさんたちも
 なかなかの突っ走りぶりを見せてくれる長編作品、
 ミステリ好きな活字マニアさんは
 一読してみてくださいね~♪
 
 
 

 
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