Retrospective...

イラストレーター/ライター遠藤イヅルの困った嗜好をばらす場所

504にクラクラ

2005-10-11 | プジョーな話。
プジョー504

一時期、これが真剣に欲しかった。
1968年デビューのクラシックさ。
プジョーが地味な実用車メーカーだったころの、その趣。
アフリカなどの植民地でも耐えうる、そのタフさ。
素晴らしいシートに、驚くほどの居住性。
すべてが良識的な設計。
ゆえに実直。地味。
ああ、最高...。




シトロエン XANTIA(エグザンティア)に乗っていたのでもう7年くらい前の話になります。
京都のアウトパラスさん(僕がのちに2CVを買ったお店)に、
出物の504があったのです。
それは正規ディーラーモノの、薄いクリーム色を纏った1981年式504D。
D、はディーゼルのDです
(プジョーはメルセデスと並んで、早くから乗用ディーゼルを開発していたメーカーでした)。

日本には、1970年代初頭に一時期北米仕様が輸入されたのち途絶え、
暫くたってから入ってきたのがこの504D。
それまでの北米仕様とはちがい、美しいマルシヤルのヘッドライトを持った
欧州仕様での再デビューでした。



僕が京都で見たそれは(見に行っちゃったW)、外観が素晴らしい状態。
何よりもオドロイタのが、ボディの立て付けがしっかりしていることでした。
薄いルノーを見慣れてきた自分には、オールド・プジョーのその「頑丈そう」な
ことがとても意外に映った。

バンパーはいかにもバンパーのつくり。
そしてシートは、ルノーともシトロエンとも違うテイストの、
だけど間違いなくフランス車のそれ。
ふわふわ、だけど芯がしっかりしているあれです。
柔らかい度合いは、60年代そのもの。感動しました。
当時の国産車よりも愛想のないダッシュボードも、
むしろ504らしさを強調してたまらないポイントです。




だけど。
エンジンかけてオドロイタ。
整備は随分されているクルマだったけど、
その音の大きさ。ちょっと古いトラックなみ。

...当時借家で、車庫も借りていた自分。
車庫は家に囲まれた場所で、角のお宅は小さな子供がふたり。
夜中に出かけることの多い僕。
こりゃあ、メイワクかも?

......ううううううーーーーーーーん........(悩




喉元まで「買う!」と思っていたキモチが、ちょっと冷めてしまった。
これでガソリンだったら......即買いだったかもしれません。
といっても日本に入っている504で、ガソリンは限りなくレア。
もう、現地生産を続けてるアルゼンチンとかから買おうかしら、とか
莫迦なことばっかり言いながら、一緒に行ってくれてた猫澤君と話しました。

だから、似たようなシブ箱(ルノー19)を持っている今でも、
504を見ると「はっ」とします。
あの時504を買っていたら?
今の自分はどうなっていたのでしょうね(^^




>>それにしても504Dを買わなかった理由...
それが高速巡航速度が低い、とされていたことです。
当時のディーゼルは音が大きく、またオートマが3段であったことなどから
巡航していて「ここちよい」のが90キロ前後だと、CGに書かれていたのです。
当時は良く遠くまで出かけてました。だから、その速度はちょっとひっかかった。

>>それと、京都往復を何の苦もなくやってのける、XANTIAの素晴らしさに
改めて感動しちゃったというのも、買い替えなかった理由だったりします。
素晴らしかったです。ほんとに疲れないかったんです。
行きなんて、浜名湖で15分くらい休んだだけ。

>>まあ、結局そのあとXANTIAは買い替えてしまったんですけども(汗
コメント (8)
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