12月27日、午前5時。
日の出にはまだ早い。
しかし、会場はものすごい熱気。
爆音と怒号と嬌声と、
スプレー缶とロケット花火とフラッグと。
会場に詰めかけるジャマイカ人の群衆に
押しつぶされそうになりながらゲート前まで戻る。
ああ、ここからは無音状態。
あまりのサプライズに、周囲の音が記憶にないのだ。
5時から7時までの音の記憶がない。
あるのは、心臓の高鳴りと、こめかみに脈打つ怒りのシグナルだけ。
「 ………!!!!」
とにかく、驚いたのだ。
なんといっても、驚いたのだ。
ゲート前の約束の時間に、
事務所を訪ねてみると…
そこには、誰もいなかった。
それはもう、サプライズなのだ!
その瞬間、「やられた!」と悟った。(もう遅いのだけどね)
預けたカメラの一切合切が盗まれたと合点した。
ああ、なんという過ちを犯した!!!!と
何度も何度も自分を悔いた。
しかし、このまま引き下がっても仕方がない。
まずは、やれることだけ、とにかくやろう。
ゲート前で幸いにして、入場時に難癖をつけてきたデブッチョがいた。
「ヘイ!事務所の連中がいないんだけど、オレのカメラ返してもらおうか!」
気持ちとは裏腹に、英語ではどのように伝わったのか…。
そのデブッチョは、面倒臭そうにボクをバックステージまで連れて行く。
とにかく、カメラだ。
沖縄からわざわざプロ仕様のNikonを借りてきたのだ。
なくすわけには、いかない。
キズひとつなく菓子折といっしょに、返す手はずなのだ。
血潮が脳みそを掻き回した。
真っ赤な顔をしていたに違いない。
他のスタッフも、目を背けて相手にしない。
そりゃそうだ。
ステージは最高のクライマックスを迎えている。
観客はもちろん出演者たちも総出で
ステージの行く末を見守っている、まさにその時なのだ。
何万というオーディエンスの彼方からは
日輪が今まさに昇天しようとしている。
そのなんと美しいこと。
あああああ、カメラ!!
この時ほど、カメラの不在を嘆いたことはない。
なぜ、この決定的な瞬間をボクはみすみす見逃しているのだ。
日の出にはまだ早い。
しかし、会場はものすごい熱気。
爆音と怒号と嬌声と、
スプレー缶とロケット花火とフラッグと。
会場に詰めかけるジャマイカ人の群衆に
押しつぶされそうになりながらゲート前まで戻る。
ああ、ここからは無音状態。
あまりのサプライズに、周囲の音が記憶にないのだ。
5時から7時までの音の記憶がない。
あるのは、心臓の高鳴りと、こめかみに脈打つ怒りのシグナルだけ。
「 ………!!!!」
とにかく、驚いたのだ。
なんといっても、驚いたのだ。
ゲート前の約束の時間に、
事務所を訪ねてみると…
そこには、誰もいなかった。
それはもう、サプライズなのだ!
その瞬間、「やられた!」と悟った。(もう遅いのだけどね)
預けたカメラの一切合切が盗まれたと合点した。
ああ、なんという過ちを犯した!!!!と
何度も何度も自分を悔いた。
しかし、このまま引き下がっても仕方がない。
まずは、やれることだけ、とにかくやろう。
ゲート前で幸いにして、入場時に難癖をつけてきたデブッチョがいた。
「ヘイ!事務所の連中がいないんだけど、オレのカメラ返してもらおうか!」
気持ちとは裏腹に、英語ではどのように伝わったのか…。
そのデブッチョは、面倒臭そうにボクをバックステージまで連れて行く。
とにかく、カメラだ。
沖縄からわざわざプロ仕様のNikonを借りてきたのだ。
なくすわけには、いかない。
キズひとつなく菓子折といっしょに、返す手はずなのだ。
血潮が脳みそを掻き回した。
真っ赤な顔をしていたに違いない。
他のスタッフも、目を背けて相手にしない。
そりゃそうだ。
ステージは最高のクライマックスを迎えている。
観客はもちろん出演者たちも総出で
ステージの行く末を見守っている、まさにその時なのだ。
何万というオーディエンスの彼方からは
日輪が今まさに昇天しようとしている。
そのなんと美しいこと。
あああああ、カメラ!!
この時ほど、カメラの不在を嘆いたことはない。
なぜ、この決定的な瞬間をボクはみすみす見逃しているのだ。