Retrospective...

イラストレーター/ライター遠藤イヅルの困った嗜好をばらす場所

別れは突然に...

2005-04-10 | シトロエンな話。
突然ですが、今日2CVを手放しました。

いえ、2CVがキライになったのでは、無論ありません。
ie家にはご存じの通りZXブレーク
2CVという2台のシトロエンがいました。
でも実際のところ、今の暮らしでは2台は使い切れないですし、
正直なところ経済的にも余裕は無かったのです。

それと「ある計画」のために、まさしく「惜譲」をせざるを得なかった
というのが大きな理由だったりもします。

詳しいことはいつか書きますが、とにもかくにも今日、2CVを預けて
電車で家に帰ってきて、車庫に2CVがいない姿を見ているわけですが、
車検か修理か、貸し出しの時もそんな風に「いなかった」わけで、
いまだに「もう、二度と戻っては来ないのだ」という実感が少しもありません。

実は2CVを手放すということはこの数週間で決まっていたのですが、
もう少し手元において置けるとは思っていたのです。
でも、事情が重なり、昨日の段階で「今日手放す」ことになりました。

正直なところ、あんまりに急で、とまどいました。
でも気を取り直して、今朝は嫁と義母を乗っけて、近所の目黒川の桜を見に
最後のドライブに出かけました。
開けはなった屋根からは、暑くもない心地よい太陽。
ダイレクトに車内導入されるベンチレーターからは
ちょっと強めの春の風。
そしてそれが散らす桜が、別れを惜しむように2CVにも
舞い散り、最後の姿を飾りました。

華やかな季節なのに、別れ。

帰宅後、一生懸命最後の洗車&ワックスをかけました。
2CVは購入当初の輝きを取り戻しました。
車内のお手製シートカバーを外すと、買ったときに張り替えた
キルティング模様のかすれやすいジャージ生地が、
これまた買ったときのまま、そのまんま出てきました。

夕方、いよいよ出発です。これが最後の旅。実感はわきません。
おかしいとすれば、一切の私物が省かれた運転席まわりの景色です。
納め先は多摩川の向こうです。
なので、僕はこのクルマで走るのが大好きだった
駒沢通り~目黒通り~多摩川沿いというルートを選び、
最後のドライブに華を添えました。
自由。くるまとはなんぞや。
古典。存在。細いタイヤ。倒れそうなコーナリング。
空冷。29馬力。ふかふかの椅子。ノンシンクロのローギア。
春の風。雨漏り。夏の酷暑。秋の切なさ。枯葉舞い散る車内。
毛布。雪。それらの記憶が、語り尽くせぬ思いとともにフラッシュバック。

さよなら2CV。


>>気づけば10台くらい乗り換えていますから、そのたびに「別れ」があったわけですが
このクルマはキライになったのでも不満があったのでも無いので、
ちょっとつらいです。4年間(ieにしては長い)、
あたりまえのようにあったクルマでしたから、
もういないのだということに改めて気づいたとき、
僕のダメージはきっと大きいでしょう。
コメント (14)
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする