#photobybozzo

沖縄→東京→竹野と流転する、bozzoの日々。

ドキュメンタリー写真の心得 by 大森克己

2006-07-09 | memories
      ●
      まずカメラを持つ前に、何故、何のために写真を撮るか
      よく考えましょう。写真を撮ることには、大きな覚悟が必要です。
      …各自黙想すること…よろしいですか?では始めましょう。
      ●
      まず、正面に立つ。よく見る。
      もっと近くによる。細部に注意をはらう。
      そして引いて見てみる。もっと引いて見る。
      タテ位置は断定。ヨコ位置は客観。
      ●
      音や匂いにまどわされない。
      センスだの感覚だの生意気なことを言うな。
      とにかくたくさん撮れ。
      ●
      被写体の気持ちを考えろ。
      そして裏切ることを忘れるな。
      絶交を覚悟せよ。
      独りになれ。
      現在の自分というものを簡単に信じるな。
      しょせんあなたの理解はあなたを越えられない。
      世界はあなたの友達ではない。
      直観は大切だ。
      ことばで説明できることは写真に撮るな。
      未来の記憶を思いだせ。
      そして世の中には写真に写らないものがたくさんある。
      ●

ちょうど1年前の七夕の日、ボクは「大森克己ワークショップ」に参加していた。
全12回、6ヶ月におよぶ長いスパンだ。
講師は写真家・大森克己さんと
ディレクター・町口覚さん、キューレター・金谷仁美さん。
受講生は全14名。北は山形から南は沖縄までの人間が、この東京に集まった。
皆、大森克己の写真に惚れ込み、応募してきた写真家志望の連中だった。

あれから1年が経ってしまった。
「ドキュメンタリー写真の心得」も未だ習得できないでいる。
これを読むたびに大森さんの鋭い眼光がよみがえる。
町口さんの無言の批評に恐れおののく。
6ヶ月を共にした受講生はみなどうしているのだろう。
同じように背筋を伸ばして、この「心得」と対峙しているのだろうか?

写真のなんたるかを体得できないまま、
「とにかくたくさん撮れ」の言葉だけ鵜呑みにして行動する。
突き動かされる視覚を客観的に判断しつつ、シャッターを押す。
再編して集約して、「世の中には写真に写らないものがたくさんある」と
反芻しながら、大森克己に近づこうともがいている。

今年もあと6ヶ月。
去年の自分を研ぎ澄まそうと、奮起を誓う。



大森克己
町口覚
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