CAOS
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本宮の現場の帰り、知り合いのところにで教えてもらったのですが、熊野地方には川原家という建築があったのだそうです。
熊野川の盛んな物流を背景に、川原の船着場に何百という店が並んでいましたが、川が増水した時には簡単に解体して川原から避難させ、水が引いた後で元の場所に簡単に建て直せる構造になった木造の建物だったのだそうです。
復元したものがあるとのことで見に行きましたが、良く工夫された構造で建物としても基本的な部分は上手く完結していました。
「鴨長明の方丈の庵とはこういう建物ではなかったか」
一見して感じた事です。
木材という加工しやすくて、軽い上に丈夫な材料を上手く使って必要があれば持ち運んで必要な場所に簡単に立て直す事も出来る。近代的な材料を使って最新の技術を駆使して出来ていると思っていることが多いですが、そんな事の元をたどれば先人の知恵の上にのっているだけかと感じました。
帰ってきてから調べ直してみると、方丈記には「材と材との継ぎ目ごとに掛け金をかけた」とあるそうなので、川原家の金物を使わずに組み立てできる構造の方が進化した形なのかも知れません。